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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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サンタさんが子供達にプレゼントを渡し終えた頃に何が悲しくてこんな小説を書いてるんですか。自分。
いいのです。もうサンタ来ないし(おい)

もうイブ小説のぐだぐだっぷりが目に当てられないよハレルヤ・・・
というわけで本命グラ刹小説。ハムはやたらに花束を渡してくるに違いない。迷惑な人。
ちなみに花言葉は一応調べてます。この前の白薔薇は「私はあなたにふさわしい」です。
ハム異様に花言葉にくわしかったらやだなぁ・・・むしろこういうのはカタギリ氏の方が詳しそう。
あ、因みに刹那は女の子でも男の子でもOKです。
ちゅうまであります。らぶいのを希望していたのにこれじゃハムさんただの犯罪者です。



ノーチェ・ブエナ→メキシコ語で聖夜。ポインセチアの別名






ノーチェ・ブエナ



「なんの真似だ」
しつこく鳴らされるインターフォンに根負けして、扉を開けてしまったのがそもそもの間違いであった。
「メリークリスマス、刹那」

吹き込む師走の外気と粉雪と共に現れたのは、曇天の中でも目に痛い程眩い金髪をなびかせ、雪をも溶かすくらいの極上の甘い笑みを浮かべたスーツの男。
せめて顔を確認するべきであった。だがそれも後の祭、このストーカーはしっかりドアの隙間によく磨かれた靴を差し込み、閉めようとする刹那を妨害してきた。このまま足の骨を粉砕してやろうかと思ったが後のことが面倒なのでやめておく。
「相変わらずつれないね。今日は君の為にプレゼントを持ってきたというのに」
「必要ない。失せろ。」

威嚇を込めた視線付きで断ったにも関わらず、グラハム・エーカーはやれやれと言いながら、しかし何が楽しいのか理解しかねるくらいの笑みを浮かべて、何かを刹那の前に付き出してきた。
嫌でも目につく、合成された色ではない鮮烈な赤。

「・・・これは?」
持ってくる途中でつもったらしい純白の粉雪がよく映えている巨大な花弁のような葉。
その中心部にある黄色は金の鈴を思わせるような鮮やかさであり、下に生い茂る青々とした葉の対比が美しい。
花とも植物ともつかないそれの美しい色彩に目を奪われていると、綺麗だろう、といわんばかりに彼は翠玉の瞳を向けてきた。
「なんだこれは」
「ポインセチアだよ。あまりみかけないかな?ユニオンやAEUではよくクリスマスに贈るものだが。」
「生憎俺は神を信じていない。」
「奇遇だな、私もだよ。」

ユニオンの人間とは思えないような発言をした後、だがね、とグラハムは言葉を続ける。
27とは思えない程おさなさを残した―まるで悪戯を思い付いた子供のように―、ポインセチアの葉のような瑞々しい色の瞳を愉快そうに歪めた。

「この葉の赤はね、イエス・キリストの血を模した色とされて特にクリスマスに由縁はなかったのに祭り挙げられた花なんだよ」
「・・・」
「君に似ているとは思わないかい?」


戦場で独り血にまみれていた子供が、天上人の名をかがけて神かがりの力をもって世界を罰している姿に。

「今まで見向きもされなかった存在が世界の都合によって有難いものにも救い主にされてしまうんだからね。
全く世界は勝手だよ。」
世界に対する嘲笑とも、純粋に第三者として楽しんでいる笑みともとれる表情を浮かべる男。
どこか憐れみも交じった大人のその視線にむしょうに腹がたち、「黙れ」と殺意を込めて睨みつけると失礼、と肩をすくめてきた。
別に哀れまれる筋合いはない。この道は自分で選んだ。全てを終わらせる為に。

異教の救い主なんて偶像と同じにされても嬉しくもなんともない。



「用は済んだか?ならさっさと帰れ」
「まちたまえ。これを選んだ理由はもう一つあるのだよ。
いや、むしろこっちの方が私にとっては重要かな。」
いい加減吹き込む風で寒くなってきたので追い払いたくなったのだが、グラハムはずいと刹那にポインセチアの鉢を押し付けると、今までの笑みを表面から消し去り真剣な顔になった。
どくり。
真摯に見据えてくるその瞳に思わず不意をつかれていると、いつの間にか彼の手が背に回っていた。

「ポインセチアの花言葉を知っているかい?」
低く甘い声が、木枯らしの中囁かれる。
その脳を焦がすような声に背を震わすと、いつの間にか間近に迫った所から声が落ちた。

『私の心は熱く燃えている』


答えを聞く前に、刹那の口は塞がれていた。
寒空の下冷えて乾燥した唇が合わさる。
最初は浅く、次第に深く。
「んっ・・・ふ・・・」
あまりにも長く執拗なそれに酸素が少なくなり口を開こうとすると酷く、熱く柔らかな異物が口腔に入りこみそれすらも阻まれた。
歯列を丹念に舐められ、呆然として逃げることすら忘れた刹那の舌を絡みとられる。
重なる熱と、飲みきれなくなった互いが交ざりあった唾液が口を伝う頃にようやく解放された。
「こればっかりは、言葉ではとうてい説明しきれないからね」

酸欠で力が抜けた刹那の体を抱き抱えながら、グラハムは扉の内側に入り込む。
ポインセチアのような紅い虹彩に映る自分の翠に満足しながら、後ろ手にそっと鍵を閉めた。



世界への憎しみを一身に受けることを選んだ、憐れな子供。
神を信じない贖罪の御子を、今だけは、世界のものではなく私だけのものにしたい。
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FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
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