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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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ロク刹の23話派生です。
これ以上にいうことは・・・ううっ・・・



追記です。
なぜか非公開になってて一時間ほど見れませんでした・・・
更新板に書いたにも関わらず、非表示されていました。
修正までの間に来訪してくださった方に深くお詫びいたします。







星の光、今日はやけに眩しく見えた。
いや、
君が残した粒子の軌跡の方が、眩しかった。










ひかりが











トランザムを発動し、進む。
急げ、急げ!
かつてのエクシアでは到底出せない速度で進んでいるというのに、いつまでたってもレーダーのポイントにたどり着けず、イライラとコックピットを前のめりになった。
星明かりがすじになり、猛スピードで過ぎ去って行く。だが、まだ足りない。もっと周囲が見えなくなるくらい、早く、早く!
こうしている間にも、デュナメスは、・・・彼は、傷ついているのだ。
コックピット付近まで穴が開き、闇を漂うデュナメスの姿が蘇る。
もう、あんな姿を見たくはない。

大体周りを心配させるな、と口を酸っぱくしていってたのはあいつじゃないか。
殴り飛ばし、偉そうに説教し、その後髪が鳥の巣になるまで掻き回したのは、お前じゃないか。


『これだけは約束しろ、刹那』
そう言って、彼は澄みきった湖の色で刹那を見つめてきた。
『今度馬鹿したら一発殴る。プラスアルファ、ちゅーする』
『ん、んぐ?!』
怒っているというのに、慈しむような穏やかさを孕んだ瞳に見惚れていたら、不
意に唇に生暖かいものが押し付けられた。
酸素を求め思わず口を開いた刹那の口内を好き勝手に這いずりまわり、膝の力が
抜けたころ、ようやく離された。倒れそうになる刹那を支え、にかっと笑う。

『こんな風にな。』
『~っ!!何を・・・!』
『嫌だったら、無茶はしないこった。俺の寿命縮めんな。あ、でもちゅーできるならいいかな』
『は!?』

そうへらへら笑う男をきっと睨みつけると、ロックオンが不意に真面目な顔になり、刹那の体に手を伸ばされた。

『お前はきかんぼうだからな。いっとくが・・・いいぜ、何回お前が無茶しても、俺が援護する。何回でもな!
・・・文句言われたって、お前を守る。そんで何回も殴って、キスして。そんでまたお前が無茶しても、馬鹿なことしても・・・
お前がやめるまで、一生続けてやる。』

だから覚悟しな。
そう耳元で呟かれ、ぎゅっと抱き締められる。パイロットスーツごしなのだから熱は感じないはずなのに、温かさが伝わり、刹那の心に染み透っていくのがわかった。

『死なせやしない、絶対に。』

密着する体。聞こえないけど、何処からか聞こえる優しい鼓動。
その温かさを、優しさを、俺はいつの間にか当然のものと思っていた。


でもやっぱりこれ以上俺のストレス増やすな、と矛盾したことを言われ、あの後指切りされた。

『約束』

そう綺麗に微笑まれた。
春の日差しのような、慈しむような優しい笑顔。
硝煙と腐臭と血にまみれたクルジスでは決して見ることのなかった、無条件に注がれる光のような、愛。
そしてそれは、戦争の道具には必要ない、と真っ先に消された刹那の笑顔を引き出してくれた。
果たして約束したのは、無茶をするなということなのか、死なせないということなのか。



そして立場は今、逆転している。
あのときお前は約束した。
無茶するなと。
死なせないと。
互いに指を交わし、誓った。
ならば、俺にもその義務がある。

ようやくレーダーの点に近づいてきた。トランザムが消え、のろのろとしたスピードになったエクシアに苛立ちを感じる。

お前は死なせない。
今度は俺がお前を殴って、噛みつくようなキスをしてやる。
そして驚くあいつに、思い出した笑顔と共にあいつがいつも偉そうに言ってた言葉をそっくりそのまま返してやる。

アリー・アル・サーシェスへの憎しみは同じだ。だが俺は、こんなことを望んでははいない。





レーダーのポイント。
「・・・!?」
はやる心で星屑を避けると、予想していたデュナメスの姿はなく、モニターに写し出されたのは巨大な穴がぽっかり開き、大破しているGNアームズ、そして、生体反応。
「ロックオン!」
倍率があげられたモニターに写るのは、身動き一つしない緑のパイロットスーツ姿。
ダイヤモンドがぶちまけられたような星空の中、ロックオンはゆっくり、ゆっくりと下降していく。


約束。
あの時、確かに交わした。ロックオンに差し出し、絡めた小指が、熱く焼けるように痛む。

何処か光のない世界にでも導かれるかのようなロックオンの姿を見た瞬間、刹那はエクシアのレバーを引いていた。

無茶はするなと言った。
なのに、人のことを尻目にお前は平気でする。
ティエリアをかばった時も、今も。
人には怒る癖に、殴る癖に、何故平気で破るんだ。

トランザム発動後で、エクシアのスピードは思うように出ない。だが刹那は、必死で米粒のようなロックオンの姿に手を伸ばした。
それは夜空の星を掴もうとするかのように実体がなく、もどかしい。
届け!
エクシアが、コックピットの中の刹那が懸命に手を伸ばした。
ロックオンに通じたのだろうか。いまだ小さいが、急速に大きくなるモニター越しのロックオンが手を伸ばす。
だが、その時GNアームズが耐えきれなくなり、星の最後のような光を放った。
暗かった、ロックオンだけを写していたモニターが、明るくなり、白くなり。

そして・・・










自らの死期を悟り、宙を漂っていたロックオンは上空に緑の光の軌跡を見た。
「刹那」

無茶ばかりして、きかんぼうで、愛想悪くて。
それでも意思だけは強くて、扮装根絶を信じ、敵陣に一人突っ込んでいく。
その真っ直ぐさが羨ましくて、復讐に生きる自分とは違う高潔さを妬み、そして
その姿が・・・どうしようもなく好きだった。

銃を向けた時も、決して揺らぐことがなく理念を託そうとした少年。
そしてその後浮かべた、笑みとも言えない、でも刹那なりには精一杯だっただろ
う笑顔。

白く輝くエクシアのコックピットにいるだろう少年に、無意識に手を伸ばしてい
た。

なあ刹那、約束覚えてるか?
エイミーの生前以来していなかった指切りにおずおずからめられた、まだ小さい指の感触が思い出された。
いつも兄貴面をしていて、あの時偉そうな顔で言ってやったけど・・・あれは俺の甘えだったんだ。
強く、真っ直ぐ前しかみずに走り出すお前を、約束という名の鎖でただ縛り付け
ておきたかっただけなんだ。
お前は、この歪んだ世界と、私欲にまみれた汚い俺をも照らす、光だったから。
お前といると汚さも光で飛んで、共に純粋に扮装根絶を願えるような気がした。
甘えていたんだ。


刹那
お前は悲しんでくれるか?
仇もとりきれず、扮装根絶もできず、前にもいけず闇に葬られるだろう俺を・・
・ロックオン・ストラトスを。
でも、最後にこうして手を伸ばしてくれているのが、どうしようもなく嬉しい。
約束、勝手に消してごめん。
そして、もひとつ最後にこちらから勝手に約束させて。



本当の平和を
第二のニール・ディランディを出さないような世界を



光であるお前に・・・















モニターが正常に戻った時、輝いていた生体反応が、消え去っていた。
スピーカーからは、絶え間なくハロがロックオンの名を呼んでいる。
認めたくない。
しかし、リアルは無慈悲に突きつけてきた。



目に痛いばかりの、冷たい星明かりはいらない。
欲しいのは、あの優しい光。
だがそれは、消え去ってしまった。刹那の目の前で。

小指が、冷える。氷のように。
事態を理解しきる前に、気付けばヘルメットの中に、子供以来抹消された水の粒が飛んでいた。




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