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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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シリアスです。
残酷描写が多々あるので苦手な方はご遠慮ください。













PM:11:53









人工的な光で照らされている繁華街の裏は、その目がくらむような安っぽい装飾と対比するかのように、闇が広がっている。

店のゴミや段ボールが散在し、目を輝かせた野良猫逹すら来ないような路地に、
一つの影が立っていた。

白と紺のセーラー服をきちんと規則通りに見にまとった少女は、酒と女や金がつきまとうこの街には似合わない潔癖さがある。

ただ、黒のローファーの下にはコンクリートに染み込んだ黒い水溜まりと、何かが横たわっていた。

少女の手元には、遠くのネオンを反射して息づかいによっては時折思い出したように輝くナイフがあった。先端からは伝うように黒い液が垂れている。


「…ユニオン?一体何故」



刹那が帰路を急いでいた時に、不意に後ろからつけてくる気配を感じた。

繁華街のような人の多い所で撒こうとしたが、路地近くに差し掛かった時に口元を押さえられて引き込まれ、羽交い締めにされそうになったのだ。

今も生温かい染みを広げていく男の手にはガーゼらしきものがある辺り、クロロホルムでも嗅がせるつもりだったのか。本業の刺客ではなかった為簡単に返り討ちにできたが。

始末ではなく誘拐しようということは、刹那がCBであることはばれていないはず。というか此方の情報は漏洩していないとスメラギが言っていたのだから問題はないだろう。

だとしたら。


「…グラハム・エーカー絡みか?」


もしかしたら第三者に最高機密を漏洩したグラハムを、ユニオンは裏切りもの扱いしているのかもしれない。

こうして彼の近くにいた刹那が彼を脅す材料か、または彼のことを聞き出す為か狙われるのもそれなら自然だ。

しかしこうして返り討ちにした以上、刹那に対する監視が強まる可能性が高い。
エージェントがなんとか偽装しても、この男が失敗したのは時が立てば気づくだろうから。

すっかり血飛沫で赤く染まったセーラー服やソックス、顔を荒々しく拭うと、刹那はことの次第を端末で報告する。

エージェントがまもなく到着するとの旨がすぐに返信され、刹那はため息をついて血溜まりから離れた。

去り際に男の亡骸と自らの惨憺たる姿を見て、嘲笑うようにぎこちなく顔を歪めた。



やはり、自分にはこちらの世界のほうが似合っている。

甘くて優しい日当たりの世界などまやかしで、こうして血なまぐさい闇の世界を、蛾のようにせわしなく飛び回り、躊躇なく刃を突き立てるのが本来の姿なのだ。

そしてグラハム・エーカーはいよいよユニオンの裏切り者の可能性が高まった。

皮肉なものだ、初めて明確に好きだという気持ちを持った人間が、CBにとって、自分にとって最大の敵であったなんて。

・・・こんな気持ち、知らなければよかった

血に濡れたナイフに、歪んだ自分の黒い影が映った気がした。

CBの刹那でもなく、クルジスのソランでもなく、平和な世界で生きる学生刹那など、まやかしだった。



だからこの胸にわだかまる想いも、まやかしであればいいのに。

彼を騙して情報を得るために、演技をいていたということになったのに。

そう割り切れば、いつかこのナイフであの男の命を絶つ日が来るとしても、なんの躊躇いも持たなかったのに。


「愚かだ・・・」


ナイフを抱くようにうずくまると、柄にかちりと何かが当たった。

彼の目の色を模したような、翠の石がはまったネックレス。

派手な装飾でその裏に隠れる欲望を隠そうとしている繁華街の中で、唯一自然本来の美しさを持つ石。

それを見るたびに任務中であっても彼のことを思い出し、胸が鎖で締め付けられるような息苦しさを感じた。


似合わない。

こんな綺麗なもの、血に汚れた俺には。

一瞬ぶちりともぎ取って、この想いごと路地に捨ててしまおうかという誘惑にかられたが、結局それはできずにただ刹那はうずくまって、冷えた硬質なその石をぎゅっと握ることしか出来なかった。



「グラハム・・・」


ぽつりと呟いた言葉は、近くに転がる肉の塊と化した男と、人々に踏みつけられてぼろぼろになりながらもこの路地に逃げ込んできた、白い蛾にしか届かない。

ゴミと血なまぐささとよどんだ空気の匂いを忘れたくて、刹那は目を閉じ、ペンダントをただひたすらと握っていた。

この小さな胸に根ざしているのが、第二世代を奪還しようとしている自分には最大の敵であるというのに、刹那は手が赤くなるまでずっと、彼の色を宿したペンダントを握っているしかなかった。

幼子がお気に入りの毛布を手放さないように、閉ざされたドアからもれる一筋の光のように、一縷の信頼と思慕をかけて。


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FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
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管理人:流離

since:20071112


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