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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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拍手いい加減更新しなきゃいけないのですがヘタレアーデを書きたくて更新です。
この二人は子供同士で不器用だったらいい。
ティエ刹♀で妊娠ネタなので苦手な方は逃走してください。というか初孕みネタがティエ刹って・・・あれっ?しかもせっちゃんが男らしくなりました。
とりあえず本編終了後のお話。







「おめでとうございます」
ご懐妊ですよ、そうニコニコと語る医師にああ、やはりできたのかとぼんやりと考えていると。
急に、ティエリアが椅子ごと後ろに倒れた。その拍子に眼鏡が放物線を描いて落ち、ぱりんといとも容易く割れた。




福音は雷鳴の如く



「全く情けないわね」
頭を若干抱えながら、スメラギはベッドで眠り姫の如く寝込む美青年を見つめていた。

「すまない」
「何であなたが謝るの。悪いのはそこのヘタレよ」

スメラギはあわてて手を振るが、やはり少し引け目を感じて刹那は視線を落とした。
前から異常は感じていたが、今日は特に酷かった。
廊下で思わずしゃがみこんでしまった時に、「体調管理もできないなんてマイスターにふさわしくない」と呆れ気味なティエリアに医務室まで運んで貰ったのだが、逆に彼が医務室の世話になることになってしまった。
そんなに刹那が妊娠したのが衝撃的だっただろうか。
鮮やか赤い目を驚愕に見開き、機械のように瞬きすらせず気絶したティエリアの姿を思い出し、刹那は自らの腹部にそっと手を置く。

ティエリア・アーデと、自分の間に宿った命。
もしかしたら歓迎された命ではないのかも知れない。
組織を何よりも優先させるティエリアにとって、身重なマイスターと自らの子供はCBにおいて障害にしかならないだろうから。

「なーに考えてるの」

いつもの無表情が若干の憂いを帯びた時、突如頭に手を置かれた。顔を上げれば、スメラギが微笑んでいる。

「大丈夫よ、まだCBは再起段階にあるし、子育てする余裕はあるわ」
「だが、ティエリアは・・・」「ティエリアの前に貴女の問題よ。」

呆れ顔だった表情を引き締め、スメラギは刹那の腹部にふわりと細く滑らかな手を置いた。

「経緯は聞かないでおいてあげる。問題は、貴女がこの子を生みたいかどうか。」

そうじゃなきゃ、この子は不幸になってしまうでしょ?
スメラギはそう悲しげに微笑み、いとおしそうに撫でた。
そう言われ、刹那は改めてまだ膨れていない腹部に宿っているだろう生命をじっと見つめる。

連合軍との激戦の前、二人は幾度となく体を合わせていた。
ロックオンという二人にとって大切な存在を失い、また連合による包囲により絶望的な状況に立たされお互い見えぬ明日への不安と喪失を紛らわそうと足掻くように、激しく互いの熱をぶつけあっていたのだ。当然愛を確かめあうなんてものではなく、不安定な心と体を安定させるための儀式的なもので。
そこに愛があったのか、正直微妙である。刹那自身もティエリアを愛しているかと聞かれたら否定はしないが肯定もできない。

だが、彼との子が出来たといわれ、生まれたのは嫌悪感ではなく純粋な喜び。
血塗られて失うことしか出来なかった自分が、唯一生み出せるもの。


「産みたい」

心底から思った。
拳をくっと握り、スメラギを真っ直ぐと見つめる。
失うだけだった自分に、守れるものがあるなら。
スメラギはそんな刹那の様子を見て安心したのか、慈愛を称えた笑みで刹那の腹部を再び撫でた。母性というのは、こういうものなのかもしれない。

「ならいいわ」
「だが」

ちらりと横目でこんこんと眠るティエリアを見る。この状況下で自分との子が産まれて、果たして彼はいい顔をするのだろうか。仮にも世界を変革するものがと、無駄なものとして彼に切り捨てられないだろうか。
例え拒絶されても一人で育てていく覚悟はあるが、出来れば。
「貴方の両親は、両方ともどうしようもないくらい不器用なようね…」
「?」

再び視線を落とした刹那に溜め息をつくと、スメラギは苦笑してもう一撫でしてから腹部から手を離した。
そして妖艶な笑みを浮かべて、ティエリアにびしりと指を指す。

「答えはそこのヘタレに聞きなさい」

そう言って、きょとんとしている刹那に私仕事あるから、と長い髪を揺らして背を向けた。

「大丈夫よ、私達はティエリアがなんて言おうとサポートするから」

蓮っ葉なものいいながら優しい言葉に、胸にわだかまっていた不安が少しずつ溶ける。この優秀な戦術予報士にはティエリアの答えが予測できているのだろうか。

「…助かる」

そうポツリと呟くと、スメラギは振り返らずヒラヒラと手を振り、医務室から退出した。
残されたのは、規則正しく寝息を立てるティエリアと、観察するかのようにじっと見つめる刹那だけ。





「ティエリア」

白いシーツに広がる夕闇色の髪を一摘まみする。予想通りそれは絹のようにサラサラとして、自分のゴワゴワした髪とは大違いだ。
どこを見ても完璧な造形。人間離れした機械的な美しさに、こんな美しい者との子孫を、自分なんかが残していいものかと溜め息をつく。
例え彼に祝福されなくとも、生まれてくる子供は彼の容姿の恩恵を受ければいい。
せめて髪と肌だけは俺に似るな、そうぼんやりと考えながら白磁のような頬に手を伸ばすと、寸前で硝子越しでなくより鮮やかな赤い瞳がぱちりと開いた。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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