OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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というわけでライルを殴ったろうと勢いで書き上げました。
ライ刹♀で皆基本的に兄貴が好きと言う話。
微妙に卑猥&ライルがやさぐれているので注意です。
あと、ライルへの扱いが少し酷いので注意(まあハムもそうですけど)(おい)
個人的に嫌いになりたくないので、今回は兄貴の影響力を軽く見ていたライルが、軽い気持ちでフェルトにピーしてしまったことにします。性的な目や、フェルトの兄貴への想いを知った上で見てたら・・・刹那受けとかそういうのは抜きでレッツパーティータイム★というなのフルボッコをしてしまいそうです脳内で・・・。
そこまで外道でないと信じたい。
ライルはちょっと腹黒でへたれでやんちゃなKYという位置づけにしておきます。兄貴と一緒の目で見るから駄目なんだよね・・・多分。
兄貴、アイルランドでジャガイモ畑耕していないでたらしな弟に説教して・・・(現実逃避)
ライ刹♀で皆基本的に兄貴が好きと言う話。
微妙に卑猥&ライルがやさぐれているので注意です。
あと、ライルへの扱いが少し酷いので注意(まあハムもそうですけど)(おい)
個人的に嫌いになりたくないので、今回は兄貴の影響力を軽く見ていたライルが、軽い気持ちでフェルトにピーしてしまったことにします。性的な目や、フェルトの兄貴への想いを知った上で見てたら・・・刹那受けとかそういうのは抜きでレッツパーティータイム★というなのフルボッコをしてしまいそうです脳内で・・・。
そこまで外道でないと信じたい。
ライルはちょっと腹黒でへたれでやんちゃなKYという位置づけにしておきます。兄貴と一緒の目で見るから駄目なんだよね・・・多分。
兄貴、アイルランドでジャガイモ畑耕していないでたらしな弟に説教して・・・(現実逃避)
「shadow」
「ロックオン・ストラトス」
プトレマイオスの探索にもいい加減飽き、割り振られた部屋に帰ろうとすると、鋭く突き刺すような視線と声がかかった。
扉の前で待っていたらしい刹那―男のような私服姿で気付かなかったが女性だった―は淡々としてはいるが射殺さんばかりに石榴石の瞳を細め、ロックオンを睨み付けてくる。
一瞬何か彼女の機嫌を損ねるようなことをしたか?と首を傾げると、刹那はふわりと壁に寄りかかっていた体を起こし、しなやかな動きでロックオンにつかみかかった。
*
マリナとの会話を終え、報告書を出しに行こうとすると、どんっと誰かの肩がぶつかった。
ムッとした顔をするもその華奢な体がよろけるのを見て、咄嗟に刹那が支えれば見慣れた桃色の髪が半重力の中ふわりと広がる。
「…フェルト?」
彼女の顔を覗きこめば、只でさえ色素の薄い白い顔が青ざめている。
ただならぬ様子に刹那が困っていると、フェルトが視線をすがるようにあげてきた。
いつもは気丈にモニターを見つめる翡翠の瞳が、僅かに濡れている。何かあったのは明確だった。
一先ず落ち着かせようと彼女の肩を抱え展望室に向かい、暖かい飲み物を手渡せば、ようやくフェルトの顔色に朱がさしほっとした。
「…なにかあったのか?」
基本的に刹那と同じく感情をあまり露にしないフェルトが取り乱すなんて、と少し驚きつつも問いかければ、カフェオレをちびちびと飲み始めたフェルトは少しだけ肩を震わした。
ようやく緩められた翡翠の瞳が、悲しみの海の色に沈んでいく。
「無理に話さなくてもいい…」
動揺した心を沈めるには。
うつむき傷ついたように視線をさ迷わせるフェルトの小さな肩を、刹那はそっと抱き締めた。
『人っていうのは、心音を聞くと落ち着くんだぜ?』
ロックオン…ニールがかつて身をもって教えてくれたこと。
刹那が優しく手を伸ばすと、フェルトは一瞬瞬きをした後、可憐な顔を歪めて堰を切ったように刹那の胸で泣き出した。
飲みかけのカフェオレが醒めた頃、声もかけられずただ刹那がぎゅっと折れそうな体を抱き締め続けていると、ようやくフェルトがぽつりぽつりとことの顛末を語りだしたのだ。
*
「そんで、お前さんはお怒りってわけ」
過保護なお姉さんって所かねぇ。
そう悪びれもなく冷めた笑顔で言う男に、腹のそこから怒りが沸き上がってくる。
モカブラウンの髪も、すっと通った鼻梁も、切れ長の湖色の瞳も何もかもが彼自身が生きてこの場にたっているんじゃないかと未だに錯覚してしまうくらいに似ていて、それだけに彼の思慮に欠けた行動が許せない。
「あまりフェルトを弄ぶな」
「おいおい、子供じゃねぇんだし余り過保護になるなよ。いーじゃねぇかあれくらい、スキンシッ」
「ふざけるな!」
成長しても幾分か体格差のある彼の胸ぐらをさらに力を込めて掴み、反省すり素振りも見せない彼がようやく顔をしかめた。
「あんたが何しようが関係ない。ただフェルトを遊び半分で弄ぶのはやめろ。フェルトは…あいつが、ニールの、ことが」
それだけ言って、刹那は視線を落とす。
フェルトだけではない。ティエリアにも、トレミーのクルーにも、そして、俺のことも。
あいつは大切に扱った。
優しさ、強さ、暖かさ…そして悲しみを心の奥底に遺していった。
それは4年前のことだから、と忘れるわけにもいかず彼への思いはマイスターに、クルーに根強く息づいている。
『私、最低なの。一瞬だけ、喜んだの。ああ、ロックオンが私に、キスしてるって…錯覚、してしまった…』
泣きじゃくりながら告白するフェルトの背中を撫でながら、刹那はふつふつと怒りが沸き上がっていた。
彼をことに想っていたフェルト。詳しい経緯はわからないが、彼女が誰よりも大切に彼を想っていた事ぐらい、感情に疎かった当時の刹那にもなんとなく察知できた。
そんな彼女の想いにあいつはつけこんだ…
こんなこと、誰も望んでいない!
泣きやみ、ふらつくフェルトを部屋に送った後、衝動のままにロックオンを待ち伏せしに、彼の部屋へと向かったのだ。
何かを言わないと、気がすまなかったのだ。
軽い殺意を込めて睨み付けると、相変わらずなんだかよくわからずに何処かふてくされた顔で刹那を見返していたロックオンが、ふと口角を上げた。
「つまり、俺にお優しい兄さんのふりをしていろと?」
「…っ!」
「あの子が物ほしそうに見てきたから、スキンシップのつもりでキスしただけなのにさ。大げさに騒ぐなよ。」
挑発するかのような物言いにかっと目の前が赤くなる。
だがロックオンはそんな刹那の様子を気にせず、冷えきった瞳で刹那を見下しながら言葉を続けた。
「自分で俺を勧誘しにきて、随分な物言いだな。代用品は代用品らしく、にこにこしてやがれってことだろ?」
「…っ違う!」
「俺は兄さんと生き別れてるんだ。お前らが求めてる兄さんがどんなのか知らねぇんだよ。それで一々傷ついた、って言われても困るし、迷惑だ。」
「黙れっ…」
苛立ちのこもった冷たい氷のような視線に刹那はうつむく。
怒りは相変わらず収まらない。だが掌の力は抜け、胸ぐらを掴んでいた手は力なくずり落ちる。
彼を代わりにしようと思ったのは事実だ。
だがロックオンは…ニールは、彼を隠し通してCBから遠ざけていたのだ。
そんな彼に、ライルに兄の遺志を継がせようとロックオンにさせる為にこの道に引き込んだのは、他ならぬ自分。
フェルトが傷ついたのも、元凶は刹那なのだ。
代用品が勝手なことをするな、と一方的にライルという人間を否定しているのも事実なのだ。
だが、それでもフェルトの中のニールを踏みにじり行為に及んだこの男が許せない。
しかし刹那が反論する前に、冷めた顔で見つめていたロックオンは、なにかくだらない悪戯を思い付いた子供のように意地悪く口元を歪めた。
「それともさ、」
思わず気の抜けていた刹那の肩をロックオンが掴んだ。
そのまま力を込めて押し、女性的と言うには些か筋肉質だが細身な体を壁に押し付けた。
思いもよらぬロックオンの行動に驚き、硬直している刹那の体に影が被さる。
抵抗しようとするも、男女では力の差が有りすぎる。
「もしかして、妬いてる?」
フェルトに。
くすりと笑うロックオン。
言っている意味がわからない。
そう言おうとする前に、煙草の香りが漂った。
その甘ったるい香りとは対照的に、冬の凍てついた湖の奥底のような深い青が刹那を捉える。
柔らかい髪が、顔に、首筋にかかる。
そして、唇に何かが重なった。
ひんやりとしたそれは刹那のかさついた唇にぴったりと吸い付いた。
右手が刹那の制服に潜り込み、大きくはないが小さくもない膨らみをとらえ撫で上げる。
石榴石の瞳を溢れんばかりに見開く刹那の顔に嗜虐心をそそられ、緩急をつけ胸を揉みあげれば、面白い位にぶるりと震え、刹那が喘ぐかのように口を開いた。
最初見た時には男かと思うぐらい色気なかったのに、艶っぽく無意識に泳がせる、宝石のような瞳に魅せられる。
こうしてみると、意外と上玉。
こいつが兄さんの本命か…?
彼女だけはロックオンを、…ニールとライルを、分けて考えている気がする。
恐らく彼女もフェルトと同じくニールが好きだったはずだ。並みならぬ殺気は、フェルトへの仕打ち以外にも違うものが含まれているけとくらい誰が見てもわかる。
ただ、違うのは。
彼女はライルにロックオンの影を見ているわけではなく、ニールという存在を胸の中で完結させているのだ。
でなければ淡々とニールの死を告げられる筈がない。
ティエリアやフェルトは拒絶とすがるようなものを視線のどこかに感じるが、こいつからは全く感じない。
面白い。
調子に乗ってその隙を見て舌を入れた。
刹那の体が電気ショックを受けたかのように硬直した。
その20過ぎとは思えない初な反応にさらに機嫌をよくし、胸を弄びながらキスを深くしていく。
熱い口内を舌で蹂躙し、固まる舌を絡めとろうとくちゅり、と音を立てた。
だが刹那が硬直していたのは一瞬だった。
石榴石の瞳が意思を取り戻し、きっと細められる。
そして、がりっという嫌な音がした。
途端に感じる痛みと、血の味。
「っと…」
その痛みに流石のロックオンも顔をしかめ、思わず唇を離せば、炎が揺らめくかのような赤と視線が合う。
そして間を持たず、風を頬に感じた。
パァンと廊下に音が響く。
数寸置いて感じる痛み。ようやくロックオンはそこで容赦なく彼女に殴られたことに気づいた。
「あまり、女をなめるなっ…!!」
溢れた血混じりの唾液を袖で拭い、刹那は頬を押さえるロックオンに背を向け、顔も見たくないとばかりに立ち去った。
刹那の背中と、一瞬かちあった視線に苦笑いしながら、ロックオンは痛む頬を押さえたまま扉によりかかり座り込んだ。
「なめんな、か…」
確かに女は怖いわ。
口の中でじんじんと痛む舌と鉄臭さに自嘲しながら、赤く腫れた頬をさする。
一応他人から見れば美形と分類される顔であることはうぬぼれではないが自覚している。
そんな顔を、女に容赦なくひっぱたかれたのは初めてかもしれない。
というか女の力とは思えないくらいに、痛むのだが。
「たく、宇宙まで来てなんでこんな目に合うんだか」
ため息を吐きながらロックオンは膝を抱え込む。
まあ今のは少しからかい過ぎた自覚はあるが。
しかしここの女共は冗談が聞かない、と呟きながら、ポケットから煙草を取り出した。
火をつけ、廊下に漂いだす紫煙をぼうっとながめる。
そういえば兄さんは煙草を吸っていたのだろうか。
きっとあいつらを気づかって吸わなかっただろう、と双子の勘で決めつけ煙を吐いた。
「じゃあ、お前は俺に何を求めてんだよ…」
熱い煙が傷ついた舌に痛みをもたらす。
どうしようもない苛立ちと不安を掻き消すように、ロックオンは煙草を吸い続ける。
灰がぼろり、と廊下に落ちた。
*
部屋に駆け込むと、刹那は急いで蛇口をひねり嗽をした。
血と煙草。ニールの味ではないそれを吐き出しそれでも足りなくてさらに嗽をし続ける。
ようやくそれを払拭できても、刹那をまさぐる手と、舌の感触に鳥肌がたった。
「違うっ…」
勢いよくベッドに倒れ込み、顔を枕に押し付けるも感触はなかなか消えない。
あのぬめる熱い舌も、刹那の胸を触る形のよい手も、全てあの男と一緒なんて、
そこまで考え、刹那は頭を振る。
あいつはニールじゃない。
ロックオンだけど、ライル・ディランディだ。
そう、わかっていたはずなのに。
アイルランドで、彼と出会ってから分けていたはずなのに。
一瞬体が、ニールだと喜びの声を上げたのだ。
「…違うのに…」
ぽたり、ぽたり、と枕に染みが出来る。
フェルトの為にと向かったのに。
何故こんなにも動揺している自分がいる?
何故体は彼に触れられた瞬間、歓喜の声を上げ鼓動を早める?
「ニ、ール…」
シーツをぎゅっと掴む。
なあ、あんたはどうして逝ってしまった?
ライルを引き込みあんたの遺志を押し付けた罰なのか?
暗い室内で、刹那は嗚咽を溢さず、黒い涙の染みを枕に広げることしか出来なかった。
この後泣きはらしたフェルトと刹那を見て、ティエリア♀がさらにビンタを反対の顔にかまします。
イアンさんにも殴られると思います。
皆兄貴の影の元に苦悩して、戦っていくんじゃないかな・・・ライルも、刹那もフェルトもティエリアも。
「ロックオン・ストラトス」
プトレマイオスの探索にもいい加減飽き、割り振られた部屋に帰ろうとすると、鋭く突き刺すような視線と声がかかった。
扉の前で待っていたらしい刹那―男のような私服姿で気付かなかったが女性だった―は淡々としてはいるが射殺さんばかりに石榴石の瞳を細め、ロックオンを睨み付けてくる。
一瞬何か彼女の機嫌を損ねるようなことをしたか?と首を傾げると、刹那はふわりと壁に寄りかかっていた体を起こし、しなやかな動きでロックオンにつかみかかった。
*
マリナとの会話を終え、報告書を出しに行こうとすると、どんっと誰かの肩がぶつかった。
ムッとした顔をするもその華奢な体がよろけるのを見て、咄嗟に刹那が支えれば見慣れた桃色の髪が半重力の中ふわりと広がる。
「…フェルト?」
彼女の顔を覗きこめば、只でさえ色素の薄い白い顔が青ざめている。
ただならぬ様子に刹那が困っていると、フェルトが視線をすがるようにあげてきた。
いつもは気丈にモニターを見つめる翡翠の瞳が、僅かに濡れている。何かあったのは明確だった。
一先ず落ち着かせようと彼女の肩を抱え展望室に向かい、暖かい飲み物を手渡せば、ようやくフェルトの顔色に朱がさしほっとした。
「…なにかあったのか?」
基本的に刹那と同じく感情をあまり露にしないフェルトが取り乱すなんて、と少し驚きつつも問いかければ、カフェオレをちびちびと飲み始めたフェルトは少しだけ肩を震わした。
ようやく緩められた翡翠の瞳が、悲しみの海の色に沈んでいく。
「無理に話さなくてもいい…」
動揺した心を沈めるには。
うつむき傷ついたように視線をさ迷わせるフェルトの小さな肩を、刹那はそっと抱き締めた。
『人っていうのは、心音を聞くと落ち着くんだぜ?』
ロックオン…ニールがかつて身をもって教えてくれたこと。
刹那が優しく手を伸ばすと、フェルトは一瞬瞬きをした後、可憐な顔を歪めて堰を切ったように刹那の胸で泣き出した。
飲みかけのカフェオレが醒めた頃、声もかけられずただ刹那がぎゅっと折れそうな体を抱き締め続けていると、ようやくフェルトがぽつりぽつりとことの顛末を語りだしたのだ。
*
「そんで、お前さんはお怒りってわけ」
過保護なお姉さんって所かねぇ。
そう悪びれもなく冷めた笑顔で言う男に、腹のそこから怒りが沸き上がってくる。
モカブラウンの髪も、すっと通った鼻梁も、切れ長の湖色の瞳も何もかもが彼自身が生きてこの場にたっているんじゃないかと未だに錯覚してしまうくらいに似ていて、それだけに彼の思慮に欠けた行動が許せない。
「あまりフェルトを弄ぶな」
「おいおい、子供じゃねぇんだし余り過保護になるなよ。いーじゃねぇかあれくらい、スキンシッ」
「ふざけるな!」
成長しても幾分か体格差のある彼の胸ぐらをさらに力を込めて掴み、反省すり素振りも見せない彼がようやく顔をしかめた。
「あんたが何しようが関係ない。ただフェルトを遊び半分で弄ぶのはやめろ。フェルトは…あいつが、ニールの、ことが」
それだけ言って、刹那は視線を落とす。
フェルトだけではない。ティエリアにも、トレミーのクルーにも、そして、俺のことも。
あいつは大切に扱った。
優しさ、強さ、暖かさ…そして悲しみを心の奥底に遺していった。
それは4年前のことだから、と忘れるわけにもいかず彼への思いはマイスターに、クルーに根強く息づいている。
『私、最低なの。一瞬だけ、喜んだの。ああ、ロックオンが私に、キスしてるって…錯覚、してしまった…』
泣きじゃくりながら告白するフェルトの背中を撫でながら、刹那はふつふつと怒りが沸き上がっていた。
彼をことに想っていたフェルト。詳しい経緯はわからないが、彼女が誰よりも大切に彼を想っていた事ぐらい、感情に疎かった当時の刹那にもなんとなく察知できた。
そんな彼女の想いにあいつはつけこんだ…
こんなこと、誰も望んでいない!
泣きやみ、ふらつくフェルトを部屋に送った後、衝動のままにロックオンを待ち伏せしに、彼の部屋へと向かったのだ。
何かを言わないと、気がすまなかったのだ。
軽い殺意を込めて睨み付けると、相変わらずなんだかよくわからずに何処かふてくされた顔で刹那を見返していたロックオンが、ふと口角を上げた。
「つまり、俺にお優しい兄さんのふりをしていろと?」
「…っ!」
「あの子が物ほしそうに見てきたから、スキンシップのつもりでキスしただけなのにさ。大げさに騒ぐなよ。」
挑発するかのような物言いにかっと目の前が赤くなる。
だがロックオンはそんな刹那の様子を気にせず、冷えきった瞳で刹那を見下しながら言葉を続けた。
「自分で俺を勧誘しにきて、随分な物言いだな。代用品は代用品らしく、にこにこしてやがれってことだろ?」
「…っ違う!」
「俺は兄さんと生き別れてるんだ。お前らが求めてる兄さんがどんなのか知らねぇんだよ。それで一々傷ついた、って言われても困るし、迷惑だ。」
「黙れっ…」
苛立ちのこもった冷たい氷のような視線に刹那はうつむく。
怒りは相変わらず収まらない。だが掌の力は抜け、胸ぐらを掴んでいた手は力なくずり落ちる。
彼を代わりにしようと思ったのは事実だ。
だがロックオンは…ニールは、彼を隠し通してCBから遠ざけていたのだ。
そんな彼に、ライルに兄の遺志を継がせようとロックオンにさせる為にこの道に引き込んだのは、他ならぬ自分。
フェルトが傷ついたのも、元凶は刹那なのだ。
代用品が勝手なことをするな、と一方的にライルという人間を否定しているのも事実なのだ。
だが、それでもフェルトの中のニールを踏みにじり行為に及んだこの男が許せない。
しかし刹那が反論する前に、冷めた顔で見つめていたロックオンは、なにかくだらない悪戯を思い付いた子供のように意地悪く口元を歪めた。
「それともさ、」
思わず気の抜けていた刹那の肩をロックオンが掴んだ。
そのまま力を込めて押し、女性的と言うには些か筋肉質だが細身な体を壁に押し付けた。
思いもよらぬロックオンの行動に驚き、硬直している刹那の体に影が被さる。
抵抗しようとするも、男女では力の差が有りすぎる。
「もしかして、妬いてる?」
フェルトに。
くすりと笑うロックオン。
言っている意味がわからない。
そう言おうとする前に、煙草の香りが漂った。
その甘ったるい香りとは対照的に、冬の凍てついた湖の奥底のような深い青が刹那を捉える。
柔らかい髪が、顔に、首筋にかかる。
そして、唇に何かが重なった。
ひんやりとしたそれは刹那のかさついた唇にぴったりと吸い付いた。
右手が刹那の制服に潜り込み、大きくはないが小さくもない膨らみをとらえ撫で上げる。
石榴石の瞳を溢れんばかりに見開く刹那の顔に嗜虐心をそそられ、緩急をつけ胸を揉みあげれば、面白い位にぶるりと震え、刹那が喘ぐかのように口を開いた。
最初見た時には男かと思うぐらい色気なかったのに、艶っぽく無意識に泳がせる、宝石のような瞳に魅せられる。
こうしてみると、意外と上玉。
こいつが兄さんの本命か…?
彼女だけはロックオンを、…ニールとライルを、分けて考えている気がする。
恐らく彼女もフェルトと同じくニールが好きだったはずだ。並みならぬ殺気は、フェルトへの仕打ち以外にも違うものが含まれているけとくらい誰が見てもわかる。
ただ、違うのは。
彼女はライルにロックオンの影を見ているわけではなく、ニールという存在を胸の中で完結させているのだ。
でなければ淡々とニールの死を告げられる筈がない。
ティエリアやフェルトは拒絶とすがるようなものを視線のどこかに感じるが、こいつからは全く感じない。
面白い。
調子に乗ってその隙を見て舌を入れた。
刹那の体が電気ショックを受けたかのように硬直した。
その20過ぎとは思えない初な反応にさらに機嫌をよくし、胸を弄びながらキスを深くしていく。
熱い口内を舌で蹂躙し、固まる舌を絡めとろうとくちゅり、と音を立てた。
だが刹那が硬直していたのは一瞬だった。
石榴石の瞳が意思を取り戻し、きっと細められる。
そして、がりっという嫌な音がした。
途端に感じる痛みと、血の味。
「っと…」
その痛みに流石のロックオンも顔をしかめ、思わず唇を離せば、炎が揺らめくかのような赤と視線が合う。
そして間を持たず、風を頬に感じた。
パァンと廊下に音が響く。
数寸置いて感じる痛み。ようやくロックオンはそこで容赦なく彼女に殴られたことに気づいた。
「あまり、女をなめるなっ…!!」
溢れた血混じりの唾液を袖で拭い、刹那は頬を押さえるロックオンに背を向け、顔も見たくないとばかりに立ち去った。
刹那の背中と、一瞬かちあった視線に苦笑いしながら、ロックオンは痛む頬を押さえたまま扉によりかかり座り込んだ。
「なめんな、か…」
確かに女は怖いわ。
口の中でじんじんと痛む舌と鉄臭さに自嘲しながら、赤く腫れた頬をさする。
一応他人から見れば美形と分類される顔であることはうぬぼれではないが自覚している。
そんな顔を、女に容赦なくひっぱたかれたのは初めてかもしれない。
というか女の力とは思えないくらいに、痛むのだが。
「たく、宇宙まで来てなんでこんな目に合うんだか」
ため息を吐きながらロックオンは膝を抱え込む。
まあ今のは少しからかい過ぎた自覚はあるが。
しかしここの女共は冗談が聞かない、と呟きながら、ポケットから煙草を取り出した。
火をつけ、廊下に漂いだす紫煙をぼうっとながめる。
そういえば兄さんは煙草を吸っていたのだろうか。
きっとあいつらを気づかって吸わなかっただろう、と双子の勘で決めつけ煙を吐いた。
「じゃあ、お前は俺に何を求めてんだよ…」
熱い煙が傷ついた舌に痛みをもたらす。
どうしようもない苛立ちと不安を掻き消すように、ロックオンは煙草を吸い続ける。
灰がぼろり、と廊下に落ちた。
*
部屋に駆け込むと、刹那は急いで蛇口をひねり嗽をした。
血と煙草。ニールの味ではないそれを吐き出しそれでも足りなくてさらに嗽をし続ける。
ようやくそれを払拭できても、刹那をまさぐる手と、舌の感触に鳥肌がたった。
「違うっ…」
勢いよくベッドに倒れ込み、顔を枕に押し付けるも感触はなかなか消えない。
あのぬめる熱い舌も、刹那の胸を触る形のよい手も、全てあの男と一緒なんて、
そこまで考え、刹那は頭を振る。
あいつはニールじゃない。
ロックオンだけど、ライル・ディランディだ。
そう、わかっていたはずなのに。
アイルランドで、彼と出会ってから分けていたはずなのに。
一瞬体が、ニールだと喜びの声を上げたのだ。
「…違うのに…」
ぽたり、ぽたり、と枕に染みが出来る。
フェルトの為にと向かったのに。
何故こんなにも動揺している自分がいる?
何故体は彼に触れられた瞬間、歓喜の声を上げ鼓動を早める?
「ニ、ール…」
シーツをぎゅっと掴む。
なあ、あんたはどうして逝ってしまった?
ライルを引き込みあんたの遺志を押し付けた罰なのか?
暗い室内で、刹那は嗚咽を溢さず、黒い涙の染みを枕に広げることしか出来なかった。
この後泣きはらしたフェルトと刹那を見て、ティエリア♀がさらにビンタを反対の顔にかまします。
イアンさんにも殴られると思います。
皆兄貴の影の元に苦悩して、戦っていくんじゃないかな・・・ライルも、刹那もフェルトもティエリアも。
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この記事にコメントする
「shadow」の感想です。
初めてコメントを入れます。予告のワンシーンだけで、此処まで話が書けてしまう事に驚きました。私もライルを一発殴りたくなったのに一票でしたから、感想と小説を読んで少し安心したというのは、変だと思いますが、すっきりしました。図々しいかもしれませんが、相手がティエリア♀だった場合は、どうなっていたのでしょうか?家政婦は、見た的な予告シーンだったので機会があったら。それから最後に学園小説は、ギャグもシリアスもおもしろいです。
感想有難うございます!
初めまして葉桜様、「shadow」の感想を有難うございます・・・!
元々ライルに対して刹那が怒る、という話を元々考えていたので、予告を見て「これは一発刹那に殴らせねば!」とおもって一気に書き上げました(笑)なので4話もまだで凄く妄想症説になってしまいました・・・
すっきりしていただけましたでしょうか?(笑)今の時点の私の考えを一気にまとめた小説なので、ライルに対する考えがまだまとまっていなくてライルがセクハラ魔みたいになってしまいましたが・・・ライルはロックオン・ストラトスでもあるけど独りの人間で、これからニールの影につきまとわれるのかなと思って書きました。
相手がティエリア♀バージョンもいつか書いて見たいです。あの予告は、ティエリアがライフェルのキスシーンをみた、ということなのでしょうか・・・?もしそうだったらティエは容赦なく制裁下しそうですよね(笑)明日が4話なので、視聴してからティエリアバージョンも書いて見たいです!
学園は更新が止まっていてすみません・・・!シリアスとギャグのテンションの落差が激しいのですが、面白いといっていただけて嬉しくもあり安堵しました・・・!あともう一息なので、早く完結させたいです。最後まで見ていただけたらと・・・!
本当にコメント有難うございました!
元々ライルに対して刹那が怒る、という話を元々考えていたので、予告を見て「これは一発刹那に殴らせねば!」とおもって一気に書き上げました(笑)なので4話もまだで凄く妄想症説になってしまいました・・・
すっきりしていただけましたでしょうか?(笑)今の時点の私の考えを一気にまとめた小説なので、ライルに対する考えがまだまとまっていなくてライルがセクハラ魔みたいになってしまいましたが・・・ライルはロックオン・ストラトスでもあるけど独りの人間で、これからニールの影につきまとわれるのかなと思って書きました。
相手がティエリア♀バージョンもいつか書いて見たいです。あの予告は、ティエリアがライフェルのキスシーンをみた、ということなのでしょうか・・・?もしそうだったらティエは容赦なく制裁下しそうですよね(笑)明日が4話なので、視聴してからティエリアバージョンも書いて見たいです!
学園は更新が止まっていてすみません・・・!シリアスとギャグのテンションの落差が激しいのですが、面白いといっていただけて嬉しくもあり安堵しました・・・!あともう一息なので、早く完結させたいです。最後まで見ていただけたらと・・・!
本当にコメント有難うございました!

FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
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管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
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CATEGORIES