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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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しばらくPC触れなくて更新できなくてすみません・・・
続きです。ヴァスティ家が出張るとは思ってなかったぜ!


「よ」

結局着替えずに直接約束の場所に向かうと、既にそこにはニールがいて手を振ってきた。
制服を脱ぎ私服になっている彼は大人の男と大差なく、同い年とは思えない姿に刹那は目を丸くした。

「悪いな、こんな時間にさ」
「…別に構わない」

まじまじと見つめていたことにきづき、気恥ずかしくなって素っ気なく呟くと、ニールは柔らかく目を細めてくる。
…落ち着いているとはこういうことなのか
身に纏う衣服が違うだけでこうも違うものなのかと、穏やかな顔をした彼を見上げ感心した。
グラハムとはやはり違う。
背丈はニールより少し位低いだけだというのに、あいつは忙しなく第一印象とは裏腹に子供っぽい印象を与える。

「ん、どうかしたか」

じっと見つめてくる刹那の視線が痛かったのか、目元を僅かに赤くしたニールが首をかしげ、はっとする。
何故、グラハムがここで出てくるんだ?
いつのまにか比較の対象にしていることにきづき、慌てて「なんでもない」と口にした。
ニールは何かを探るように刹那の顔を覗きこんだが、赤くなり視線を反らし続ける刹那に「ならいいけど」と微笑みかける。
グラハムだったら言いたげなことがあれば噛みついてくるのに。
幼なじみに微妙な顔をしてみせた時の反応を思い出し、そして再び浮かんできた彼の顔を追い払うようにニールの隣を歩く。
少し考え込んでいたためにニールとの距離は開いていたが、すぐ振り替えってくれた為に簡単に追い付けた。
暫く二人並んで歩いていたが、歩幅が広いはずのニールと歩いていても、全く早足にならないことに気づく。
自分に合わせてくれている。
相変わらず笑顔で話しかけてくる彼の、仕草一つ一つが気にかけてくれているようで。
そういう扱いに慣れていない刹那にとっては、そうした些細な気遣いが何となくこそばゆかった。


よくホビーショップに向かう道のりの傍らの路地に、その店はひっそりとあった。
長年この街に住んでいる刹那でもしらなかった、小さくはあるが子洒落た店。決して華美ではないが、色とりどりの花が軒先におかれ、アンティーク調の店構えが可愛らしい。
こんな場所があったのか、と刹那は目を丸くした。

「穴場だろ、ここ」

ニールはそう小さく笑い、ドアを開けてくれる。
カラン、と小さなベルがなり、途端に広がるよい匂いに鼻がすんと鳴った。

「いらっしゃい、待ってたわロックオン」

カウンターにいた女性が微笑みかけてくる。
眼鏡をかけた、落ち着いた物腰だが若い女性はこの喫茶店にぴったりである。

「リンダさん…ロックオンはやめてくれよ」
「いいじゃない、あら、こちらの娘が刹那ちゃん?」
にこりと微笑まれ、初対面なのに何故、と眉をしかめてみせると「主人からよく聞いてるわ」と言われ主人?とますます狐に摘ままれたような顔をしてしまった。

「この人はリンダ・ヴァスティさん。おやっさん…いやイアンさんの奥さん」
「イアンの!?」

思わず大きな声をあげてしまった。
イアンはいきつけのホビーショップ店長だ。
予約してくれたり要望を聞けば入手困難なガンプラを仕入れてくれたりと、グラハムと共に幼い頃から世話になっている人物である。
「…犯罪だ」
だがイアンは中年に差し掛かっており、暇な時は背中を丸めガンプラのカスタマイズをしている冴えない男のイメージだ。
だが目の前にいるリンダは…どうみても20代30代にしかみえない。
思ったことを口にすると、ニールはぶっ、勢いよく吹き出した。

「ちょ、それいっちゃ駄目だろ!」
「だが…」
「あら、私は一児の母よ?そんなに若くないわ」

笑い転げるニールと、口に手を当て微笑むリンダの前で、刹那はしばし呆然としていた。
世間は狭い。そして、不可思議だ。
いつもくたびれたシャツで工具を取り扱う彼を思い返し、意外とやり手なイアンに刹那は溜め息をつくと、面白い子ねぇ、とリンダの細い指が頭を撫でてきた。

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