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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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ネーナさんは刹那にセクハラしてます。
ここから乙女モードがすごくなります。

「・・・なんだこれは」



二月十四日、AM7:30。

大学生として潜入しているティエリア・アーデは、普段は朝食の置いてある自分
の定位置にある茶色の山を前に、秀麗な柳眉をひそめた。

白い皿の上にこんもりもられたそれは、よくみると細長くぶつ切りにしてある。
近付けば微かにカカオの匂い。



「お、ティエリア遅いな」


台所からチェックのエプロンを着たロックオンが現れた。

いくらティエリアが生物の形をしたものを嫌悪しているとはいえ、朝からよくわ
からない固形物を山と食べる気はしない。

文句を言おうと口を開くが、彼の手にあるものを見て口をつぐんだ。


「それ」

「ん?ああ、これ?見た目は悪いけどな、味はいいぜ」

「味など聞いていない。それが何か、何故俺の朝食として置かれているのか聞い
ている。」


嫌がらせか?と思うくらいに盛られている茶色い奇妙な固形物。だがロックオン
はティエリアの言葉を聞くなり、溶けだしそうなくらい頬を緩めた。


「・・・なんだ、気持ち悪い。」

「聞いて驚け!これはなぁ、刹那が作ったんだぞ!」



ああ、だからこの男は喜んでいるのか、シスコンもいい所・・・

・・・?刹那が?


「アレルヤと昨日作ってたらしくてさ、見てくれは悪いが食べてくれって置いて
あったんだよ。まあブラウニーにしてはちと固いが、美味いぜ」


そう言ってロックオンは幸せそうに茶色い塊を食べた。確かにブラウニーにして
はいささか固そうな砕ける音がする。


あの刹那が・・・


ティエリアと同じくらい家事をしない刹那が菓子を作るなんてと少なからず驚い
た。

天変地異でも起こるのだろうか。あとでヴェーダに予測を聞いてみよう。


「お、ティエリア食わないのか?だったら俺がもらうぞ」

「誰もそんなこと言っていない」


そう言って皿に手を伸ばしてきたロックオンの手をはたき、一本つまみかじって
みる。

確かに固い。煎餅並に固い。

だが、柔らかなココアの香りとビターに近い甘さは悪くはなかった。そこら辺の
甘ったるい菓子よりもむしろ良い。

無器用な刹那が必死に作る姿が思い浮かび、ティエリアは柄にもなく口元に薄く
笑みを浮かべた。

口に広がる甘さに、今日はバレンタインであることにようやく気付いた。















「・・・はあ」


放課後。どこもかしこも甘い香りのする廊下を、刹那は力なく歩いていた。

これは明らかに失策だった。


まず(アレルヤが協力してくれたにも関わらず)ココアブラウニーが恐ろしく堅
く焼けてしまった。
アレルヤは味はいいから、とか気持ちが篭っているから大丈夫と慰めてくれたが
、想像していたものとあまりに違いすぎて。少しはロックオンの手伝いをするべ
きだったと後悔するがかなり遅い。


ガンダムマイスターに将来的になるものとして、なんという失敗だ。

ルイスに「漢らしい味」と称されたのも顔には出さなかったが結構ショックだっ
た。


第二に、ラッピング。

とりあえずタッパーに白ナプキンを敷いただけにしたが、ルイスから渡されたも
のは可愛いらしくラッピングされていた。

辺りを見回せば、皆キラキラ輝く包装紙や色とりどりのリボンで飾っており、刹
那のはあまりにも無骨であることに今更ながら気付いたのだ。


日本のバレンタインという文化をもう少し詳しく調べておくべきだった。

これなら買った方がよかったのでは?

遅すぎる名案に刹那は一人盛大にため息を吐き、うらめしそうにタッパーを見つ
める。


だいたい当のグラハムが朝から探しているのに見当たらないのだ。

もういっそ、渡さない方がいいのではないだろうか。

後日改めて買ったものを渡せば・・・



「せーつな!」



突如、可愛いらしい声と共に背中にタックルを受けたような衝撃を受ける。

辛うじて倒れこまずにすんだが、背中に柔らかなものがむにゅりと押し付けられ
た。この感触は。



「・・・ネーナか」

「あったりー!」


赤毛が首筋をくすぐる。鈴を転がした笑い声が耳元に聞こえた。

ネーナ・トリニティ。

刹那達とほぼ同時期に転入してきた謎の兄弟の末っ子だ。

何故だかわからないが刹那達四人とよく絡んでくる。そして何故か刹那はこの少
女に気に入られていた。



「・・・ネーナ、いい加減離せ」

「いーや!だってやっとみつけたんだもん」


ネーナの豊満すぎる胸がさらに、これでもかと押し付けられる。ついでに制服の
上から胸を撫でまわされている気がしなくもなくもない。


「・・・ネーナ、やめろ」

「あー刹那少し胸おっきくなったでしょ!駄目だよー今ぐらいの大きさが私の手
に丁度いいんだから!」



気付けばネーナの手ががっちりと胸をつかんでいた。

出会う度に何故か胸を揉まれ、大分慣れたがそれでもぞわぞわと背筋を駆ける感
覚が気持ち悪い。

自分の方が立派なものをもっているというのに、何故触るのか気がしれない。嫌
味なのか。




「その辺にしておけ、ネーナ」

制服からいつのまにか手が入り込んできた時、低めの声が後ろから聞こえた。


「あ、ヨハンにぃ!」

「ここは廊下だ。やりたいなら家でやりなさい」


いや、そういう問題じゃないだろう。しかし長兄の言葉に納得したのか、ぶーと
いいながらネーナは離れた。


ヨハン・トリニティ。彼は弟妹とともに教師として来た。比較的常識人だが家で
は短パンらしい。(ロックオン談)


「今日は早く帰るから、さっさと渡せ」

「あ、そうだたった」


ネーナがバックから何かを取り出し、差し出してくる。

「はい、バレンタイン!」


透明な袋に入っているのは・・・チョコだろうか。紫やらピンクやらのかなり怪
しい色だが。


「ネーナの手作りだよ、食べてね」

そう言ってピースしてくるのがかなり怖い。一応受け取ったが、ロックオン辺り
に毒味させてから食べよう。

貰ったからには返さなければならない。刹那はもっていたタッパーとは別の、皆
に配る用の大きめのものを取り出した。丁度後二個残っている。


「・・・食え」

「わあ、ありがとっ」

「有り難く頂こう」


そう言ってヨハンとネーナは目の前で口にしてくれた。
そのことに刹那は僅かにほっとする。



「うん美味しい!ちょっと固くて焦臭いけど!」

「すまないな。返しはいつか」


率直に言うネーナはともかく美味しそうに食べてくれたヨハンに刹那は顔が思わ
ずほころんだ。人に食べて貰えて喜ばれるのは悪い気分ではない。


「ねぇ、そっちのは何なの?」

指についたかすをペロリと舐めていたネーナに指さされ、答えに詰まる。

一応グラハムにあげようと思って別に用意した奴なのだが、恥ずかしくて死んで
も言えない。


「本命用ではないか」

「え、うそっ!?刹那、それ本当?まさかあのハムなんたらってやつじゃないよ
ね!」


ガクガクと揺さぶられ、思わずうっと言ってしまった。

ああ、その事実を思い出したくなかったのに。



「エーカーならあそこにいるが」

「え?」


思わずヨハンの指差す方向を見た。

窓から向かいに見える建物-中等部だ-に、見覚えのある金髪が中等部生らしき女子達に囲まれていた。


にこやかに笑うグラハムに、みな色とりどりのキラキラ輝いている包みを渡している。

このときばかりは、自分のよすぎる視力を恨めしく思った。



「刹那?」


突然押し黙った刹那の顔をネーナが覗き込む。

タッパーを見て、ネーナから貰ったものを見る。中身はともかく、ピンクのリボ
ンはこったように結ばれ、袋の中にはふわふわした下敷がひかれていた。


ああ、やはりこんなものは渡せない。


胸に重い鉛がたまっていくような感覚に耐えきれず、刹那は思わず走り出してい
た。



「あ、刹那!?」

ネーナの声が聞こえたが、振り向きたくなかった。











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