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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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ティエ様の設定捏造ですだって一期で明らかにならなかったんだもん。
とりあえずティエ刹♀続きですがティエ刹ティエに見えてきました。あーもう両方おなごでいいかもしれない(駄目です)
とりあえずこの二人は不器用&ツンデレだから周囲が大変に違いない。


「ティエリア」

驚いて思わず手を引っ込めると、ピジョンブラッドの瞳がぎこちなく刹那に向けられた。

「…俺は、一体」
「椅子から転げ落ちた。」

安心しろ、白眼は剥いてなかった。一応フォローするように言ってみるがティエリアは思い出したのか赤くなり、「た、ただバランスを崩しただけだ」ともごもごと口を動かした。だがふと視界に入ったのか思い付いたかのように刹那の腹部を見て、そっと手を伸ばす。
白魚のような指が近づいて来たとき、刹那は思わず肩を震わせた。

「…本当に出来たのか」
「ああ」
「ここに、いるのか」
「…恐らくは。」

まだ性別はわからないけど、三ヶ月らしい。そう告げるとティエリアは不可解そうに眉をひそめ、そこに育まれている命を確認しようと手を這わせた。
女性としては脂肪に欠け薄っぺらな刹那の腹部。でもまだそこに命が宿っている
ことは見た目でも触れてもわからない。
だが確認しようと何度も機械的にティエリアは触れてきた。
低体温な彼の手。幾度となく刹那の肌に触れてきたもののはずなのに、今日は余計に冷たく感じる。

「…お前は、」

この子を、望んでいるか?
そう問いかけようとして、やっぱり口を閉ざした。
もし拒絶されたら?堕ろせと言われたら?
守ろうと、無意識のうちに腹部を手で覆う。
強張った刹那の顔に気付いたのかわからないが、ティエリアはそっと指を離してくれた。

「出来るとは思わなかった」

そう言って、ティエリアは半身をお越した。普段は冷たい瞳に動揺が渦巻いているのがわかる。
まさか、ティエリアに限ってそんな浅はかだとは思わなかった。まあ避妊具を付けるよういわなかった刹那にも罪はあるだろうが。
別にティエリアとならよかったからなのに。

「やることをやったんだ。出来るに決まってるだろう」
「違う、そう意味じゃない」

今更すぎる認識の誤りに刹那が苛立った声をあげると、ティエリアが刹那の手を掴んだ。血が通っているとは思えない真っ白な肌に、ぞっとする程冷えきった手。褐色の健康的な肌の刹那と比べると、尚更それが異様に人形めいたものであるかわかる。

「違う、そう意味じゃない」

出来るということを知っているのは当たり前だ。そう憮然と言われた言葉に、か
つての刹那なら怒りを感じるだろう。ついこの間まで衝突ばかりしていたのだか
ら。
だが、今のティエリアは以前と様子が違う。馬鹿にした態度でも、冷たく切り捨
てるようなものでもなく、麗質な顔に困惑と不安、動揺を浮かべている。妊娠が
、全く想定外であったかのように。
一先ず彼の話を聞こうと、じっとティエリアの顔を見つめる。
長い睫毛に伏せられた瞳は、自然界ではあり得ないような、あまりにも鮮やかな
赤。かつては自信に満ちていたその瞳は揺れていた。

「俺には…僕には、人としての生殖機能が備わっているとは思わなかった」
「え」
意を決したかのように呟かれた言葉に、思わず彼の顔を凝視する。

彼が言うに、ティエリア・アーデはCBの計画を円滑に執り行う為に、また人間として不安定なガンダムマイスターの暴走を阻止する為だけに生まれたデザインベイビーだった。
イオリアの遺産であるヴェーダとリンクし、また実行部隊であるプトレマイオスクルーとコミュニケーションをとるためには、機械よりも人間の方がコミュニケーションツールとしては効率がよかったというだけであって。
当然本来の人間の使命である「子孫を残す」なんてことは組織の為だけに存在するティエリアには必要ないことだから、プログラムされていないはずだったのだ。

「だから、僕は君を抱いた。」

快楽に溺れれば、一時的にでも喪失感を埋められると書物に書いてあったから。
思えば性欲というものが存在している時点で気付くべきだったんだ、とティエリアは唇を噛む。
刹那は震えるティエリアの手をどうすることもできず、彼の話をただじっと聞くことしか出来なかった。

ティエリアは、自らに備わっていないはずの感情や性欲をもてあまして、自らが信望していたヴェーダにすら切り捨てられたショックからか足掻くように刹那を抱いたのだろう。不器用だから、尚更そうするしかなかったのかもしれない。そして、今も想定外のことに倒れるほど動揺するほどに。
刹那もまた、ロックオンという心の支えと極限の状態に追い込まれたからこそ、ひと時の熱に身を任せようとしたのだろう。例え終えたあと虚しくなったとしても。
勿論、誰でも言いわけではなかった。
同じ空虚感を抱いていて、どこか似ているティエリアなら熱を共有し会えると思ったから。
お互いの思慮の浅さと、精神的な幼さが生んだ過ち。
それでも、過ちと認めたくはない。
刹那はあの時共有した悲しみを、熱を、忘れたくはないから。




「君の事を顧みず、このような結果になった・・・。」

すまない。そう言おうとティエリアが薄い口を動かそうとした瞬間、刹那は言葉を遮った。

「謝るな」

重なっていたティエリアの冷たい手をそっと取り、自らの腹部に押し付ける。
その奥にある小さな小さな胎動は、まだまだ聞こえないはずなのだけれども、ティエリアに感じてほしかったのだ。

「謝ったら、この子に悪い」

この子を若さ故の過ちとして片付けられても、また刹那に対する負い目と感じてほしくない。

「機械ではない、あんたは・・・ティエリア・アーデは、人間だ。性交をすれば子供も出来るし、感情もある。もしあんたが俺をただの性欲のはけ口だと思って重荷に感じたら、俺は一人でこの子を育てる。だけど・・・あんたとの子供を、過ちだと否定するのはやめてくれ」

父親になってくれとも、認知してくれともいわない。
だがここに宿っている小さな命を、ミッションでの想定外のミスのように機械的に流してほしくはなかった。
もうこれ以上喪いたくないと、生まれてくる子に誓いたい。
これは刹那の勝手な願いなのだけど。

「だから、謝るな」

そういうと、ティエリアは狐につままれたような顔を一瞬して、だがやがて腹部に置かれた自らの手をじっと見つめた。
その視線はCBが始動しだしたときの、紛争根絶を効率的に完遂するような機械的なものではなく、必死にわが子の鼓動を感じようとする不器用ながら一人の男の姿だった。

「僕は・・・人間として、父親になれるのだろうか。」

ぽつりと呟かれた言葉に、刹那は瞳を丸くする。その様子が気に食わなかったのか、ティエリアは不服そうににらんでくる。

「父親になってくれるのか」
「そこまで僕を甲斐性のないやつだと思っていたのか、君は」
「ああ。」
「・・・君はやはり女らしさと可愛げに欠ける」
「確かに妊娠したと聞いただけで卒倒したお前よりは女々しくない」
「刹那・F・セイエイ・・・」

じと睨みしてくるティエリアを無視し、今度は刹那がティエリアの掌にそっと己のものを重ねた。
あれほど冷たかった手も、腹部から伝わる熱が混ざり合って温かくなっている。

「そんな憎まれ口を言っている時点で十分、お前は人間らしい」

父親があんたでよかった、なんて絶対いう気にはならないけど。
そう己に宿る命に心の中で問いかけていると、むすっとしたティエリアが手はそのままに、噛み付くようなキスをしてきた。







まだまだ未来は見えず、世界は仮の形でしかまとまっていない。
だから、人として歩みだしたお前と、この子の三人で本当に紛争根絶をなしたいんだ。
悲しみを同じ時に共有し、失い続けてきた幼い二人が始めて生み出せた命にもう喪わないことを誓って。
真っ白な医務室で、思いを伝える術がわからなかった少女と機械から抜け出した少年とが、拙く熱を交し合った。













順序を間違えた福音は雷鳴の如く鳴り、かの子は不器用ながらも祝福を受けた。


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