OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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記憶喪失の続きです。今回はシリアス。
グラ刹ですがロク刹前提で心なしかロク←ティエ。
兄貴はもう二期ではみなの心に根付きすぎだと思います。年少組にとっては絶大な影響を与えていきましたよね・・・
あ、ちなみに兄貴の死亡シーンは脳内でモザイクが強制的に掛かりました。受け入れてはいるけど・・・実際には見たくないのです。
グラ刹ですがロク刹前提で心なしかロク←ティエ。
兄貴はもう二期ではみなの心に根付きすぎだと思います。年少組にとっては絶大な影響を与えていきましたよね・・・
あ、ちなみに兄貴の死亡シーンは脳内でモザイクが強制的に掛かりました。受け入れてはいるけど・・・実際には見たくないのです。
「成る程、そういう経緯があったのか…」
依然態度は変わらず温度を持たぬ視線に蛇に睨まれた蛙のごとく縮こまりそうになりながらも、刹那は報告書を読み終えた同僚に頭を上げることが出来なかった。
あの後細身な体のどこにあんな力があるのか、という位の勢いでグラハムと引き剥がされ、彼の目の前で報告書を正座で書かされるという拷問を受けたのだ。
何時も苛立っているように見えるティエリアだが、本当に怒らせると凄みがあり、とてつもなく恐ろしいことにようやく気づいた。
銃を突きつけられた時も、背後から撃つと言われた時もここまで恐怖は感じなかった。
「しかしユニオン兵を捕虜にするでもなく連れてくる等、君は相変わらず何を考えているかわからない」
ティエリアの報告書にはグラハムは宇宙を漂っている所を保護した一般兵、と虚偽を書いたが、それでも敵であるユニオンを助けるということは常軌を逸脱していることに変わりはない。
正直、自分でもどうかしていたとしか思えない。
「…そうだな」
否定出来ず項垂れて呟けば、ティエリアは眉宇をひそめ刹那を見つめてきた。
「…衝動で助けた、とでもいうのか」
ティエリアの懸念は当然だろう。
刹那の行動には確かに衝動的なものが多かったが、そこには必ず理由があった。ハッチを開いたのもアリーであることを確認する為であったし、トリニティに襲いかかったのもガンダムの利用方法を履き違えたものだったからだ。当時は到底理解しえなかったものでも、今となってはわかる。
だが報告書にくまなく目を通しても理由については明記されておらず、ティエリアとしては納得できなかった。
「わからない。だが、気づいた時には手を伸ばしていた…それだけだ」
「アレルヤ・ハプティズムのような人命救助の為か?だがあの男以外にも死者は…」
「それとも違う」
ティエリアの指摘に緩く頭を降った。アレルヤの行動は完全なる善意によるものだが、刹那の場合とはそれともまた違う気がした。
アレルヤのような無償の優しさは持ち合わせていない。
自分でもよくわからないのだ。
敵であり、自分を、ガンダムを打ち砕こうと突っ込んできた相手を救う等。
許せないはずなのに。
不意に宇宙に漂う白いパイロットスーツが目に浮かんだ。
放置しておけば爆発に巻き込まれてその四肢は跡形もなくなるだろうし、もし逃れたとしても広大な宙を無限に漂い続けることになっただろう。
しかし刹那は彼の手を掴んだ。
あの姿を、ゆっくりと落ちていき、光に呑まれたロックオンと重ねたからだろうか?
助けられなかった彼の代わりに敵を助け、何になる?
何もかもがロックオンとは違うというのに。ロックオンと重ねようもない人間なのに。
あいつの代わりに助けて、少しでも罪の意識を消そうとしていたのか?
「…やはりわからないな、人間は」
うつむき自問自答を続ける刹那を見て吐息をつくと、ティエリアはなげやりに報告書の束を机に放り投げた。
「君は只でさえ理解し難い存在なのに、君自身でさえ理由がなければもう俺には理解不能だ。
それに対象が記憶喪失なんて 、出来すぎている。演技の可能性は?」
「あいつと数日関わってみろ。俺もそう疑ったが馬鹿馬鹿しくなってきた」
「…確かに」
先程のグラハムの様子に初対面だったにも関わらずティエリアも苦い顔になった。
あれが真っ白となったグラハムの素であることは、誰の目から見ても明白だった。翠玉の瞳は正常な輝きを放ち、何よりもあんなにも上手く寝起きを演技できる人間はそうそういない。
「知識、言語、一般教養はあるが生い立ちに関する一切の記憶がない。外見こそ大人だが子供のようなものだ」
「了解した。この件については捕虜捕縛というより人命救助に値するだろう。」
だが、とほうっと息をはいた刹那を見据えつつティエリアは眼鏡を外した。ピジョンブラッドの鮮烈な瞳が現れ、刹那の奥底を見透かすように射抜く。
「君は何時までままごとを続けるつもりだ。」
突きつけられる言葉と温度のない視線に、刹那は息をのんだ。
「いくら記憶を失っていたとはいえ、あれはユニオンの人間だ。ヴェーダが何者かに掌握された今となっては機密保持はさして意味がないが、君という存在を不用意に相手に知られるわけにもいかない。それに、脳の構造は複雑だ。いつ失われた記憶が戻るかわからない」
ティエリアのいうことは正論である。刹那とて、この生活が何時までも続くなんて最初から思っていない。
むしろ拾った直後の方がよほど覚悟はあったかもしれない。
だが知らず知らずこの問題を先送りにしていた自分に否応なしに気づかされ、刹那はなにも言えずにティエリアの糾弾を受け続けた。
「彼は民間人ではない、軍人だ。CBに恨みの一つや二つはあるだろう。どちらにしろCBが再起すれば、いずれ君達の生活は破綻する。」
「…そんなこと、わかっている」
「わかっていない!」
ティエリアの拳がどんっとガラステーブルに叩きつけられる。
その衝撃で報告書の束が崩れ、何枚かがはらりと宙を舞った。
「君は何がしたいんだ?爆弾のようなあの男を手元に置き、報告もしないで放置するなんて…君は満足かもしれないな、あの男とままごとのような平和ごっこをして。さぞかし偽りの幸せは甘美なのだろう」
「…ッ!」
容赦のない言葉に刹那は反論しようとするも、すくりと立ち上がり見下してくるティエリアは反論を許さず言葉を続けてくる。
こちらに負い目を感じさせるほど真っ直ぐ、凛とした視線で。
「だが君は組織の一員…ガンダムマイスター刹那・F・セイエイだ!
君の身に万が一の事があれば、CBの行動に、トレミーのクルーに影響が出る。戦力がただてさえ不足しているんだ…アレルヤ・ハプティズムも、ロックオン・ストラトスもいない今」
ロックオンとかつての仲間の名を口に出した瞬間、ティエリアが責任感と冷徹さで塗り固めた瞳の奥底から、一瞬哀惜が覗いた。
現状は芳しくない。クルーさえ不足しているというのに要のガンダムマイスターは二人しかいないのだ。一人でも減れば大打撃になる。
それだけではない。ティエリアは口に出しさえしないが、仲間…特にロックオンの喪失は彼に深い傷を与えた。
志半ばで散った彼等の想いを受け継ぐ為にも、そして…もう仲間を失いたくないという想い。
かつてのように単なる任務に忠実な戦力としてではなく刹那を見ているのが、厳しい口調から伝わってくる。
刹那も、同じ想いを抱いているのだから。
「…再起に時間はかかるが、それでもすぐに始まる。元に、世界はまた歪み始めた。」
「…わかっている。それを正すのが俺達…ガンダム、そして」
「そう、CBだ。だから、早く目を覚ませ、刹那。」
ティエリアが無慈悲にいい放つ。
その表情はかつての人間のような無表情ではなく、悲壮な決意があった。
一先ずもう一度CTスキャンを念為にとり、こいつの処分について君なりの判断を下せ。
そう言葉を残し、ティエリアは宇宙へと帰った。
以前なら有無を言わせずグラハムを抹殺しかねない男が、随分と変わったものだ。
「いつの間にか、強くなったんだな」
周囲が任務を完遂出来ずに苛立ちをつのらせる姿も、ロックオンを失い涙に明け暮れていた姿も嘘のようだ。
同僚のいつの間にか成長した姿に、刹那は自分に対する落胆を感じてさえいた。
いつかは崩れ去るだろう偽りの幸せに、何故うつつを抜かしてしまったのだろうか。
仮にグラハムが記憶を取り戻さなかったとしても、別離は免れないのだから。
頭の隅では気づいていた事実を見知らぬふりしていた自分に情けなさを感じつつも、刹那はグラハムの姿を思い浮かべる。
辛いことも悲しみも、戦いさえも全てを忘れて、彼と過ごす温湯のような時間に、こんなにも安らぎを感じていたことに今更気づいたのだ。
それは、ロックオンとかつて過ごした休暇のような、優しい時間によく似ていることも。
何も知らず刹那に依存せざるをえない彼に、ロックオンを重ねようとしていた自分に絶望さえ感じた。
本当に依存し、現状に目をそらし続けていたのは刹那の方だったのだ。
最低だ。
ティエリアにも、ロックオンにも、そして…そんな愚かな策略を知るよしもないグラハムに対しても、刹那は最低な行為をしていたのだ。
「刹那!」
暗い気持ちを抱えてドアを開ければ、目の前にふわりと金色が広がった。
何時ものようなグラハムの抱擁。
だが何時ものようにそれを煩わしそうに受けるでもなく、刹那は無抵抗に受け入れた。
突き放さないと。
だがそれも出来ずに刹那は項垂れる。
ほら、こうして結局は甘受してしまう自分がいるのだ。
無垢なる無償の愛を、かつて傍で同じように愛を注いでくれた人に重ねて。
最低だ。
なんて愚かな人間なんだ。
だが頬を擦り寄せ、惜しみなく温かさを伝えてくるグラハムを、結局振り払うことはできずにただ項垂れて立ち尽くすだけだった。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
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管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
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