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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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友達(種でNLが好きだった人)(OOは見てない)に「まだあの変態(=ハム)が好きなの?」と言われました。
変 態 が 好 き で 悪 い か !(兄貴風)
彼女曰くネット上じゃなかなか有名らしい。流石ハムクオリティ。

そして最近本気で18歳の誕生日に18禁を書こうかと思ってます。(えへ)
まだ挑戦したことないのです。


前の文があれだったので真面目なグラ刹かこうかと。
ギャグ→真面目→ギャグの周期でやろうかと思っていたり。
少しダークかもしれませぬ。
混乱した世界の中CBが壊滅して、刹那は独りで戦っていたけどハムとやりあって・・・という捏造。

続きからです。




ワールドエンドを、君と






「おいで」

手を伸ばすと、暖かい体ではなく冷たい銃口が向けられる。
つれないな、予想はしていたもののそう苦笑してみると目の前の愛しき人は睨んできた。

見たことすらなかったガンダムのパイロットを見た瞬間、初めてあの機体を見た時と同等、いやそれ以上の胸の高鳴りを感じた。
世界を相手に神の如く力を振りかざしていた巨大な人形を動かしていたとは思えぬ程の、小さな、美しい存在に、人目みただけで心奪われたのだ。

あのガンダムと同じ、空よりも海よりも鮮烈な蒼のパイロットスーツをみにまとった少年。
海特有の湿り気がある風が、柔らかそうな黒髪を弄んでいる。
暗闇の中濃く上質な紅茶の様な瞳は殺意を孕んでギラギラとしているものの、海上をさ迷う小舟のように、ゆらゆらと瞳の光は揺れ動いていた。



「怖がらなくてもいい」
「・・・来るな!」


安心させようと此方から手を伸ばせば今度は額に直接突きつけられる。
冷たく、重い鉄の感触がリアルで、今彼と二人きりでいるのが現実味を帯てきて、グラハムは自然と笑みを浮かべていた。
そんな今死を突きつけられているとは思えない男の様子に少年は狂気を感じたのか。
銃口が震えている。


グラハムは少年に伸ばしかけていた手でそっと、銃身を握る。
少年が息を呑むのが聞こえた。
さらにグラハムは黒光かりするそれを優しく撫でながら、トリガーを引きかかっている少年の指にそっと触れた。

「そんなものでは、私は壊れないよ」

「・・・っ?!」

少年の瞳が、限界までに開かれる。
彼の足元にはバイザーにヒビが入ったヘルメット、そして―・・・

「このフラッグのように、きみのガンダムのように」

二人の足元には、単なるスクラップと化した二つの機体があった。
既に自信の重さで沈みゆく鉄の塊は、塗装の色のお陰でようやく二つの異なるMSであったことがわかる。しかし、その塗装も戦闘の激しさと墜落の衝撃とで殆んど剥がれ落ち、渾然一体となっていた。

圧倒的な力を誇り、今だ争う人間に制裁を下してきたガンダムも、ただ自分達の足場としかならなくなった。
だが機体がこうなっても、グラハムと少年は生きていた。だから。
「君の手では私を壊せない。」

そう言って、震える少年の手を両手で包みこんだ。繊細なガラス細工に触れる時のように、そっと。
瞳が、揺らぐ。
殺意から、驚き、そして、安堵へ

小さな唇が触れるなと弱々しくつむぐ。だが彼の指はトリガーから離れ 、二人の手の隙間から銃が抜けた。

鉄と鉄がぶつかり合う金属音が、静かな浜辺に一際響く。

その残響が消える前に、グラハムは少年の手を掴み、自らの胸元に引き寄せた。
抵抗されると思ったが、大人しく少年は腕の中に収まる。
パイロットスーツごしには熱は伝わらない。だが、顎に髪がさらりと当たり、想像するしかなかった彼の肌の匂いがかげた。ああ、やはりこの黒髪は柔らかかった。


「この機体のように、この世界のように、ソレスタルビーイングのように・・・私は壊れないよ。
君がいる限り、ね。」


極上の笑みを浮かべて、少年の額に自らの額を寄せる。
思っていた通り少し汗ばんだ額は暖かく、グラハムに熱を与えてくれる。

彼の吐息が、目を瞑っていたとしても間近に感じられるこの幸福。

「・・・おまえは・・・こわれないのか?」
はりつめた糸がほぐれたのか、焦点を失った少年が幼子のように聞いてくる。
グラハムはこれが答えと言わんばかりに、少年の力を入れれば折れそうな体を優しく抱きすくめた。



闇が広がっているはずの水平線は赤く燃え、流れ星のように幾筋もかつて兵器だったものが海に堕ちていく。
ここにあるのは潮騒と、月の光を反射するMSの残骸、そして自分達だけ。
糸の切れた操り人形のような少年の体を抱きながら、グラハムは世界の終わりゆく情景を、満足そうに見つめていた。


―欲しかったものを手に入れられた―

―だから、世界はもう必要ない―



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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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