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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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謎解明がしょぼくてすみませんな続き。












突然のグラハムの行動に目をぱちくりさせていると、刹那の額にこつりと額を当ててくる。くすぐったさに眉を潜めると、グラハムは吐息が当たる程間近で、少しだけ寂しそうに笑った。



「ガンダムを必死で追いかけ、力でねじ伏せようとしていたあの頃と同じ高揚感を君に感じているんだ。教師になってから数人の女性と付き合ってみたが、駄目だったんだ。いつまで立っても満たされない。彼女達は素晴らしかったが、私に掻き立てられる物はなかった。ただ、手をつなぎ、デートをし、キスをする・・・その過程が、いわゆる普通の恋人関係と言うのが、私には耐えられなかったのだよ。」



普通の女性との平穏と安定が約束された生活に我慢しきれなかったと苦々しく呟くグラハムの姿に、刹那は少しだけ納得する。

紛争根絶という大きな目的があるからこそ、刹那は生きて、そして満たされている。だが、その目的がある日、それこそ突然成せなくなった時、刹那もまたこの男のように空虚を感じるのではないだろうか?

時折空を見上げる彼の目は、捨てられた子供のようだったから。




「だが、君だけは違った。・・・刹那とはこうして想いが通じあった後も、満たされるんだ。それは君が私を一番に感じないからだろうけど」

「…当たり前だ。俺にはなさねばならないことがあるから」

「そこまではっきり言われると流石の私も傷つくよ?」




グラハムは苦笑しながらも、刹那の額にキスをする。

それがくすぐったくて目を細めると、白い手は優しく髪を撫でてくれた。




「手離したくないな…」



何時になく寂しそうに笑うと、刹那の胸に子犬のように頭をこすりつけてくる。


「やはり真相を話さない方がいいのだろうか」



凄く不安なんだ、とグラハムは刹那の胸にすがりつきながら心情を紡ぎ出す。
いつも人を食ったような、余裕を見せていた彼が、自分の胸に小さく収まっている。

その事実に胸がチクリと傷んだ。

この温もりから、離れたくない。

でも、それでも俺は。




「もう、遅い。ユニオンや多勢力が動き出した以上強硬手段をもってしてでも」

「ああ、わかっているよ。君の信念の強さは…私では君の意思を曲げられないし、君を邪魔しようと思う程お邪魔虫ではない。…もうフラッグに乗れない以上、あの機体を追い求めるには意味がない」



いつも自信と余裕にみなぎって、余計なばかりに輝いていた瞳だったはずが、砕けたガラスの破片のように空虚と寂寥を滲ませている。

ガンダムを滷獲することに信念をかけ、そして代償として飛べなくなったのは、
覚悟をしていたにしろこの男に相当の打撃を与えただろう。

空を寂しげに見つめていたのは、悠然と飛び闘争に身を焦がしていたかつての自分を思い出していたのだろう。


そして、自分は彼が望む空に行く。彼を置いて。

それは彼にとって残酷なことでしかないのかもしれない。

ガンダムに変わる好意をもった少女が、何よりもガンダムに近い存在なのだから。




「君はガンダムに似ている」



ふわりと笑いながらかけられた言葉に、刹那は首を傾げる。



「気高くて、靡かなくて、孤高で…私が滷獲したガンダムのパイロットなんて、
捕虜になった瞬間仕込んだ毒で自殺した。何を彼らがそうさせるのか、あの力を用いて何をしたかったのか…興味を持っていた。」



そしてプロフェッサーは解析を始めたと語り出すグラハムの目は、過去を見つめているのだろうか。だが思った以上に暗い瞳ではなく、戦友を称えるような、敬意を持った眼差しだった。


「最初はプロテクトが何重にも掛かっていて、教授やカタギリというユニオンが誇る技術者をもってしてもガンダムの秘密は暴けなか
った。私はその頃集中医療を受けてたから彼らの苦労を間近でみたわけではないが」



彼が悩みながらも、ぽつりぽつりと語りだした真実を一字一句たりとも聞き漏らさないよう耳を傾ける。

そんな真摯な刹那を抱き締めたまま、グラハムは言葉を続けた。



「だが次第にプロテクトは解けて、私の怪我が治る頃には少しずつ解析が出来るようになった。最初は純粋に教授も驚いていたよ、オーバーテクノロジーとも言えるガンダムの存在にね。

だが4割位に到達したとき、教授は気づいてしまったんだ。
これは世界全体の勢力バランスを崩すものだと」




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