OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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続きです。
グラハムがそのことを聞かされた時、それは大袈裟だと鼻で笑ったものだった。
確かにガンダムの性能は今までのMSの性能を遥かに凌駕していたが、体を代償にしたとはいえフラッグを駆る自分でおとせたのだ。
たかがこの機体一つで、長らく均衡を保っていた世界の勢力バランスが崩れるわけがないと。
だが、教授は本気だった。
ガンダムの解析を始めたような純粋な好奇心の輝きは去り、沈痛な面立ちでグラハムに告げたのだ。
『たかが1勢力がこの力を独占すべきではない』と。
「動力については少ししか解析できなかったらしいが、太陽光での無尽蔵のエネルギー供給、そして機体とは取り外し可能だということがわかった。
動力についてはあまりわからないが、これだけの機体を作る技術を持つものたちが、これ一機だけを作って満足しているとは思えるか?
否、むしろこちらの想像を遥かに越える新たな機体を作るだろう。仮に解析に全て成功して兵器に応用できたとしても、新しく改良された機体がユニオンを潰しにくるかもしれない
そしてその時、必ずしも一機だけで来るだろうか?秘密保持の為に複数くるのではないだろうか?
そうなれば、現時点で水素エネルギーパックという限られた電力供給しかないユニオンは…滅ぼされる可能性はある。ましてや、大量にガンダムと同系の機体が来たら終わりだ。」
そうだろう?と肯定を促すと刹那は顔を曇らせた。
その推測は、半分あっていて半分はずれている。
CBの目的は紛争根絶であり、三大勢力を滅ぼすつもりはない。
第三世代のガンダムを使えばユニオンをつぶすこともできるだろうが、それは労力の無駄だ。犠牲は最小限に抑えたい。
しかし太陽光エネルギーの使用、GNドライヴの取り外しまで確認できている人間が、それ以上のことに気付かないわけがない。
刹那はパイロットであり、CBでもGNドライヴの仕組みまではわからないのだ、大分奥深くまで解析できていたらまずい。
やはり早めにユニオンの基地に潜入するべきだったか、と唇を噛んでいると「安心したまえ」とグラハムは薄く微笑んだ。
「プロフェッサーは解析が6割を到達したら、ガンダムの解析に関するデータを全削除してしまったから」
「は?」
「ガンダムの技術力は我々の遥か先の技術を使っているようだからね、そのときが来るまではと言って、全て廃棄してしまったのだよ。
『システムの中にあったクラッキングシステムが作動した』と言ってね」
そういたずらっ子のようにウインクしてみせたグラハムを、刹那は思わずぽかんとした顔で見つめてしまった。
「ぎ、技術運用に使わなかったのか?そのデータを」
「ああ、それに元々ユニオンの技術は他よりも先に進んでいるからね。教授は誇り高き技術者だから自分の力でこの技術に到達したいらしいし、焦ってガンダムの力を実践登用する必要性は感じていない」
まあ実際にガンダムには生体認証があるから乗れない上に、乗れたとしてもパイロットは限られるだろうね、となんのこともなさそうに言うグラハムにあっけに取られてしまう。
「もしかして、追われているというのは・・・」
「ああ、本当に解析ができていないだろうかと言う疑いからだよ。セキュリティをかけなおした上にプロフェッサーが本当にクラッキングをかけてしまったから、あれを解析しなおせる人物は・・・ユニオンはおろか人革もAEUも無理だろうからね。
その後プロフェッサーもカタギリも、そして私も追求をまぬがれる為に軍を退職してしまったから、本国からは複製した解析データを高額に売り渡していないか、他のならず者達には隠し持ったデータがないかと疑われているわけだ。全く失礼な話だ、今はただの民間人だというのに・・・」
ぶつぶつと文句をいいながら怪我を負った部分を撫でる彼に、刹那は驚愕を通り越して呆れてしまった。
CBにとっては武力介入開始前に技術漏洩を防げたのだからいいことなのかもしれないが、折角200年後に相当する技術を兵器運用しなかったのだから馬鹿としかいい様がない。
確かに自分達の力だけで高みに到達したい気持ちはわかるが。
「だが本当にお前はそれでいいのか?ガンダムを追い求めていたのだろう?」
命を賭けてフラッグに乗り、そして執念で性能差に開きがあるガンダムを落としたのだ。
そこまでしたというのに、あっさりと解析データを破棄して、退職してしまって。戦えなくなったとしても、教官や、ガンダム鹵獲を公表すれば英雄として祭り上げられる存在なのに。
しかしグラハムは緩く頭を振る。口元に蓄えた笑みは、嵐が過ぎ去った凪のような穏やかさであった。
「私がガンダムを追い求めたのは機体が欲しいからではなく、戦闘の高揚感を得たかったからだよ。性能差があるから故に模擬戦や他陣営とは比べられようもないくらいに、力を発揮できた。
ガンダムを鹵獲したのも、軍の命令で存分に力を奮えるからだ。・・・それこそ、命を賭す覚悟をあっさりとできるくらいに。
だから仮に私がフラッグに乗れる身体のままであったとしてもガンダムに乗ろうという気にはならなかった。それに私はフラッグが最高の機体と信じている・・・」
思い浮かべたのは、最後まで勝ちを譲ろうともせず頑固なまま散った師。
そして、フラッグを開発した誇り高き技術者プロフェッサー。
そして影では汚名としてあの事件が囁かれていてもついてきてくれたハワード達。
彼らがいる限り、その思いがフラッグから降りるつもりはなかったから。
刹那はそれでも解せずに顔を逸らしていたが、それでいいと思う。
「・・・しかしそれなら、ガンダムはどうなっている?新たな解析が始まっているのか?」
「軍をはなれたからわからないが、ガンダム自体は基地に残されているだろう。解析も始まっているだろうけどまずはプロフェッサーのクラッキングを解かないと機器の無駄遣いになるな。解析が再会したとは聞かないからてこずっているだろうね」
なにしろユニオンが誇る技術官なのだから、肩をすくめるグラハムに向かってそうか、と声を落ちつかせつぶやいた。
解析が始まらず武器に運用されていないなら簡単だ。
第二世代ガンダムを奪還する。
流石にユニオンに放ったスパイだけでは恐らく国家機密に指定されているそれを秘密裏に持ち運ぶことは出来ないだろう。近いうちに、奪還の為に刹那たち第三世代ガンダムマイスターが本格的に動き出すかもしれない。
そして、ガンダムの話をされた以上、グラハムに諜報の為にと接する必要性はなくなった。
高等学部の女学生、刹那・F・セイエイとしての任務は、終了したのだ。
愛してしまった男性の腕の中で。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
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管理人:流離
since:20071112
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