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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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沙慈君は刹那の話し相手でパツキンの彼女がいますが見逃されています。
理由は現当主(ビリー)が巨乳ハーフにメロメロだからです。

完結編でR-18だよ!



気づいたのはグラハムに出会い、半年がたった頃か。
屋敷の外へ出れない。
今までは注連縄がしてあるとはいえ簡単に飛び越えられた敷居の傍にいくと、足が鉛のように重くなる。
屋敷に張り巡らされた注連縄による結界の力ではない。
もっと私念に満ちた何かのせいで、刹那の足が縛られている。首を傾げるものの、思い付くあてはなく仕方なく縁側に座る。久しぶりの春を堪能しようと、外に出たかったのだが。

「あの…」

縁側に座り、何百年ぶりの桜がはらはらと散りゆく様子を見いっていれば、人の良さそうな少年が立っていた。
沙慈といったか、カタギリ家の使用人らしく、刹那によく世間のことを話してくれる存在だ。
おっとりとした性格なのか肝が座っているのか、沙慈は刹那を当初からあまりこわがらない。それが時折堅苦しいカタギリ家の中で暮らす刹那には心地よい。

「桜餅作ったのですが、食べませんか?」

差し出された皿にちょこんと乗った菓子。
目礼し口に含めば、桜の香りと甘味に口元を綻ばせた。
昔と比べて甘いものが手に入りやすくなったものだとしみじみと感じていると、様子を伺っていた沙慈が吹き出した。

「なんだ」
「あ、いえ…千年を生きる鬼である貴方も、そんな顔をするのかと」
「…味覚は消えないからな」

機嫌を損なったかとしどろもどろになる少年に、少しむっとしつつも素直に旨かったと告げれば、今度は照れたのかはにかむ。
やはり人とのふれあいはよい。
細やかな交流に桜餅を頬張りつつ表情を緩めれば、向かいの廊下の床が微かに軋んだ。
その瞬間に貫くような視線を感じる。
なんだ、と思いそちらを向き、刹那は息をのむ。
そこにはグラハムがいた。
ただ普段とは違い若葉のような翠の瞳が、鋭く睨み付けている。
まるで、鬼火のようだ。

「刹那」

知らぬうちに、刹那は食べ掛けの桜餅を取り落とし立ち上がっていた。
そういえば、こいつに名前で縛られていた。
ぼちゃりと口から落ち潰れる桜餅、こちらを睨み付けているというのに口元に笑みを浮かべているグラハム、異様な光景に口をぽかんと開けている沙慈。
沙慈に桜餅の礼を言いたかった。
しかしその隙を許さず、グラハムは歪んだ口元で命令を紡ぎだす。

「こちらにきたまえ」

舞い降りた花弁がくっついた桜餅を踏みつけ、刹那は歩き出す。
沙慈が目を丸くしていたが、振り替えることも出来ず刹那は手招きされた方へと向かった。



障子にはらはらと散りゆく桜の影が映る。
ぼんやりとした眼でその様子を眺めていると、腹部にずん、と痛みが走った。

「ずいぶんと余裕だな」

呻いて視線を正面に戻せば、不愉快そうなグラハムと視線が交わる。
そしてそのまま腰を動かされ、刹那はうっと声を漏らした。

「最近よくあの少年と話すな」

怒りと欲情に浮かされた眼差しに、この男が嫉妬していたことに気づく。
迂闊だった。
人の情念、特に嫉妬や怒りという負の感情は周囲も予測が出来ぬ力を生み出す。
刹那はグラハムに名前によって調伏されている。だが刹那の力は押さえきれず、その気になれば振り切ることも出来た為に気にせず名を教えた。
だがグラハムの念が、刹那を縛り出した。
固執する故に、刹那は無意識のうちに屋敷に囚われ、彼から逃れられなくなったのだ。

最近ビリーや沙慈と話している時に強い視線を感じることはあったが、ビリーとは三人で談笑することもあったし沙慈にも表面上は笑顔で接していた為に気のせいだと無視し続けていた。
どうせ自分は彼らにとって研究対象でしかない、昔と違い信仰心の薄れているのだから拘束力はない、とたかをくくっていたのだ。

「やはり若い男の方がいいのかな?」

痛みに開かれた脚を閉じようとすれば太ももをむんずと掴まれ、再び律動が再開される。

呻けば苛立った彼の指が延び茂みを漁り、敏感なそこに指を絡めてきた。
与えられた刺激に痛みに対する強ばりよりも先に身体が反応し、刹那はぶるりと震え顔をそむければまた杭が押し込まれた。

「やめ、」
「私以外を見るな」

熱い吐息がかかる程に顔を近づけられ、囚われる。
彼の剣幕に目を見開くと、唇が塞がれた。
視線を交わしたままの口づけ。
貪るように舌がねじ込まれ、息も出来ぬままに揺さぶられた。
獣のようだと、自らの痴態を快楽に浮かされながらも他人事のように感じていれば、散々口の中を暴れた末に漸く舌を抜かれた。
荒い息と肉のぶつかり合う音だけが障子で仕切られた部屋に響く。
陰核が腰骨で擦られ、最奥を抉られ、やがて快楽の淵に沈んでゆく。
これが人の営み。
支配され支配する交わりか。
高められた身体が限界に達し、刹那は小さく声を上げ体を固くする。
収縮し脈動する刹那に耐えきれなかったのか、グラハムもまた呻き、刹那の腹に熱いものが広がった。


「すまなかった」

ぬめりがあふれでる下腹部が気持ち悪く、後処理をしようと布団から出ようとすればグラハムに止められ、抱き締められる。
カタカタと震える腕。彼を見れば、泣きそうな顔でこちらを見ていた。
「君を誰かに取られたくなかった」
許しを乞うような声。普段自信に満ちた態度とはまるきりちがう、迷子の子供みたいな表情。

「行かないでくれ刹那」

名前を知られている限り、俺はどこにもいけないことは彼自身よくわかっているだろうに。
新たな言葉がまた俺を縛り付ける。
だが言葉に縛られる以外にも、とうに忘れたと思っていた人間としての感情が広がっていた。
愛情。母性。
与えられていたこともとうに忘れ、与えようと考えたこともなかった感情に戸惑う。
しかし本当はわかっていた。
暇潰しと理由づけてはいたが、刹那は言葉で縛り付けられなくとも本気で彼から逃げようなんて気にはなれなかったのだ。
答えの代わりに、遠い記憶の母親を朧気に思いだし彼の背中をおずおずと撫でようとする。

「やっと見つけた、私の可愛い鬼…」

しかし満足そうに呟かれた言葉に、刹那の手は止まった。
仮に刹那が人の子であったのなら。彼は愛情を注ぐこともなかったのだろうか?
鬼ゆえに、研究材料ゆえに、自分を捕らえ愛しているのだろうか?
途端に雨雲のような暗い感情が胸に広がる。

「そうだ、その目だ…素晴らしいよ、刹那」

無意識のうちに光彩が光り輝いていたのか、グラハムは赤子のように無邪気な笑みを浮かべると、瞼を閉じ眠りにつく。
抱き締めることも出来ず、刹那の腕は宙に浮いたまま。
心を読むこともやろうと思えばできる。だが、それで彼の愛情の本質を知ってしまったら。

「恐れなんて…らしくもない」

鬼になってからは抱くはずもない感情だった。刹那は瞼を閉じると、グラハムに背を向け身を横たえる。
鬼が人間相手に女としての愛情を求めるなんて、滑稽だ。
そういい聞かせ、不安を胸に隠し刹那はグラハムの呼気を聞いた。
鬼に眠りは必要ない。
すなわち思考をやめることも出来ない。

「くだらない」

これは戯れだ、森に帰る日までの。
そう念じながら、刹那は障子が朝の光に照らされる刻を待った。








ハムも鬼に執着するあまり鬼になっちゃえばハッピーエンドじゃね?
たまには刹→グラも書きたかったのです。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
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