OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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真相発覚。
解析、出来ていただと?
木陰で聞いていた刹那は、驚愕に目を見開いた。
馬鹿な、ヴェーダはセキュリティは解除されていないと…
硬直する刹那と同じく、グラハムもまた歩きだそうとしていたが足を止めた。
「…ほう?何を根拠に」
「折角解析できていたというのに、エイフマン教授と結託し情報をなかったこと
にしたのだろう?そして軍部の追及を避け、持病を理由に教授が教鞭をとる学校
に再就職した…誰もが疑問に思ったよ、執拗さで有名な空戦の貴公子がこんなに
簡単に引退するものか、と」
クックッと喉で笑う男に、グラハムは僅かながらに驚きに目を見開いたが、すぐ
に何事もなかったかのように取り繕った。
「執拗さとは心外だな。私は純粋に力を求めていただけだ…そしてもうMSのGに耐
えられないから辞めた…それは事実だよ」
「だが英雄のお前なら普通天下るなり軍関係の再就職先なり見つけられるだろう
。だがお前は教職を選んだ。もっとよい職は数多とあったのに」
そういうと男は名刺を取りだし、グラハムに差し出す。
「我が軍にて情報提供をしたら、君を手厚く歓迎しよう。ユニオンからも君を匿
ってみせる。報酬も言い値でいい…」
君とて一教師として生きるより、過去の栄光をまた、掴みたいのだろう?
そう親しげに笑いかける男にグラハムは冷たい視線を向けるのみだったが、やが
てなにかを思い付いたかのように彼の手から名刺を受け取ろうと手を伸ばす。
やめろっ!
思わず叫びそうになる心。
それを受けとれば、お前を殺さなくてはならない。
情報漏洩を阻止するために。
身を乗り出したくなる心とは裏腹に、体はきちんと反応し、腰からダガーを抜こ
うと柄を手にしていた。
恋心よりも任務を優先しようとする自分に安心すると同時に、嘲笑を浮かべたく
なった。
こんな時でも、信じたいと願っている自分がいる。
首から下がるペンダントが、重く重く、刹那の心を締め付ける。
心臓があり得ないくらいに鼓動を早め、彼等に聞かれやしないかと不安になるく
らいだ。
受けとるな。
受け取らないでくれ…
刹那の痛切な願いと、期待に顔を歪める男とで暗い公園に静かな緊迫が訪れる。
それを突然切り裂いたのは、パシンと手を叩く音だった
「断る!」
グラハムに受け取られることはなく、男の手からはらりと四角く白い紙片が落ちた。
「私は何も知らない。そしてもはや軍にもガンダムにも関係ない、ただの愛を探
求する教師グラハム・エーカーだ。君達に残念ながら教えることはなにもない」
だからしつこく追うのも諦めたまえ。
そう笑いながら言うグラハムだが、彼の翠玉の瞳は全く笑っておらず、冷たく強
い意志の光を放っていた。
「話は済んだ。今後一切私に関わるなと、君達の上司に伝えたまえ」
そう男を鋭く鷹のように睨み付けると、名刺を踏み、グラハムは今度こそ背を向
け颯爽と歩き出す。
刹那はそれに思わず、近くの木々に寄りかかった。
彼らしいといえば彼らしくて、なんだか笑えてくる。愛の探求?馬鹿みたいだ。
やはり、あいつが内通者じゃなかったのか…
ペンダントをぎゅっと握り、安堵のあまりに力が抜けた膝を保つのに必死だった
。
手の中の硬質な石が、汗ばんだ刹那の掌を冷やしていく。
手にかけていたダガーから、手を離そうとしたその時だった。
「成る程、意地でも吐くつもりはないと」
残念だよ、と呟きながら男は懐に手を入れた。背を向け出口に向かうグラハムは
気づいていない。
「ならば話は我が軍の特殊聴取室で聞こう」
口と命が無事なら問題ない、といい放ち、男はかしゃりと何かを取り出した。
刹那は思わず息をのむ。
街灯に黒光りが走るそれは、銃だ。ご丁寧にサイレンサーまでついている。
「効きがいい自白剤もそろっている。安心しろ、殺しやしない」
グラハムも流石に気付き、振り返るが既に男は引き金に指をかけていた。
気づけばグラハムの周囲には複数の気配を感じる。仲間だろうか。しかしグラハ
ムは動じることもなく、ただ目の前の男を睨み付けていた。
「…それが君達の遣り方か?」
「上は戦局を塗り替える程の力を喉から手が出るほど求めているからね」
ゼロサムゲームにはもう飽きた。
そう笑う男の口には張り付いた笑み。
言葉通り情報を求めているのなら、殺さないはずだ。
だがグラハムが連れて行かれれば、機密漏洩と共に自白剤の強要で精神的に支障
が出る恐れがある。
助けたい。
だが、刹那が出れば、CBという第三者が存在することに気づかれるかもしれない
。
震える手が柄に触れる。
私情を挟むな、とティエリアが脳内で反響する。
わかっている。でも。
グラハムは動かない。丸腰なのだろうか。
逃げろ、逃げてくれ
叫びたくても叫べない。その歯痒さに、刹那は唇を噛んだ。
「卑劣な・・・」
そう髪を掻きあげるために身をよじらせたグラハムの胸元にちらりと輝くものが見えた気がした。
目を凝らす。
暗闇の中翠玉の瞳を軽蔑と冷静さで輝かせる彼の胸元。
そこに、小さな赤い輝きが、街灯に照らされ反射している。
刹那のものと似たデザインの、ペンダント。
刹那の瞳と、同じ…
男の引き金が引かれる前に、刹那の心は決まっていた。
夜の闇に赤い瞳と、銀色の刃と、ペンダントの翠が閃光のように閃いた。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
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管理人:流離
since:20071112
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