OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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続きです。ここから多分ただのバカップル
見た目はシンプルだが総革張りで、座り心地がよいソファーに座ると、グラハム
が真新しい白のカップを手渡してきた。
湯気と、甘い香りに鼻がひくつく。温かいカップを両手で包み込み、淵からちろ
りと舐めれば、ホットミルクに蜂蜜を加えたものであることに気付く。
「気の効いたものがなくてすまない」
「…構わない。」
悪くはない、と頬を緩める刹那の姿にグラハムは小さく笑みを作ると、刹那の隣
に座り、彼もまたホットミルクを啜った。
熱い季節ではあったが、体力が消耗した体には優しい。
段々と血生臭さや緊張感が抜け、力が抜けた頃にグラハムは話を切り出した。
「…遅くなったが、先ずは礼を言おう」
有り難うと呟くグラハムを刹那はちらりと横目で見つめ、カップに口をつけたま
ま言葉を続けた。
「…それがお前を殺そうとした人間に言う台詞か?」
「結果的に助かったのだから気にしないさ。それに、―君がただの生徒だとは最
初から思っていなかったよ」
刹那は目を向く。カップから口を離しグラハムを見れば、ただ静かに微笑んでい
るだけだった。
「私が教師になったのは、元々技術開発に関わっていたレイフ・エイフマン教授
のご厚意だよ。あの学校なら学生が多いから強引に軍部も手出し出来ないし、人
の目もある。隠れ蓑には最適だ。」
「…俺達の存在は、いつ」
「元々ガンダムについて嗅ぎ回る組織がいるかもしれない、と忠告されていた。
優れた諜報員がいつ送られてきてもおかしくはない。」
まあそれがどこにも属さぬ組織だとは予想していなかったのだけど、と悪戯っぽ
く笑ってくる男に刹那は顔を渋くした。
「俺のことはいつ見抜いていた?」
「…バレンタインの前に、カタギリは気づいていたみたいだ。念のため君の経歴
を調べてみたら、疑問点が多かったらしい。
最も身のこなしや身体能力、身に纏う雰囲気がとても普通の女子生徒には見えな
かったからね。」
やはり諜報員は自分には向いてないのかもしれない。
あからさまに顔を曇らせ、軽く落ち込んでさえ見える刹那だったが、「他の教職
員にはまず疑問に思われてないから安心したまえ」とやんわりフォローをいれて
きた。
その教職員の中にCBのメンバーは入っていたのに…イアンは何をしていたんだと
ごちたくなる。
「だがこれだけは信じてくれ、確かに君たちはイレギュラーな存在だったが、初
めて出会った時から私の心は既に心奪われ」
「いいから話を続けろ」
刹那の手を握り愛について語りだそうとするグラハムをうんざりした顔で制する
。
「それよりも、そんなに話していいのか?俺は第三勢力の人間だ。」
「…元々いた軍にも追われてる身なのだから、君たちに託すしかないだろう。」
おかげでカタギリと一緒に逃避行してたよ、と苦笑しながら髪をかき揚げるグラ
ハムだが、こうして間近にみると目の下には隈が出来、疲労が蓄積されているこ
とに気づいた。軍人とはいえ追われ続けるというのは心理的にもストレスが多い
だろう。
グラハムはくいっとカップを持ち上げ飲み干すと、ガラステーブルにこん、と置
いて刹那に視線をあわせる。
「君達は学生を装い私達を監視したり探っていたとはいえ、決して力にものを言
わせたことはなかった。…何が何でも力を手にいれたい強硬派とは違う。それに
、」
そう言うと、グラハムは刹那の頬に触れ、吸い込まれそうな翠をしっかりと固定
するかのように向けてきた。
「君たちの…いや、君の瞳には濁りや穢れがない。私欲を投げうった、強い輝き
がある。
初めて見た時から、その視線の先が私に向かないかと思っていた…君の視線を、
一瞬でも捕らえていたかった。」
痛い程に向けられる若葉色の瞳は普段なら燦々と自信に満ち輝いているはずなの
に、今日は奥底に諦念と決意が渦巻き、深い翠に見えた。
「私を見て欲しかった。仇なす者だろうが、構わない…一秒でも君の視界にいた
かった。だが君は私の側にいても、私よりももっと先の物を…ガンダムを見てい
たんだね」
「…」
「正直私は嫉妬しているよ。あの時恋い焦がれたガンダムに、君の気持ちを奪わ
れていたなんてと。
追い求め、ようやく掴んだのに天職を奪われ、さらに愛した君の心を縛りつける
機械の天使が憎いよ。」
グラハムの蟠りに気付き、刹那は耐えきれなくなり視線を落とした。
そうだ、グラハムの言う通り。彼を好きだと自覚はしている。だが紛争根絶を前
にすると、やはりそちらに目が向いてしまう。
CBの目的であり、刹那の悲願。
刹那は破壊しか出来ない。
そして、人に有害としか言えない力を有効活用できるのが、ガンダム。
自分と同じ破壊者を出さない為に、この力を振りかざせるなら。それが、ソラン
を捨てた刹那の存在意義だから。
「…すまない、俺は」
グラハムは好きだ。初めて異性として、許されるなら隣にいたい。
しかし、刹那の中では一番ではない。
無意識のうちにそれはグラハムに悟られていたのだ。
そしてガンダムよりお前が大切だ、と言い切ることは出来ない。
無表情の中で自己嫌悪と苦渋に顔を曇らせる刹那にグラハムは微笑み、そっと柔
らかな髪を撫でた。
「刹那が気にすることはない。そういう一途な所も好きだから」
「…すまない」
「でもいつまでもこの立場に甘んじる訳ではない…一つだけでいい、約束してく
れ」
逞しい手により急に抱き寄せられ、いきなりのその行動にカップから残ったミル
クが零れた。
スカートに温くなったミルクがかかる。
だが拭きたくても熱い彼の胸に顔を埋められ、何も言えない。
「私はガンダムについて知りうることを話す。それを君達の目的に役立てればい
い…しかし交換条件がある」
「交換、条件?」
すっと息を吸うと、グラハムは瞬きすらせず、静かに、そしてはっきりと言葉を紡ぎだした。
「…君が目的を果たしたら、私の元に真っ先に帰ってきたまえ。我慢弱い私だけど、
君が私をみてくれるようになるまでは待とう」
その時には君の中で私の優先順位が上がっているだろう?
骨張った肩をすがる子供のように頭を押し付け、グラハムは肺が締め付けられる
程に抱き締めてくる。
刹那の目的。
紛争根絶だと、この際はっきり言った方がいいのだろうか?
数百年かけやっとここ数年でイオリアの理念をようやく始動し始めたような組織
なのだ。
「…きっと途方がない時間がかかる」
ゆっくりと頭を振り、グラハムの約束には応じられないと態度で示す。
人間は、有史以来争いを止められなかったのだ。
それを根絶するのに、短期間で終わるはずがない。
数年、下手をしたら世代を越える可能性もある。
「無理だ。そんな不確かな約束はできない」
そこまでグラハムを縛りつける必要など、刹那にはない。
きっとその間にどちらかの心は離れるだろう。
第一、刹那が生きて帰る確証はない。兵器を駆り、戦いを続ける限り、死は付き
まとう。
帰らぬ者を待つほど、虚しいことはない。
しかしグラハムは抱き締めるのを止めない。
強く強く、刹那の小さな体に鎖のように絡み付く。
「不確かではない!私はしつこいから君を待ち続けられる…!運命を感じたもの
に対する執着は凄まじいぞ!」
「…帰ってこなかったら、お前はどうする?帰ってこない者を待ち、お前は無駄
な時を過ごしていくのか?」
「君は私をみくびっている!」
僅かに苦しい程の拘束が緩められ、グラハムが笑いかけてきた。真夏の太陽の
ような、自信に満ちた笑み。
「その時は、地の果てまで、冥府の底まで追いかける!」
「…ストーカーじゃないか」
「ストーカーで結構。心奪われたものは必ず手に入れる、それが私、グラハム・
エーカーだ!」
高らかに宣言すると、グラハムはよりいっそう強く抱きしめてきた。
苦しいのとあっけに取られ力が抜けたこと、体重をかけられたことによりバランスを損ない、そのまま二人はもつれ合うように、ソファーにぽすりと倒れこんだ。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
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