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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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10月に入ったのでカウントダウン開始します。
ビデオ買わねば…
刹マリ刹もどきやらラッ刹やら色々書きたかったのですが初日は刹フェルです。
むしろロク刹←フェル前提の刹+フェルな気がします。
二期はライフェルになりそうな予感がしますがお花ちゃんが好きなんだ…!二期では二人が絡むといいなぁ。






呼んでるから





念のための計器チェックを終え、シートに体を深く埋めて刹那は瞳をそっと閉じた。
重厚な音と共にカタパルトに移動されていく新たな機体に身を委ね、刹那はそっと拳を作る。
5年前もこんな気持ちで出撃に望んだのだろうか。
いや、あの時は、ただガンダムと一つになり、力を振るえることへの歓喜しかなかった。
出撃前にこんなにも穏やかな気持ちになれたのは、初めてかも知れない。何も感じないことは多々あったが、それともまた違う感覚なのは新たな力を得たからだろうか。
興奮も、歓喜も、怒りも、哀しみも凪のように静まり、刹那は一人コックピットに座っていた。
『刹那』

モニターに桃色の髪が映る。その顔はいつものように無表情であったが、翡翠の瞳の奥には少しだけ不安が入り交じっている。

『出撃準備完了しました。90秒後にカタパルト射出します』
「…了解」

いつもならそこで通信が切れる。だが未だに開かれているモニターに刹那は疑問に思い、横を向くとフェルトが何か言いたげにこちらをじっと見つめていた。
任務に忠実で私情をあまり挟まないフェルトが珍しい。

「どうかしたか」

時間があることを確認し問いかければ、フェルトが驚いたように目を見開き、やがて少しだけ目を伏せた。

『ハロがね』
「ハロ?」
『今でも外を見てたまに言うの。ロックオンって』


それに関しては刹那も見たことがある。
フェルトがハロを抱いて展望ブリッジにいると、ロックオンと呼び続けるのだ。
フェルトが強く抱きしめても、壊れたかのようにかつての主の名を呼び続ける。機械音なので無機質で感情などそこに乗っている筈なんてないのに、フェルトが胸を締め付けられた表情でハロを撫で続けていた。
AIに主を失ったことはわかっても、感情は搭載されていないはずなのに。

『刹那は、帰ってくる?』
「?」
『あんなハロ、もう見たくない』

デュナメスの後継機、ケルディムのパイロットが不在の中、フェルトが最もハロと接していた。
その度にハロの呼び掛けに心を痛め、涙を流してきたのだろう。
彼女もまた、ロックオンを慕っていた者の一人なのだから、何よりも。

『戻ってきて』

フェルトが淡々と、しかしそれ故直接胸に響く本音をぶつけてくる。
わかっている。マイスターもクルーもこれ以上失うわけには行かない。
犠牲なしではなせえぬ極めて困難な道であることは4年前で見に染みた。目の前で消えてしまったロックオンを直接目にし、安全な場所にいたはずのクリスティナやリヒテンダールが死んだことを告げられて。
だが、これ以上。
甘い考えであることはフェルトもわかっているはずだろうが、もう、これ以上は。
人を殺めてきた咎は最期に受ける。だが、半端な場所で死ぬわけにはいかない。

「安心しろ」

しっかりとフェルトを見据え、顔を曇らせていたフェルトが僅かに表情を明るくさせ顔をあげる。

「ロックオンが望んだ世界に変えるまで、俺は死なない…それまでは、必ずトレミーに戻る。」

あいつのためにも。
その時丁度出撃準備が整ったことを告げるミレイナの声が聞こえた。

「…行ってくる」
前を見据える。
4年前と同じ、ぼっかりと洞穴のような宇宙の暗闇が刹那を待ち受けている。
大丈夫、00が光でまとわりつく闇を切り裂いてくれる。
そして、必ず仲間の元に戻るのだ。
「刹那・F・セイエイ、出る」
操縦棹を強く握る。
その時、刹那は闇を睨み付けていた為に気づかなかった。
モニターに映るフェルトが、翡翠の瞳を再び哀しげに翳らせていたことを。


「違う、刹那…」
空になったカタパルトの映像と、暗闇に二つの太陽炉を付けたことで眩い程散布させるGN粒子の軌跡を描いていく00を見つめながら、フェルトは呟いた。

「ロックオンは…」
背後で作業するミレイナにも、操舵をしているラッセにも聞こえないようにフェルトは呟いた。
世界が変わったら、ロックオンが望んだ世界を為したら刹那が消えてしまいそうで。
ロックオンやクリスやリヒティのように、ハロやフェルトの前から永遠に。
生き残ったからには、何をしてでも彼らが成すことの出来なかった願いを叶えなくてはならない。
それでも、刹那がロックオンの望みの為に、犠牲になるのはみたくなかった。
マイスターとしてではなく、刹那という人間として帰ってきて、傍にいて欲しい。

「ロックオンは、ロックオンが望んだ優しい世界で刹那が笑っていて欲しいと思ってたんだよ…」

00が突き進んでいることを指しているレーダーの点に、ぽたりと小さな滴が落ち、モニターが滲んだ。
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こんばんは。
更新分のお話、読みました!

記憶喪失ハムが今後どうなるのか非常に気になります。
ドラマCDで意外な過去が示唆されていたので尚更、……!
続きも楽しみにしてますね。


いよいよ放映が迫ってきましたが、先週我が家のモデムちゃんがいかれまして…ネットに繋げない状態なんです。
カウントダウンちゃんとしたかったんですけど、運が悪い自分に嫌気がさします。
日曜までの復旧はのぞめませんが、直ったらまたお邪魔しますね。

それでは。
asumi 2008/10/01(Wed)23:45:11 Edit
こんばんは!
わわ、いつもコメント有難うございます~!
記憶喪失は行き当たりばったりではじめたので私のもどうなっていくかわかりません・・・(おい)
ハムの意外な過去から妄想した部分も大きいので!孤児設定はびっくりですよね。
あわわ、ご苦労様です・・・!もうすぐ日曜ですが、asumi様のネットが早く復旧いたしますように・・・!
というかあと二日なのですよね・・・今からドキドキしております・・・
二期でもグラ刹を楽しみに頑張っていきましょう!
コメント有難うございました!
【2008/10/03 23:22】
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FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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