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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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テーマパークは某ネズミの海がイメージです(笑)




日本経済特区にある、某有名テーマパーク。


300年前からある老舗ともいえる場所だが、日本がユニオン領になったこと、そこのキャラクターがいまだ人気であることにより、2308年現在でも有名観光スポットしてにぎわっていた。開場してまだ少ししか立っていないというのに、すでに子供連れやらカップルで入り口付近はにぎわっている。

AM9:01。一分ほど遅れてしまった。

小走りでゲートを抜けると、モニュメントと合体した、巨大な噴水の前に黒いスーツの男が立っていたので、刹那はすぐに見つけられた。こいつはいつでもスーツなのだろうか?



「すまない。少し遅れた」


駆け寄ると、入り口をじっと見つめていたグラハムは一瞬驚いた顔になった。

やはり似合っていなかったのだろうか?

一瞬不安になったが、グラハムが心底驚いた顔で刹那の顔をまじまじと見てくる。


「・・・驚いたよ。刹那と一瞬わからなかった。」


涼やかな翠の瞳は大きく見開かれ、大げさに驚いているわけではないことに気づかされた。気恥ずかしくなってしまい思わずうつむくと、グラハムがそっと肩に手を置いてきた。


「いつもの制服姿も可愛いが、今日の格好も素敵だよ」

「・・・っ!!」


よくも往来の中堂々と恥ずかしい台詞がいえたものだ。だが頬に集まった熱は総簡単に振り払えるものではなく、刹那は熟れたりんごのように頬を赤くなる。




「・・・いいからさっさと案内しろ」

「それではお手をどうぞ、レディ?」


やや芝居めいた態度でそっと差し出された手を振り払い、刹那はさっさと歩き出した。

死ぬほど気恥ずかしかったものの、印象は良かったらしく安堵する。なによりあいつの驚いた顔を見られたのは結構気分が良かった。クリスティナ達には感謝する。僅かにだが。




「はぐれないように手をつないだほうが・・・」

「黙れ」

しつこく手を伸ばしてくるグラハムに赤面を見せないよう、刹那は若干小走りになった。













「何か乗りたいものはあるかい?」


そういわれても、刹那はテーマパークなどにきたことはないので非常に困る。

事前に知らべてはいたが、ここまで完全に作りきった娯楽があるとはしらなかった。

(平和なものだ)


各国の世界を模した建造物、エリアによって道や売店やらなにもかも異なっており、匂いやなにからまでこだわっているような場所だった。技術が進歩した今、こうして直接楽しむアトラクションは減ってきているようだが、それが逆に新鮮なのかどこにいっても行列が出来ている。皆頭に動物の耳やら帽子をかぶっており、中には全身赤と白の水玉模様のワンピースを着たつわものまでいた。

集中的にこの場所が狙われたら一体被害はどのくらいになるのだろう、と想像していると不意に轟音と絶叫が背後から聞こえた。


テロか?

だがとっそに背後をみても地鳴りのような音が過ぎ去った後の複雑なレールしかなかった。


「ああ、ジェットコースターがいいのかい?」

「ジェット・・・?」



聞いたことはあるが、実際見るのは始めていた。しばらくじっと見ていた刹那が興味を盛ってのだろうとグラハムは勘違いしたのか、アトラクションに向かって歩き出した。


「ジェットコースターなんてティーン以来だな。」

「・・・ジェットコースターってなんだ」

「?」


グラハムが不思議そうに見てくる。しまった。そんなに常識的なものなのだったのだろうかこれは?

「いいや、忘れてくれ。」


慌ててそういうも、グラハムの驚きと不可解さを持った瞳は刹那から離れない。



「刹那、もしかして君は乗ったことがないのかい?」

「・・・テーマパークというもの事態が初めてだ」


嘘をついてこれ以上ぼろを出したくなかったので、正直に告白する。するとグラハムは一瞬ぽかんとし、刹那の瞳をじっと見つめてきた。何か探られているような瞳に居心地が悪くなり、一応言い訳を言っておいた。
死んでも幼い頃は紛争地帯に住んでいて、こういうものには縁がなかった、なんていえない。


「元々回りはそういう娯楽に興味ない奴ばかりだったからな」

「そうか・・・君のお兄さんは連れて行ってくれなかったのだね」

ひどい男だ、となにやら呟いていた。どうやらロックオンを兄と勘違いしているらしい。まあそのようなものだが。



「だが」

「?!」


しかし何かを思案していた表情が一転し、隙を突いて刹那の手を握った。

大きな手と突然与えられた温もりにビクリと肩をすくませる。




「今日という日が君にとってさらに思い出深くなると考えれば悪いものではないな」

「は、離せ・・・!」

「さ、いこうか」

そう言い放つと、抵抗する刹那を半ば引きずるようにして、グラハムは乗り物のゲートに向かった。
















「案外たいしたことはなかったな」


初めてのジェットコースターというものは、練習や模擬戦などでMSに乗っている刹那にしては物足りないものであった。

確かにコースターが落ち始める前の数秒間は緊張したが、それ以降は半端なGがかかっているだけだったので恐怖心も高揚感も何も得られなかった。むしろ落ちている間でもあくびが出てしまうほどである。


「まあここは子供連れか多いからね。ユニオンの本家はもう少し早かったかな?以前は年間に数人は死者がでていたらしい。」

「・・・それはどうかと」


アトラクションで死者が出るとは、案外この平和なテーマパークも物騒らしい。


「では次に行こうか」

「・・・手」


意気揚々と次のアトラクションに行こうとするグラハムの手を、ぎゅっと掴んで静止させる。

あの時繋がれた手は、ジェットコースターに乗っているときでさえ離されなかった。

別にもう逃げも隠れもしないと言うのに。


「おや恋人つなぎのほうがお好みかい?」

「手・・・震えてた」



軽口を無視し、ずっと気になっていたことを口にする。
あの時、つないだままだった手。なぜかグラハムの大きな手はずっと小刻みに震えていた。
なぜかそれが気にかかり、ずっと振り払えずじまいにいた。

降りたら止まったが、もしかしてこの男はジェットコースターが苦手だったのだろうか?

何故?と思い視線を上げると、グラハムが秀麗な顔をばつを悪そうにし、苦笑して見せた。



「私はかつてMS乗りでね」

「え?」


「軍人だった頃に乗っていたのだよ。誰よりも上手く、強くあったつもりだった。しかし、手を伸ばしすぎた」



はっと見つめると、グラハムはまっすぐ空を見上げていた。地上のごたつきと違い、青くどこまでも広がる空にかつての居場所をみようとしているようで。




「届きたかった。触れたかったものがあった。結果として私は触れることが出来た。
だがその代償として、私は少し人間の限界を超えてしまったようでね」

つないだ手が、突如震え始めた。携帯のバイブレーダーのように小刻みに。


「結果として私はMSに乗れない体になってしまったのさ。久しぶりにGがかかる乗り物に乗ったから無意識に思い出されたのかもね」




初めて知った情報にぽかんとしていると、「すまなかった」といって震えているままグラハムは刹那の手を放した。金髪が青空に照らされ僅かに青みがかかって見えた。




「しけた話をしてすまないね。そろそろ昼時だ、ランチにしようか」

そう刹那に微笑みかけ、背を向けた男の姿を刹那は呆然と見つめた。





MS乗り・・・届かぬ存在を追った・・・
そして、触れた・・・?




(もしかして・・・)




彼が、第二世代を鹵獲した?

そして体を壊し、教員になったとでも言うのか?




「刹那?」

動こうとしない刹那に、グラハムが振り返る。

情報は得られた。だが、まさかここまでこの男がガンダムに近い男なんて・・・







ぐるぐると様々なことが渦巻き、一人ではどうしようもない程頭が混乱した状態だったが、刹那はひとまずグラハムについていくことにした。


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