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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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いつもお世話になっている「true*north」の瀬々様への相互記念小説です。
なんと、そちら様のグラ刹長編「鳥に焦がれる少年を鳥籠にいれて」の設定をお借りしちゃいました!恐れ多いです・・・!神すぎる設定ですよ、捕虜ネタ、捕虜ネタ!
「鳥籠」は左のツリーの瀬々様宅からどうぞ!(宣伝)
一応軽く説明させて頂くと、「鳥籠」は刹那が機体を守る為に自分が捕虜になり、グラハムに捕虜にされています。兄貴の救出を待ちながら、ハムにあれやこれやなことをされて・・・(こら)
ぐだぐだな説明ですが、本物は激しく素敵なので左のツリーから(略)
一応グラ刹ですが・・・微糖はおろか糖分がないです・・・
グラ刹ではなくむしろグラ→→→ロク刹・・・刹那喋らないしOTL
なんだか記念なのかこれ?というぐらい暗い話ですみません。
瀬々様、駄文ですが愛だけはこめているのでよろしければ貰ってやってください(土下座)
煮るなり焼くなり切って干すなりして下さいませ。






para selene



手慣れた指先でロックを解除し硬質の扉を開くと、にゃあと柔らかいものが足元にすり寄ってきた。
「・・・おや」
お腹をすかしているのか、はたまた寂しかったのか、珍しくグラハムにやたらすり寄ってくる。

餌をあげ忘れたのか?珍しい。
猫―確かロクという名だ―を抱き上げながら覗いた室内は、闇に塗り潰されていた。

「刹那?」

呼び掛けても、反応はない。人の気配はあるが、まるでそこだけ時が消失したかのように、物音一つ聞こえない。

寝てしまっているのだろうか。
そう思い腕時計を見たが、まだ彼が寝る時間ではなかった。大体この警戒心が強い生き物が夜にグラハムの前に寝顔をさらすことはないに等しい。

「刹那」

やはり反応はない。
連日の夜の情事に疲れてしまっているのだろうか。
そう思うと多少胸が痛み(私とて人の子だ)、今日はよそうと引き返そうとする。だがグラハムの珍しく芽生えた良心を知ってか知らずか、腕の中のロクが飛び出していた。

「あ、こら」

手を伸ばすが、既にロクは主のベッドに飛び乗っていて。
にゃあと甘えを帯びた声でなくと、闇の中の影が僅かながら揺れる。
そこでようやく、グラハムは刹那が起きていることに気付いた。

完全に無視するとは・・・随分と嫌われてしまったかな。

だが原因はわかっているので、薄く自嘲しながら照明のスイッチをいれようと室内に入る。
だが、刹那の後ろ姿に目をとられ、押すことは出来なかった。

「・・・刹那?」


廊下からの薄明かりと目が慣れてきたことで見え始めた刹那の姿。
芯が通っている背筋をさらに伸ばし、影で墨色になった瞳で硬質な壁を見上げている。
ただ、見上げている。
広がる空を遮る壁をものともせず、瞬きもせずに、射抜くように。
いつも可愛がっているロクでさえ、視界の隅に入れない程。

一見しただけでは精神を病んだようにに見えるだろう異様な光景。
だが、グラハムは知っていた。知りすぎていた。


その瞳に映っているものを。

見たことはない、その人物を・・・



「っ!」
途端にくすぶり始めた、黒い感情。
それを振り払うかのように、少年の痩せた肩を腕の中に入れる。


そっちを見ないでおくれ
こっちを見ておくれ


子供じみた祈り。
だが刹那は僅かに肩をびくりとさせただけで、視線は壁上に向けたままであった。

きつく抱き締めても、熱は伝わってこい。伝わるのは、華奢な体つきと冷えきった体と、
切なる、自分ではない誰かへの身が裂けんばかりの思い。

それでもと抱き締めていると、蚊の鳴くような、彼にしては力ない声が聞こえた。
ロクを撫でている時のような、否、さらに優しさといとおしさがある声で、言葉をつむぐ。


「ロックオン」



悲哀憤怒嫉妬。
くすぶっていた炎が広がり、瞬く間にグラハムの胸を焦がすのにそう時間はかからなかった。

抱き締めていた体ごと体重をかけ、ベッドに押し倒す。二人では重すぎる為スプリングが悲鳴を上げ、ロクが衝撃で落ちてしまったのも気にしない。
体を此方に向けさせ、今だに壁を見つめようとする顔を顎を掴んで固定する。

彼の曇りなきガラスのような瞳に自分の影が見えたが、それでも瞳には別の人物が写っているに違いなかった。

わかっている。その網膜に自分は写っていないことを。しかし、わかりたくなかった。

ロクが威嚇するかのように鳴く。足にかじりついてくる。だが気にしない。


「私を見ない君が悪い」


先ほどの良心はどこに言ったのやら、グラハムは刹那の熱を求め乱暴に口づけ、蹂躙した。

感じる熱と、あえぎ声。


だがそれが本当の意味で彼を得たということにならないことも、虚しい行為であることもまた、グラハムは知っていた。






月を手にしようと手を伸ばし、溢れる光すらも得られない。
この手の内にあるはずなのに、とても遠いもの。
そして彼もまた、月にこがれている



palaselene:幻月。



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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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