OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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沙ルイが少し出張っています。
「刹那?」
聞き覚えのある声に、振り上げていた拳がピタリと止まった。
振り替えれば沙慈とルイスが、手を組んで立っていた。学校帰りなのか、二人と
も制服である。
「こんな所で何してたの?」
「…別に」
さっと拳を降り下ろし、何事もなかったかのような顔をするが、ルイスは目敏か
った。
キラキラと緑の目を輝かせ、刹那に詰め寄ってくる。
「ねー何持ってるの?アクセサリー?」
「っ」
気づいたらルイスは刹那の拳を持ち、興味津々といった表情である。
チェーンごと握って置けばよかった、と自らの失態を悟る。
ルイスはアクセサリーや衣類の類いには目がないのだ。
これがロックオン逹だったら簡単に振り払えるのだが、流石に一般人、それも女
性にたいしては力の加減が出来ない。
沙慈が止めようとするもルイスがそう簡単に引くはずもなく、刹那は渋々掌を開
いた。
「えー何これ?本物のエメラルド?!」
「綺麗だね、どうしたのこれ?」
「別に…」
目を輝かせながら見射る二人に、刹那はちくりと胸が傷んだ。
これのせいで俺は、あいつへの想いを立ちきれない。忌々しい。
欲しかったらルイスにでも渡そうかと思っていたが、うつむいた刹那に気づかず
こういうものに人一倍興味があるルイスはともかく沙慈までまじまじと見つめて
いた。
「でも随分高そうだね・・・」
「18金のチェーンにエメラルド…刹那が買った訳がないから、…わかった、グラ
ハム先生に貰ったんでしょう!」
女の感はどうしてこうも鋭いんだ。
沙慈もグラハム先生ならあり得る、と頷いて見せている。
今一番聞きたくない名前をずばりと言われ、刹那は顔を曇らせた。
「通りでたまに大切そうに何か握ってたんだね」
「いいなぁこれ相当高かっただろうなー沙慈も買って!」
「え、ええ?!」
無理無理、と手を振る沙慈と、詰め寄るルイスが、羨ましかった。
少し前まであいつがしつこく側にいた。最初は嫌だったはずなのに、いつの間に
か鼓動が高まり、落ち着かなくなり…そうしてどうしようもない想いで胸が満た
された。
彼がいない今、幸せそうな彼等の姿を見るのは辛かった。
禁じられ、騙されていたとしても初めて手に入れることが出来た想いは永遠に戻
ってないことを逆に自覚させられて。
痴話喧嘩を続ける彼等から視線をそらし、欄干に手を置く。
初めてのキスも
抱き上げて保健室に駆け込んだのも
不味いブラウニーを食べきったのも
これを渡して来たのも
まやかしだったのだ、何もかも
もしかしたら、情報を探っていたことに気づいていたのかもしれない。
抱いてはいけなかったんだ、こんな感情。
もう、騙されないと心を閉ざしていたというのに。
こんなものっ…
見れば見るほど彼の眼差しと言葉を思いだし、頭に血が昇っていく。
「刹那?」
黙りこくっていた刹那に気づいたのか、二人が口論をやめて此方を見てきた。
だがその時には既に刹那は再び拳を振り上げて。
夕日の中、キラリと一瞬、翆が瞬いた気がした。
「せ、セイエイさん!?」
「…って、なにしてんのよ!?」
橋の下で水音がたった。沙慈とルイスがようやく気付き声を上げるが、僅かに飛
沫が上がったのを確認し、刹那はほっと安堵のため息をついた。
やれば出来るじゃないか。
捨てられるのだから、あいつへの未練はそんなになかったはずだ。
やはり、私情なんて挟んでいなかった…
「…って沙慈!何ぼやっとしてんの!?早く取ってきて!」
「え、…ええ!?なんで?!」
「いーから早くっ!」
「え」
ルイスが沙慈をまくしたて、橋の下への道へ彼を無理矢理押した。
沙慈は最初目を白黒させていたが、ルイスの意図を察したのか慌てて橋の下へか
け降りていった。
「何落としてるのよ、馬鹿刹那!」
「ばっ…違う、あれはもう必要ないんだっ!」
予想外の展開に狼狽した刹那が沙慈を止めようと手を伸ばすが、その手はぱしり
と彼女の小さな手に阻まれた。
細く華奢な見た目と同じく、刹那と比べればなんとも弱弱しい力。
しかし何故か刹那ははたけず、ルイスの不可解さと怒りに満ちた大きな瞳を見つめることしか出来なかった。
「なに言ってんの、先生に貰ったんでしょ!あんな綺麗なの捨てるって…喧嘩で
もしたの?」
喧嘩。
そうであったらどんなに楽なものか。二人がする他愛のない言葉のやり取りなら
ば。
「…っ違う、だが俺にはもう必要ない。欲しかったらやる」
見るたびにあいつを思い出すなんて、これからの任務によっては充分と支障が出る。
その為にだったら、あんなもの一つ捨てるのも造作がない。
苛立ちと、悔しさと、哀しみが入り混じった混沌とした気持ちを吐き捨てるように言えば、ルイスの瞳が丸く見開かれた。
何か間違ったことを言ったのか。
今までまくし立てるように話しかけていた彼女が口をつぐみ、その沈黙に耐えられず刹那が僅かに彼女の顔を見下ろせば、きっときつく眦を上げる彼女と視線が合った。
そこに刹那の視線のような拒絶するかのごとく敵意は全くみられない。
ただ、純粋な苛立ちに染まった緑。
一瞬その剣幕にたじろくと、次の瞬間、ルイスが小さな手を振り上げた。
風圧を感じる。
身体能力は雲泥の差だというのに、刹那は動くことが出来なかった。こんな小娘の攻撃一つかわすことなど、造作もないのに。
そして、夕暮れの道にさしては大きくないが、ぱあんと乾いた音が鳴り響いた。
視界がぶれた。
一瞬、何をされたのかわからなかった。
ピリピリとした痛みが頬に走るが、これくらいでは過酷な裏の世界に生きていた
刹那にとっては、痛みのうちに入らない。
問題なのは、何故かわせなかったかのか。
刹那の反射神経と反応速度なら、余裕でかわせるはずなのに。
驚愕に目が零れんばかりに見開くと、張り手をかました手を振りながらも、刹那
を睨み付けてくるルイスがいた。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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since:20071112
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