OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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ようやく最終回です。
言い訳という名のあとがきは後日に・・・
4年後の話です。最終回なのにハムが出てこないと言うカオスっぷり(おい)
思ったより酷いオチにはなりませんでしたが、ハッピーエンドにはほど遠いです。
あと4年後にナチュラルに兄貴がいるのは刹那がいなくなったことで未来が変ったと言うことにしておいてください。レッツパラレル!
刹那がアリーを認識することで兄貴はアリーと言う仇を見つけたって感じですよね本編は。でも刹那がKPSAと発覚する前にいなくなったのでそういうことにしておいてください・・・。
色々と中途半端に思われるかと思いますが、ここから先はご想像にお任せします・・・詳細はあとがきにて。
言い訳という名のあとがきは後日に・・・
4年後の話です。最終回なのにハムが出てこないと言うカオスっぷり(おい)
思ったより酷いオチにはなりませんでしたが、ハッピーエンドにはほど遠いです。
あと4年後にナチュラルに兄貴がいるのは刹那がいなくなったことで未来が変ったと言うことにしておいてください。レッツパラレル!
刹那がアリーを認識することで兄貴はアリーと言う仇を見つけたって感じですよね本編は。でも刹那がKPSAと発覚する前にいなくなったのでそういうことにしておいてください・・・。
色々と中途半端に思われるかと思いますが、ここから先はご想像にお任せします・・・詳細はあとがきにて。
誰がどんなに思っていても、月日だけは公平に流れる。長いか短いかは各々の感覚だ。
俺は刹那の死を悼んだ。だが立ち止まることも出来ず、彼女が望んだ戦場で、無我夢中にトリガーを引いた。フラッグを見るたびに刹那の瞳を思いだし、容赦なく殲滅していった。途中で各軍の主力がジンクスに変わってしまったのは幸か不幸か…無鉄砲すぎる攻撃は死を招いたかもしれない。
それでも俺は撃ち続けた。
刹那の分も戦うことが、唯一出きることだったから。
せめて刹那が追い求めた世界への実現をすることしか出来なかったから。
アレルヤもティエリアもそう思っていたらしく、スメラギもまた予報を外すことなく的確に指示を飛ばした。
そして、プトレマイオスの陥落で戦争は一時終結した。
一時の休戦とはいえ、風が吹き荒れていた海で急に凪ぎに入るようにその事は俺を不安にさせた。
ガンダムを駆ることで、刹那への罪の意識を薄めようとしていたのかも知れない。だが、急にやることを失い、俺は呆然と地上に降り立つことしかできなかった。
いずれ、CBはまた動き出す。世界が傷を隠そうとする前に。
だが、一時の安らぎは、俺を行き場の無くした子供のようにさせるだけだた。
四年後。
カナダの、都会ではないが高層マンションが立ち並ぶ程は田舎ではない都市を、ロックオンは歩いていた。
あれからロックオンはアイルランドで墓参りをする位は、こうしてカナダやアメリカの街を宛てなく歩き、刹那の影を探そうとしている。
家族を失った時もそうだった。夜の仕事をする前に廃墟を歩き回り、彼等の笑顔を何処か探していたのだ。だが、そんなものは一片も見つからなかった。
当たり前だ、彼等は死んだのだがら。
そして、刹那も。
ブルネットの子供に思わず振り返る時に、その虚しさを噛み締める。
「何やってるんだろうな、俺は」
苦笑を一人で漏らしながら、ロックオンは木漏れ日のさす街路樹の道を通りすぎ、公園らしきものにたどり着いた。
そう言えば、腹が空いた。
適当な屋台でホットドッグを買い、ベンチに座る。刹那が滞在地の東京でよくやっていて、健康によくないと叱りつけたことがあるのを思いだし薄く笑みを浮かべた。
ホットドッグをかじる。美味しいが、安っぽく薄っぺらい味。だが暗い虚無を抱える自分にはお似合いかもしれない、と嘲笑った。戦いがない時は、刹那もまたこんな暗い気持ちを抱えていたのだろうか。
未練がましいな、俺。
一口かじっただけで口を止め、ロックオンは空を仰いだ。
今は宙にいる同僚の言葉を思いだしたのだ。
『貴方は彼女の罪への意識をもてあまし、拭おうと足掻いているだけだ』
その通りだと思う。
適当にかけられた赤と黄色のソースを見つめながらティエリアの言葉を噛み締めた。
だって、助けられたのだ。あの時痩せ細った手首を掴めば良かっただけなのだから。
いや、最初から…洞窟で傷ついた彼女を見つけた時に、ガンダムからおろせばよかったはずだったのに。
機会は何度もあった。だが、見殺しにしたも同然だ。
ただ世界に対する自分の復讐を遂げたい為だけに。
ぼんやりと冷め始めたそれを咀嚼しながら公園を見ていると、昼間だから子供連れや老人しかいない中、うろうろと一人の子供が歩いていった。短い金髪が走るたびピョコピョコはねている。まだ三歳位の幼い子供だった。
珍しいなと思ってなんとなく目で追っていると、地面を見ていなかったのか、何かにつまづいてぺしょりと転んでしまった。
「あ、おい!」
思わず持っていたホットドッグを投げ出し、その子の元に駆け出す。
抱き起こしてやり、膝を確認する。小さな膝小僧には少しだけ擦ったあとがあったが、血はにじんでないしタイルの上だった為砂粒が傷口についていなかった。
「大丈夫か?」
なるべく優しい声で語りかけながら子供の顔を見、思わず息をつめた。
泣くまいと必死で涙を溜めている瞳が、石榴石のような深い赤だった。光の角度によっては赤銅色や鮮やかなオレンジにも見えるその色に、ロックオンは思わず見いる。
似ている。
髪の色も表情も、違うはずなのに。
「おにいちゃん、だれ?」
舌足らずな高い声にはっと我を戻す。そうだ、他人のそら似だ。刹那は死だ。
「いや、通りすがりのヒーローって所かな?」
「まま、そんなのいないっていってた」
随分現実的な母親だなぁと思わず苦笑いを浮かべた。三歳位にしてそんなこと悟らせるのはどうかと思うが。
「ま、まあ怪しい人じゃないから大丈夫だぞ。そんでもって、何で一人でいたのか?」
危ないお兄さんに誘拐されるぞー、と冗談めかして言えば、またうつむきじっと地面を見つめた。涙をこらえるような顔に、慌ててしまう。怖がらせてしまったか?
「まま、いないの…」
「へ?」
「みつかんないの…」
どうやら迷子らしい。確かにそれなら頷ける。
時間はまだあるし、これも縁だ。よしよしと撫でてやり、笑いかけてやる。柔らかい髪に何処か触り心地がだぶり、一瞬だけ顔が曇る。
「じゃあ優しいお兄さんが一緒に探してあげるよ」
「ほんと?」
ぱっと顔を上げた顔が可愛らしい。鼻筋が通った顔は西洋的でもあるし、しかしどこかエキゾチックでもある。
くりくりした瞳が中々将来有望であることを暗示させた。ぶかぶかな服を来ている為一見してわからなかったが、女の子だろう。
「お礼はそうだな…お嬢ちゃんが将来お嫁さんになってくれることかな?」
「えー」
はにかむように笑う子供が可愛らしく、どちらかと言えばエイミーの表情に近いはずなのに何故か滅多にみれなかった刹那の笑顔がちらついた。
汗ばんだ、小さな小さな紅葉のような手を握り、街を二人で歩いていく。しかし探すにもそこそこの街だ。とりあえず、子供の証言に沿ってこの公園をうろうろと歩いてみる。誘拐犯にみられていないか心配だが大丈夫のようだ。
「それで、お前さんのママはどんな人?美人?」
眼前の子供に目をやれば、短めの金髪がネコ毛で柔くウェーブし、陽光に煌めいている。
とりあえず母親の容姿を聞くことに越したことはない。下心がなかったかと言えば嘘ではないが。
「うーんとね、かみ、くろいくてながいの。でね、めのいろはノウラとおじ」
「え?」
この子供の名前はノウラというらしい。だが驚いたのは、母親が黒髪に石榴石の目を持つことだった。
「いつもおこったかおして、ぱぱよくおこられるの。」
こーんなめして!と指で目をちょっと吊り上げてみせるノウラに「そりゃおっかないママだな」と笑いかけながらも、内心ではあまりの衝撃に思考が追いつかなかった。
目を吊り上げ、憮然として見せるノウラはまさしく刹那に生き写しだった。
髪の色が正反対で、肌も浅黒くないと言うのに、表情は刹那の面影を残していて。
(刹那に姉妹がいたとか?そんな馬鹿な!)
「どうしたの?」
可愛らしく首を傾げてみせる子供になんでもないよと思わず答えれば、ノウラは嬉しそうに言葉を続ける。少し警戒心が強いが随分人懐っこい子だ。
「でね、よくノウラだっこしてくれるの!ぱぱはぎゅうってするけど、ままはやさしいの!」
「そーかい、優しいママだな・・・」
「でも、たまにおそらばっかりみて、ノウラのことだっこしてくれないの・・・」
「・・・なあノウラ。お前のママの名前って・・・」
何ていうのか?と聞く前にノウラが「あっ!」と声を上げ、ロックオンの手を離した。
「まま!!」
心臓が高鳴った。
まさか、と思ってノウラの走る方向に視線を向ける。
違う、
きっと別人だ。
ノウラがまた転ぶ。
慌てて黒髪の女性が駆け寄る。ウェーブがかった、長い髪。
汗が気づかぬ間に落ちていった。
なにかノウラに語りかけ、ゆっくりと助け起こした。
早く顔をあげてくれ。
いや、あげないでくれ。
ぐずるノウラを抱きかかえ、ゆっくりと体を起こした。
ノウラと同じ、柘榴石の瞳。長い睫。
嘘だ。
他人のそら似だ。
女性が顔をあげた。ノウラがロックオンを指差し何かを言っている。
「・・・すみません」
ぼそりと女性が呟く。
不審そうにロックオンを見ようとする女性と視線がかちあった。
強い視線はなく、綺麗だがガラス玉のような虚ろな輝き。
だがその瞳に呆然と立ち尽くすロックオンを映したとき、息をつめ、瞳孔が収縮するのがわかった。
他人のそら似というには、あまりに似すぎている。
いつのまにか、喉がからからに渇いていた。
ああ、さっきコーラを買っておけばよかった。
「・・・刹那?」
気づいたら雲が流れ、三人の間に影をゆっくりと落とす。
喉から、ようやく言葉が引き絞れた。
刹那もまた呆然と立ち尽くし、何かを言葉に紡ごうとして、何も出ず宙に消えた。ズボンからわずがに覗く足首には、赤い痕が残っている。
「まま、おにいちゃんしってるの?」
ノウラの無邪気な声だけが、時が止まったかのように固まる二人の間に響いた。
雲から覗く空は、残酷なほどに青かった。
外を焦がれるだけの、籠の鳥。
だが羽をもがれ心砕けた鳥は、扉が開いても出ようとしなかった。
戦うことしかできなかった私が平穏を望むのは、いけない事だったのでしょうか?
仮初の幸せは、罪なのでしょうか?
それともそれすらも心の奥底で否定し、永遠に飛べなくなった空を未練がましく見つめていたから?
優しさと言う名の狂気に満ちた籠の中で、ただ添え木に止まっている私に、血色に染まった影達は嘲笑を浮かべた。
『逃げることは許されない』
ああ、やはり。
とどめをさして欲しかった。
Misericorde:イギリスやフランスの兵士・騎士が必ず所有していた短剣
重傷を負った者に止めを刺すために用いられた
俺は刹那の死を悼んだ。だが立ち止まることも出来ず、彼女が望んだ戦場で、無我夢中にトリガーを引いた。フラッグを見るたびに刹那の瞳を思いだし、容赦なく殲滅していった。途中で各軍の主力がジンクスに変わってしまったのは幸か不幸か…無鉄砲すぎる攻撃は死を招いたかもしれない。
それでも俺は撃ち続けた。
刹那の分も戦うことが、唯一出きることだったから。
せめて刹那が追い求めた世界への実現をすることしか出来なかったから。
アレルヤもティエリアもそう思っていたらしく、スメラギもまた予報を外すことなく的確に指示を飛ばした。
そして、プトレマイオスの陥落で戦争は一時終結した。
一時の休戦とはいえ、風が吹き荒れていた海で急に凪ぎに入るようにその事は俺を不安にさせた。
ガンダムを駆ることで、刹那への罪の意識を薄めようとしていたのかも知れない。だが、急にやることを失い、俺は呆然と地上に降り立つことしかできなかった。
いずれ、CBはまた動き出す。世界が傷を隠そうとする前に。
だが、一時の安らぎは、俺を行き場の無くした子供のようにさせるだけだた。
四年後。
カナダの、都会ではないが高層マンションが立ち並ぶ程は田舎ではない都市を、ロックオンは歩いていた。
あれからロックオンはアイルランドで墓参りをする位は、こうしてカナダやアメリカの街を宛てなく歩き、刹那の影を探そうとしている。
家族を失った時もそうだった。夜の仕事をする前に廃墟を歩き回り、彼等の笑顔を何処か探していたのだ。だが、そんなものは一片も見つからなかった。
当たり前だ、彼等は死んだのだがら。
そして、刹那も。
ブルネットの子供に思わず振り返る時に、その虚しさを噛み締める。
「何やってるんだろうな、俺は」
苦笑を一人で漏らしながら、ロックオンは木漏れ日のさす街路樹の道を通りすぎ、公園らしきものにたどり着いた。
そう言えば、腹が空いた。
適当な屋台でホットドッグを買い、ベンチに座る。刹那が滞在地の東京でよくやっていて、健康によくないと叱りつけたことがあるのを思いだし薄く笑みを浮かべた。
ホットドッグをかじる。美味しいが、安っぽく薄っぺらい味。だが暗い虚無を抱える自分にはお似合いかもしれない、と嘲笑った。戦いがない時は、刹那もまたこんな暗い気持ちを抱えていたのだろうか。
未練がましいな、俺。
一口かじっただけで口を止め、ロックオンは空を仰いだ。
今は宙にいる同僚の言葉を思いだしたのだ。
『貴方は彼女の罪への意識をもてあまし、拭おうと足掻いているだけだ』
その通りだと思う。
適当にかけられた赤と黄色のソースを見つめながらティエリアの言葉を噛み締めた。
だって、助けられたのだ。あの時痩せ細った手首を掴めば良かっただけなのだから。
いや、最初から…洞窟で傷ついた彼女を見つけた時に、ガンダムからおろせばよかったはずだったのに。
機会は何度もあった。だが、見殺しにしたも同然だ。
ただ世界に対する自分の復讐を遂げたい為だけに。
ぼんやりと冷め始めたそれを咀嚼しながら公園を見ていると、昼間だから子供連れや老人しかいない中、うろうろと一人の子供が歩いていった。短い金髪が走るたびピョコピョコはねている。まだ三歳位の幼い子供だった。
珍しいなと思ってなんとなく目で追っていると、地面を見ていなかったのか、何かにつまづいてぺしょりと転んでしまった。
「あ、おい!」
思わず持っていたホットドッグを投げ出し、その子の元に駆け出す。
抱き起こしてやり、膝を確認する。小さな膝小僧には少しだけ擦ったあとがあったが、血はにじんでないしタイルの上だった為砂粒が傷口についていなかった。
「大丈夫か?」
なるべく優しい声で語りかけながら子供の顔を見、思わず息をつめた。
泣くまいと必死で涙を溜めている瞳が、石榴石のような深い赤だった。光の角度によっては赤銅色や鮮やかなオレンジにも見えるその色に、ロックオンは思わず見いる。
似ている。
髪の色も表情も、違うはずなのに。
「おにいちゃん、だれ?」
舌足らずな高い声にはっと我を戻す。そうだ、他人のそら似だ。刹那は死だ。
「いや、通りすがりのヒーローって所かな?」
「まま、そんなのいないっていってた」
随分現実的な母親だなぁと思わず苦笑いを浮かべた。三歳位にしてそんなこと悟らせるのはどうかと思うが。
「ま、まあ怪しい人じゃないから大丈夫だぞ。そんでもって、何で一人でいたのか?」
危ないお兄さんに誘拐されるぞー、と冗談めかして言えば、またうつむきじっと地面を見つめた。涙をこらえるような顔に、慌ててしまう。怖がらせてしまったか?
「まま、いないの…」
「へ?」
「みつかんないの…」
どうやら迷子らしい。確かにそれなら頷ける。
時間はまだあるし、これも縁だ。よしよしと撫でてやり、笑いかけてやる。柔らかい髪に何処か触り心地がだぶり、一瞬だけ顔が曇る。
「じゃあ優しいお兄さんが一緒に探してあげるよ」
「ほんと?」
ぱっと顔を上げた顔が可愛らしい。鼻筋が通った顔は西洋的でもあるし、しかしどこかエキゾチックでもある。
くりくりした瞳が中々将来有望であることを暗示させた。ぶかぶかな服を来ている為一見してわからなかったが、女の子だろう。
「お礼はそうだな…お嬢ちゃんが将来お嫁さんになってくれることかな?」
「えー」
はにかむように笑う子供が可愛らしく、どちらかと言えばエイミーの表情に近いはずなのに何故か滅多にみれなかった刹那の笑顔がちらついた。
汗ばんだ、小さな小さな紅葉のような手を握り、街を二人で歩いていく。しかし探すにもそこそこの街だ。とりあえず、子供の証言に沿ってこの公園をうろうろと歩いてみる。誘拐犯にみられていないか心配だが大丈夫のようだ。
「それで、お前さんのママはどんな人?美人?」
眼前の子供に目をやれば、短めの金髪がネコ毛で柔くウェーブし、陽光に煌めいている。
とりあえず母親の容姿を聞くことに越したことはない。下心がなかったかと言えば嘘ではないが。
「うーんとね、かみ、くろいくてながいの。でね、めのいろはノウラとおじ」
「え?」
この子供の名前はノウラというらしい。だが驚いたのは、母親が黒髪に石榴石の目を持つことだった。
「いつもおこったかおして、ぱぱよくおこられるの。」
こーんなめして!と指で目をちょっと吊り上げてみせるノウラに「そりゃおっかないママだな」と笑いかけながらも、内心ではあまりの衝撃に思考が追いつかなかった。
目を吊り上げ、憮然として見せるノウラはまさしく刹那に生き写しだった。
髪の色が正反対で、肌も浅黒くないと言うのに、表情は刹那の面影を残していて。
(刹那に姉妹がいたとか?そんな馬鹿な!)
「どうしたの?」
可愛らしく首を傾げてみせる子供になんでもないよと思わず答えれば、ノウラは嬉しそうに言葉を続ける。少し警戒心が強いが随分人懐っこい子だ。
「でね、よくノウラだっこしてくれるの!ぱぱはぎゅうってするけど、ままはやさしいの!」
「そーかい、優しいママだな・・・」
「でも、たまにおそらばっかりみて、ノウラのことだっこしてくれないの・・・」
「・・・なあノウラ。お前のママの名前って・・・」
何ていうのか?と聞く前にノウラが「あっ!」と声を上げ、ロックオンの手を離した。
「まま!!」
心臓が高鳴った。
まさか、と思ってノウラの走る方向に視線を向ける。
違う、
きっと別人だ。
ノウラがまた転ぶ。
慌てて黒髪の女性が駆け寄る。ウェーブがかった、長い髪。
汗が気づかぬ間に落ちていった。
なにかノウラに語りかけ、ゆっくりと助け起こした。
早く顔をあげてくれ。
いや、あげないでくれ。
ぐずるノウラを抱きかかえ、ゆっくりと体を起こした。
ノウラと同じ、柘榴石の瞳。長い睫。
嘘だ。
他人のそら似だ。
女性が顔をあげた。ノウラがロックオンを指差し何かを言っている。
「・・・すみません」
ぼそりと女性が呟く。
不審そうにロックオンを見ようとする女性と視線がかちあった。
強い視線はなく、綺麗だがガラス玉のような虚ろな輝き。
だがその瞳に呆然と立ち尽くすロックオンを映したとき、息をつめ、瞳孔が収縮するのがわかった。
他人のそら似というには、あまりに似すぎている。
いつのまにか、喉がからからに渇いていた。
ああ、さっきコーラを買っておけばよかった。
「・・・刹那?」
気づいたら雲が流れ、三人の間に影をゆっくりと落とす。
喉から、ようやく言葉が引き絞れた。
刹那もまた呆然と立ち尽くし、何かを言葉に紡ごうとして、何も出ず宙に消えた。ズボンからわずがに覗く足首には、赤い痕が残っている。
「まま、おにいちゃんしってるの?」
ノウラの無邪気な声だけが、時が止まったかのように固まる二人の間に響いた。
雲から覗く空は、残酷なほどに青かった。
外を焦がれるだけの、籠の鳥。
だが羽をもがれ心砕けた鳥は、扉が開いても出ようとしなかった。
戦うことしかできなかった私が平穏を望むのは、いけない事だったのでしょうか?
仮初の幸せは、罪なのでしょうか?
それともそれすらも心の奥底で否定し、永遠に飛べなくなった空を未練がましく見つめていたから?
優しさと言う名の狂気に満ちた籠の中で、ただ添え木に止まっている私に、血色に染まった影達は嘲笑を浮かべた。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
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管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
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