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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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ハム先生、セクハラです。







グラハムの姿を視認した瞬間、電光石火の勢いで扉を締めようとしたがいつの間にか紅茶のカップを置いて来た彼の滑り込んできた足に阻まれる。悪徳販売員か。


「黙れ。何で貴様がここにいる?数学教師じゃなかったのか?!」


フェルトの話によれば、彼は中等部の数学科(専門は機械工学)らしい。だが刹那が受けるのは記述、どう考えても文系科目だ。部屋を間違えたいと信じたかった。

「私をあまり見くびらないでほしいな」

必死でグラハムの足ごと扉を締めようとする刹那を尻目に、グラハムは余裕ありげにちっちっと指を振った。


「君の言う通り私の専門は数学だよ…だがね、私はこれでも文学に精通しているのさ。一応国語の教員免許も持っているのだよ」


そんな無茶な話があるものか。
だがこの男が引用してくる言葉は確かに古風で、なんとなく納得できてしまう… 気がする。


「高等部だとこの時期国語教員は忙しいらしくてね。ヴァスティ先生から要請があったのさ」


私の生徒は優秀だったから補習はなかったのだよ、と無駄にいい笑顔で言い放ったこの男の鼻面をへし折りたくなった。嫌みか?
ただでさえ学校で会えば気恥ずかしい台詞を公衆のこいつに勉強を見られるのだけは絶対嫌だ!そう思いもうこの際グラハムの足を粉砕してでも逃げようとさらにぐっと力を入れるが、隙間からぬっと伸びてきた手に腕を掴まれ、怯んだ隙に引っ張られ室内に入れられてしまった。


「お、俺に触れるなっ!」「恥ずかしがりやさんだね刹那は。そんな所も可愛いが」


とって食いやしないのに、とそのまま刹那を抱き締めてくるグラハムに焦った。
グラハムのことは(悔しいことに)好きだ。だがここは学校。生徒と教師が所謂恋愛関係であることが露呈すれば目立つ上に風紀上まずいことになるに違いない。極力注目されることは避けたいのに。


「大丈夫、鍵は締めるから」


不安と焦りに気づいたのかわからないが、グラハムが笑顔で扉に手を伸ばしカチャリと音を立てた。いや、これはこれで何か一抹の不安を感じるのだが。


「それにここの部屋は滅多に使用されないから大丈夫だ。防音もしてあるようだし」


確かに資料室であるはずの部屋はグラハムの半私室となっているようで、薄手のカーテンやらコーヒーメーカー、ティーセットまで置いてある。(ドーナツの箱が置いてあることはカタギリも利用しているのだろうか)この学校は彼らに弱みでも握られているのだろうかと呆れるくらい私物化されている。


「だから、さぁ、遠慮なく二人で愛のレッスンを」
「補習しろ給料泥棒!」


迫ってきたグラハムに躊躇なく踵落としを喰らわし、刹那は無駄ににやついていた担任を呪った。今度モレノに言って怪しい薬を盛って貰おう。









「さあ、ではラブレッスン」
「違うだろ」
「…補習を行おうか」


あからさまにむくれた顔でグラハムがプリントを数枚取り出した。もう一回、今度は脳天に踵落としを喰らわせればそのピンク脳も治るだろうか、と刹那は考える。
私はコーヒー派だが、刹那が来るならと用意したんだと出されたアールグレイの紅茶にどぼどぼとジャムを入れていると、グラハムがようやく真面目に説明しだした。


「とは言っても記述は人それぞれ好みや採点方法はないから、明確な答えはない。大体はスペルミス、文字数、起承転結と言いたいことを明確にすれば…」


なんだ、結構真面目に教えられるのか。
授業中もハイテンションだと思っていたが、内容は至って普通だった。資料プリントにマーカーを引いたり、自らが記述したりと普段の姿から想像出来ない位丁寧で。真剣にしていれば美形なのに。

未だに溶けない赤いイチゴジャムの欠片が浮かぶ紅茶を混ぜる手を止めて、刹那はグラハムの教える姿をじっと観察した。


容姿端麗、知識も豊富、さらにかつては第二世代を滷獲するくらいの凄腕パイロット。
欠点はそのハイテンションかつ尋常ではないしつこさと、刹那なんかを選んでしまう女の趣味の悪さだろう。

…なのに、何故教師なんかしている?

体を壊して退役したと聞いた。だが彼はそこそこの地位にいた人間なのだろう、もっと有益な就職先もあっただろうに。例えこの学校が地域では多少有名なマンモス校であろうと、少し分に合わない気がする。それこそMSに乗れなくなったとしても、指導教官や知識をいかして技術者にもなれそうな気がするのだが。




「…刹那?」


訝しげな声にはっと顔を上げた。
いつの間にかグラハムがテーブル越しから至近距離に顔を覗きこんでいて。

「聞いていたかい?」
「あ…」


しまった。そう思った瞬間さらに顔が近づいてきて、そして。


ちゅっ。


唇に音を立てて、柔らかいものが押し付けられた。


「っ!??」
「ペナルティだよ、一回目はバードキス、二回目はフレンチキス、三回目は…」
「もういいっ!わかったから続けろ!」


ご馳走様、と機嫌良さげにペロリと唇を舐めたグラハムを見てさらに顔に血が昇った。


「おや、私は君の集中力が切れても別に、むしろそっちの方が好都合」
「セクハラで訴えるぞ変態教師!」


アレルヤから貰ったシャーペンを投げナイフを扱うかのように殺意を込めて投げつけたが、案の定かわされて後ろの本棚に突き刺さった。(すまないアレルヤ)

前言撤回、こいつはただの変態だった。

怒りに喉が渇き、ジャムティーを勢いよく飲むとしっかり混ざっていなかった為上澄みは苦く、底に近づくにつれてどろどろと無駄に甘いジャムが喉を通っていく。


忌々しい、どいつもこいつも。


甘すぎて逆に喉が渇き、刹那は苦虫を潰したような顔でグラハムにずいとティーカップを押付け、口直し用の紅茶を要求した。







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since:20071112


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