SS？

ハムを必死に記憶喪失させようとしたら刹ハム刹になりそうな気がしました。
とりあえずせっちゃんはハムと共に記憶喪失してないと助けそうもないですよね（酷）
とりあえず最終決戦はせっちゃんがなんとか勝ちましたな妄想。


あと追記ですが拍手返信できてなくてすみません･･･！
怠け癖がついてしまったり私生活や原稿のほうで滞っております。
明日にでも･･･！いつも拍手ぽち押し＆コメ有難うございます･･･！

規則正しい機械音、点滴が雫をぽつりぽつりと落ち、管を伝っていく。
沢山の管に体を繋がれ、眠る男を刹那はただ見下ろしていた。
刹那の赤い瞳はその男に対する親愛からくる心配でも、これまでに対する怒りでもなく、ただ静かに、扱いに困惑した視線を注いでいた。猫を拾ったはいいが親に許可されず、どうするべきかと呆然とした子供のように双眸を向けていた。
太陽の光を紡ぎ糸にしたような金髪は白いシーツに広がり、象牙のような肌は青白く、よく動いていただろう形の良い唇は閉ざされたまま数週間がたった。
何故この男を助けたのだろう。
擬似太陽炉をフラッグにつみ、流れ星のように突如襲いかかった男を僅差で撃ち破り、エクシアの損傷率が激しくさっさと背を向け帰投しようとした瞬間、モニターが何かを拡大した。
パイロットらしき男が爆発の衝撃に飛び出したのか、底無しに黒い宇宙の中浮遊していくのが見えた。
ボロボロのフラッグは電流を機体に走らせ、今にでも爆発しそうだった。

脳裏に、同じような光景が写し出された。
ゆっくりと、闇色をした手に絡めとられるように落ちていくロックオン。
刹那を許し、答えを見つけると地球に降りた刹那の背を押してくれた、優しい人。
そして、守れなかった者。

気づいたら、刹那はエクシアの手を伸ばし惰性で流れていこうとした白いパイロットスーツを掴んでいた。

潰さない程度に、だが速度に耐えられるように掴み、高速旋回しフラッグに背を向けた。
その瞬間、激しい爆発と爆風、そして赤の粒子が暗い筈の世界を、一斉に彼岸花が咲いたように染め上げた。


この男はロックオンではない。
未だ眠る彼を見つめながら、幾度となく自分に言い聞かせた。
何よりこの男は歪みだ。
世界の歪みの根元をわかっていながら自らの快楽を世界の声と称し剣を向けてきた。
お互い敵同士であるし、交わらない道を互いに進んでいる。ここで助けても、どうせ敵になる。
何より彼を助けたことで、ロックオンに対する悔恨も罪悪感も消えるはずがない。

意味がない行動だったのだ。ただ衝動に任せただけで。
握っていた小銃の引き金に指をかけ、眠る青年の額に当てる。
始末するべきだ。この先、敵になるのならば。
引き金を引こうとする。だがその瞬間、機器が反応を示した。
ぴくり、とここ数週間精巧な彫刻のように微動だにしなかった瞼が震えた。
驚き銃を手放しかけたが、直ぐ様持ち直し向ける。
相手は未だ管に繋がれ重症なのだから抵抗はしないはずだ。
再びぴくぴくと痙攣するかのように何度か動くと、瞼はようやく開けられた。
ゆっくりと、瞳が見え始める。
緊張と殺気を研ぎ澄まし銃を向ける刹那と対照的に、青年はしばらくぼんやりと宙を見つめ、焦点が合わないのか数度しばたき、ようやく首をこちらに向け、鋭く睨み付け臨戦モードの刹那を捉えた。
その色に、刹那は息を呑む。
アザディスタンで会った時のような猛禽類の鋭さも、モニター越しに見えた獰猛なぎらつくような狂気も見当たらない。
大地に芽吹いた新芽のような、穏やかな翠色の瞳が、ただ照明の光を反射し見つめてくる。
それも、かつてのような食いつくような視線ではなく、カメラが被写体を見るような空虚な視線で。
まるで別人のような視線に絶句し立ち尽くしていると、暫く見つめあった後に青年が閉ざされていた唇を薄く開けた。


「…君は、誰だい？」
病室に、機器が電子音を鳴らすだけの静寂が再び訪れた。










この後なにもかもの記憶を失った白ハムをせっちゃんが一から教育します（こら）
果たしてハムはまともなイケメンになってしまうのか、それとも性根からして病んでて再び変態になってしまうのか…
グラハム育成ゲームとかどうですか。（え）