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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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拍手差し換えの為格納。ハムと刹那♀の運命?の出会い編?(何)
刹那の受難はここから始まる。

AM08:19。

腕時計の液晶画面に表示されている無情な数字に口元のストローを噛んで、少女は足を速めた。ハイスクールを意味する赤のリボンタイが、胸元で上下する。



―大丈夫、自分の身体機能なら0824には校門に滑りこめるはずだ―








AM08:30

―bad luck...―







今日は朝から最悪だった。

何故か目覚ましがわりのハロが起動せずに全員が寝坊。

ティエリア、アレルヤは一限からとっておらず、ロックオンは今日は休み。

よって、現役高校生である刹那だけがこうして急がなければならないのだ。

諜報活動として潜入してる以上、刹那・F・セイエイは一般的女子高生になりすま

さなければいけない。目立つ行為である遅刻はあまり好ましいものではないのだ
。(担任のイアン・ヴァスティが口うるさいのもあるが)

おまけに制服は昨日ハンガーに吊らなかった為皺くちゃだし(刹那は気にしない
のだがルイスに何かと言われるのは気分のいいものではない)、朝食は勿論とれずに出てきた為空きっ腹だし、本当に今日は朝から最悪としかいえない。





せめても、とロックオンから350mlの牛乳パックを渡され、飲みながら全力疾走する。

足を出す度スカートがひらひらと足にまとわりつく。スカートという代物は活動

しにくい為、あまり好きではない。学校に通う暇はなかった刹那にとって、スカートは通気性がよくやたらに足が冷えてしかたがない。これでも大分慣れたのだ

が。



学校の校門が坂の上から見えてくる。日本経済特区にあるこの学校は、中高大が
同じ敷地にあるマンモス校である。無駄にでかいので最初は迷ってしまうぐらいだが、人数が多い為潜伏するには持ってこいだ。



学校に通じるこの並木道に制服を来た生徒は数える程しかおらず、いたとしても

諦めたのかトボトボ歩いているものが大多数である。

好都合。



腕に目をやる。

AM08:22。

大丈夫、まだ間に合う。





ラストスパートをかけるべく、パックの底にちょっぴり残っている牛乳を飲み干

そうとストローを加えた、その時。







衝撃。

走って勢いのついていた躰は、目の前の人間の壁によって弾き飛ばされる。

牛乳に気をとられ、前をみていなかった。迂闊。



空のパックが飛んだ。

重い鞄が手から離れ、一拍置いてどさりと地に落ちた。



例に漏れず、刹那も重力の法則に従ってアスファルトに体を打ち付けるはずだった。

刹那は受身をとろうか考えたが、一般の女子高生はそんなことできないので目立ってしまうと結論だし、襲い来るであろう衝撃に体をこわらばせた。



空パックが遠くで乾いた音を立て落ちた。

しかし、刹那の体はいつまでたっても予定していた衝撃にあわない。





「大丈夫かい?」





疑問に思って薄目を開くと、黒いスーツの腕が刹那の体を支えていた。

上方を見上げると、混血が進んだ今としては珍しい見事な金髪が、陽光を受けてきらきらと輝きを放っていた。

曇りなき翠玉のような瞳が、こちらをじっと見据えている。

白色人種の、典型的な二枚目だ。スーツは着ているがどうみてもサラリーマンには見えない、この学校の教師なのだろうか。



一瞬、不覚にも綺麗だと思った。

しかし、周りの視線を思いっきり集めていることに気づき、刹那は我に返った。

目立つ行動は、厳禁。





「大丈夫です」

そうぼそりと呟くように言って離れようとするが、彼の手が自分の肩を掴んで離さないことに気づく。

そして、目はいまだ刹那を食い入るように見つめていた。

居心地の悪さを感じる。しかし、いきなり振り払うのはさすがにいけないと思ったので、刹那は目線を逸らしながら彼に体重を預けていることにした。



その態勢で30秒経過。

「・・・あの・・・」

いくらなんでも長すぎる。

男の熱すぎる視線と、周囲の好奇心を交えた突き刺さるような視線に耐えかねて、

刹那は怪訝そうに男の顔をみやる。



すると、男はとろけるような笑みを浮かべ、中世の騎士のごとく恭しく刹那の手をとった。



「失礼。ついつい君にみとれてしまっていてね」

「・・・は?」

思わず変な声を上げてしまう。

この男、頭でも打ったのか?

だが刹那が見る限り男の瞳は本気である、むしろ、



その瞳が本気すぎて逆に怖い。



「自己紹介が遅れたね。私の名前はグラハム・エーカー・・・」

いままで遭遇したことのないケースの対処に困り、固まっている刹那を尻目に、男は刹那の手を自分の口元に持っていく。呆然とし、ついつい振り払えなかった。



なにかが、音を立てて手の甲に押付けられる。

柔らかいもの。



口付け。









「君の存在に心奪われた男だ」



止めだった。

刹那の思考は、完全にフリーズ。

周囲の視線など、もはや気にならなくなるほどのセカンド・インパクト。



悪い冗談であって欲しい。しかし、男は相変わらず笑みを絶やさずこちらをじっと見つめている。



遠くで、無常なチャイムが聞こえる。

それが余韻を残し鳴り終わるころ、そこそこのギャラリーの前に刹那は思わず男の頬をひっぱたいていた。容赦なく。





朝の澄み渡った青空に、乾いた音はよく響いた。


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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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