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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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PCが何故か縦横逆に表示されていて?だったのですが無事直りましたこんにちは。
でも色々操作していた為に目が・・・痛い・・・

またもやハム記憶喪失ネタです。
純粋なハムを書こうとしたらヤンデレになっちゃったよな話です。
ハムが生まれたときから肉親がいないとしたら、無償の愛を受けられる存在はいなかったのでは?という妄想です。
親と言うのは子供に無償の愛を注ぐものですけど、孤児ハムには可愛がってくれる人はいるけど全てをなげうって愛を注いでくれる人がいなかったのでは?という妄想です。
刹那もその点同じですがわずかながら小さな頃の記憶や、兄貴という存在に教えてもらったからハムよりまだましかな・・・
グラ刹と言い張ってみますが最近逆転しているようでアレ?と思いました。

すこし残酷注意報です。

外に行ってくる。
そう言ったっきりグラハムが帰ってこない。
おかしい、何時もなら空を少しだけ見上げて帰って来ると言うのに。
この無人島は地図には乗っていないCBの隠れた基地ではあるが、広さはそこそこある上に少し奥に立ち入れば鬱蒼とした熱帯林が広がっている。
まさか、迷子になったのか?
一般常識や教養、知識はあるものの、過去の記憶を全て失ったグラハムは今や大きな子供同然だ。
不安になり刹那は読んでいた本を伏せ立ち上がろうとすると、どたどたと騒がしい足音が聞こえてきた。
「刹那!」
シュンっと扉が開く音と同時に、たった今探しに行こうと思っていた男が現れた。
見事な金色の上には葉がつき、純白に洗い上げられたシャツには所々に汚れや破けている部分すらある。
本気で心配していたというのに。
だが瞬間的に沸き上がった怒りはきらきらと目を輝かせたグラハムの顔を見てしまうと何故か収まってしまい、喉の底から飛び出そうになった罵詈を吐こうとした口を閉してしまった。
「グラハム、なにをして…」
「見てくれ、刹那!」

言葉を遮りグラハムはずいと、折角白く美しい肌だというのに土やら草の汁やらで汚れた手をつき出してくる。
呆れやこんな男を心配してしまったという情けなさの中で仕方なく刹那は掌を覗きこむ。
そして、理解する。
「落ちていたんだ、何か鳴き声がするから近寄ったら」
グラハムの掌にいたのは、小さな鳥だった。
南国の鳥らしく宝石のように輝く色鮮やかな羽や飾り羽をもっていたがまだ小さく、おそらく巣立ち寸前に巣から落ちてしまったのだろう。
幾分がぐったりとしているものの、触れればその小さな体は暖かい。

「見たことない鳥だな…衰弱しているようだが」
「ああ、怪我しているのかも知れないね」
自由に空を飛びたいだろうに、とグラハムは翠玉の瞳をそっと伏せた。

「巣は近くになかったのか」
「わからない、葉が繁っていたから。一応近くの木に登ってみたのだが」
それでこんなに傷だらけなのか、と呆れた視線を向ける。20代の男がすることではない。
だがグラハムは真剣な眼差しを、掌の中にある小さな命に向けていた。

「もう一度空に帰してあげたいんだ」

何故か他人事とは思えないんだ、グラハムはそう微かに笑むと、ぐったりとしている小鳥を指先でそっと撫でた。

「何故だろうね」

その笑みが掻き消えてしまいそうな位に悲しげで、今まで見たことのない表情に刹那は胸をつかれた。
グラハムは記憶を失って以来、笑顔しか見せてこなかった。
たまに外に出て空を見つめ続けることはあったが、刹那の側にいる限りでは些細なことでも笑い、邪険に扱われてもめげずに甘えてくる。
そんなグラハムが、口元こそ笑んでいるものの何とも言えない、痛切さを滲ませているのに静かな驚きを感じていた。

少なくとも刹那に狂気の刃を向けてきた敵の面影は何処にもない。
「…ひとまず、強く握るのはやめてやれ。」
「っと、そうだな」
慌てて拳を握るのをやめるグラハムに刹那は苦笑する。
やはり大きな子供だ。
がむしゃらで、無邪気で。
「…明日、出掛けた時に調べてやる」
「え?」
「手当てのしかたとか、食べるものとか知らないだろう?」

生き物を飼ったことはないからわからないと呟くと、グラハムは今更ながらあっと呟く。
「確かにわからないな…そもそも何を食べているのだろうな」
困ったように手元の鳥を見つめ途方にくれるグラハムに、「調べてやるから一先ずタオルか何かに置いておけ」と笑いかけた。



翌日。
浮かない顔で刹那は無人島に帰ってきた。
一応鳥の写真をプリントアウトし、調べて種類はわかったが、南国の稀少種らしく食料はおろか飼い方なんて書いてあるはずもなく。
さらに基本的にある程度育った野鳥は人間からの食べ物を受け付けないことも。
飼い方なんて乗っているはずもない珍しい鳥なら警戒心もなおさらだ。
もうあの鳥は、飛べない。
だが、初めてあんな表情を浮かべたグラハムに、そんな事実を突きつけたくなかった。
奇跡、というものは起きないだろうか。
ごみくずのように撃たれ殺される筈だった刹那の元にガンダムが飛来した時のように。
どう言うべきか、と困惑しつつも刹那は隠れ家の扉をあける。
そして、転々と散らばる輝く羽に気づいた。



「刹那」
窓の側で、グラハムは笑っていた。
あの時のように小鳥を掻き抱いて。
しかし、鳥は動いていなかった。
羽はあらぬ方向に曲がり、宝石のような輝きを放つ羽は抜け落ち、グラハムの周りに散らばっている。
そして、閉ざされた瞼はもう開く気配がなかった。

「グラ、ハム?」
「パンを、あげようと思ったんだ。衰弱しきって鳴けなくなっていたから。でも、嘴をあけようとしなかった。私は我慢弱いからね…」
グラハムは微笑んだまま続きを言おうとしなかった。
だが、刹那は彼が何をしたのかわかってしまう。
グラハムは甲斐甲斐しく世話をしようとしたのだろう。だが何をしても口を閉ざす小鳥に苛立ち、そして。
「動かなくなってしまったよ。」
グラハムはにっこりと笑うと、冷たく固くなり縮こまる鳥を窓の外に放り投げた。ゴミ箱にゴミを捨てるように、簡単に。
鳥は一瞬だけ青空の中に上がり、しかし羽は広げられることもなくそのまま地に落ちてしまった。

「食べなかった方が悪い」
そうグラハムは悪びれもせずに言い放ち、刹那の元に歩みよる。
「同じ境遇だったから助けようと思ったのに」
その笑顔は端正で、子供のように穢れなく。
それ故その澄みきった瞳が恐ろしかたった。
初めて、怖いと感じた。
最後ね戦いで感じた狂気が、いま静かに迫ってくる。
同時に、全てを理解した。
そして胸に哀しみが満ちてくる。
「刹那」
腕が延びてくる。
怖い。
しかし刹那は動けない。
それは恐怖に押さえつけられているわけでもなく。
そして、刹那は抱き締められた。
振り払いたいと願う自分がいた。この男は危険だから排除しようて思う自分もいた。
しかし、刹那はグラハムを受け止めた。

刹那にはロックオンがいた。
洗脳が解けたものの今度はガンダムしか頭になくなり機械のように空虚な刹那に寄り添った。
そして、人並みの愛情と、友情と、優しさを注がれ、教えて貰った。
だが、グラハムは違う。
記憶がないから残虐なのではない。
「刹那、どうしてあの鳥は私を拒絶したのだろうね」
ぐっと指先に力がこもり、爪が突き刺さる。
それはいつか肌を突き破り血を吹き出させるかもしれないが、刹那はグラハムから抜け出すこともなく、そっとグラハムを抱きしめ頭を撫でる。
「…お前は」
愛しかたがわからないんだな
天使のような笑みを浮かべている今のグラハムと、今より無表情な刹那とでは端からみたら全く違うだろう。
かつて、空虚だった時の刹那のように、グラハムは記憶を失う前から。
愛されることを知らなかったのだろう。
何があったのか、当の本人が忘れてしまっているのだから推測でしかないのだろうけど。


「刹那は、私を拒絶しない?」
首をかしげながら抱きしめてくるグラハムに、刹那はうなずいた。

グラハムは間違いに気づいていない。
愛されたことがないから、愛していても注ぎ方がわからないのだ。
ロックオン…
彼のしてくれたことを思い出す。優しく撫でるのは、耳にタコが出きるほど説教してきたのは、むやみやたらに呼んできたのは。
あれが、愛だったからこそだろう。

そして刹那は、彼がかつてしてくれたことを輪郭をなぞるように思い出しながら、目の前の悲しい大人を優しく抱きしめる。少しでも、優しさが、愛が伝わるように。拙いながらも笑うグラハムを抱きしめ続けた。



散らばった鳥の羽は、風にさらわれ窓の向こうに消えていった。







あいしかたを、おしえて









鳥に関しては少しだけ私の経験も入っています。
昔、庭で鳩を拾ったのですが、お菓子を食べさせようとしても受け付けず、母にも放って置くように言われ習い事から帰ってきたら亡くなっていて。
よくわからないまま、父がお墓を作っていて悲しくなった記憶から。
勿論野鳥を助けて立派に育てる方もいると思いますし、南国の人間がいない場所で育った鳥なら抵抗もなく餌をもらうこともあるかもしれませんが・・・
鳥を飼っていられる方、もしかしたら気分を害されたかもしれません。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
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管理人:流離

since:20071112


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