OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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あけましておめでとうございます!2011年早いよ!
今年は「非晶質。」清純派でいこうと思っていますので、皆さま宜しくお願いします!(大嘘)
回想編です。
せっさんは男、ソランちゃんは女の子ですよ。
今年は「非晶質。」清純派でいこうと思っていますので、皆さま宜しくお願いします!(大嘘)
回想編です。
せっさんは男、ソランちゃんは女の子ですよ。
華奢なソランの体をマントで包み込みながら、グラハムは目をそっと伏せる。
彼女の体温を感じながら、あの夜のことを昨日のことのように思い出した。
『今度はおまえの傍にいてやる』
だから、そんな情けない顔をするな。
雪の降る夜。ソランと同じ目の色を持つ青年は、いままで決してグラハムに見せてこなかった笑みを初めて見せたのだ。
刹那という名の吸血鬼狩りと出会ったのは、もう200年も前のことだっただろうか?なにしろ長生きしすぎて正確な月日は覚えていない。
グラハムは人であった。だが戦争で魔女と称された人々や聖戦と言われていた戦争に騎士団として参加し、血を浴び過ぎた結果いつのまにか不老の存在となっていたのだ。
孤独には慣れている。しかし退屈は嫌いだ。国を追いだされ夜を生きるようになったグラハムは強き者…人も同胞である吸血鬼も襲うようになり、その生き血を啜り続けた。
しかし満たされない。どんなに力を得ても、欲しいものはこんなものではないと暗い夜ひとりで思い悩み、さらにそれを闘争へとぶつけていく。
そんなグラハムの心を久しぶりに揺さぶった者。それが、刹那であった。
吸血鬼にとって最大の武器となる銀の剣を振るい、人間にあだなす数多の吸血鬼を葬った天からの代行者、神に愛されし少年。当然強大な力を求めていたグラハムも彼と何度か敵対した。
刹那はグラハムにとってこのうえない好敵手であった。
強さの極みを求めていたグラハムにとって、弱きものを蹂躙することには大して楽しみを抱けなくなっていた。森一つを統治する吸血鬼の頂点になっても、心は満たされず、口々にお前は悪魔だと叫ぶ吸血鬼狩りを飽き飽きしながら片手で弄び退治する日々。
しかし刹那は違う。人の身でありながらグラハムと互角に渡り合い、半身に渡り癒えぬ傷を与えた唯一の存在。
それも神に愛された少年!蒼いマントに象徴されるかのような潔白な魂を持つ者、さぞかし美味しい血肉なのだろう!
彼との戦いだけがグラハムを満たした。もっと高みへ、極みへ!自身が灰にさせられようが構わないと、何度も彼の剣をよけ、傷を与え、飛び散った血を舐め取り、蹂躙しようとした。
どんなに傷つけられてもまっすぐに向かってくる少年。それを向かいうつ時だけが、自分が自分でいられるような高揚感を味わうことが出来たのだ。
しかしそんな幸せな時間もたった5年で終わりを告げる。神に祈りをかつて捧げていただろう礼拝堂でグラハムはついにレイピアをおられ、銀の剣を刹那に突きつけられたのだ。
完全なる敗北。しかし晴れ晴れしかった・・・この戦いでの高揚を得る為に、グラハムという存在は吸血鬼として生まれ変われたのだと信じていたから。
その剣ならば、長かった人生と闘争の幕引きにふさわしい。だから早く銀の剣が心臓に突き立てられるのをいまかいまかと待ち望んでいた。
しかし、剣が突き立てられることはなかった。刹那はしばらく静かにグラハムを見据え…剣を鞘に納め、蒼いマントを翻し立ち去ろうとする。
唖然としてしまった。
あれほどまでに私たちは殺し合った。仲間も殺された、彼の仲間も殺した。
しかし刹那は何も言わずに去る。殺気も闘志も、決戦の舞台となった礼拝堂からは既に消え失せていたのだ。
「・・・何故私を殺さない?!」
思わず叫んだ。ここまで追いつめておきながら、何故止めを刺そうとしないのか?!
用は済んだ、といわんばかりに背を向ける刹那にグラハムは縋る。その手に勝利をなぜつかもうとしない!?君は私たちが憎かったのではないか!
「俺はすべての吸血鬼を滅ぼそうと思っていた。だが今は違う」
かつて少年だった青年が振り返る。いつみても憤りに満ちていたその瞳は、何故か穏やかな紅茶色に澄んでいた。
「生きろ」
自分を狩る者が、生きろと告げる。
からん、と折れてしまったレイピアが手から滑り落ちていく。グラハムの存在意義が決定的に打ち砕かれた瞬間だった。
生まれたときから戦っていた。そしてそれはこの青年も同じだったはず。だからこそ互いに命を削りあい、心をぶつけあえた。
しかし、彼は生きろという。
何の為に?私には闘争しか残っていないというのに?
月明かりでステンドグラスが色とりどりの光を礼拝堂の床に落とす中、刹那は座り込むグラハムの下から去っていったのだ。
刹那から受けた傷を癒すため、グラハムは森を茨で覆い休眠することにした。
銀は掠っただけでも吸血鬼に致命傷を与える。それを癒すには血が必要なのだが、生きるはりを唐突に失ったグラハムは人を襲う気にもなれず、紅薔薇で覆われた棺で漫然とした眠りについていた。
もちろん部下や古くからの親友には気遣われたが、刹那に敗れ、さらに情けをかけられたことにより無気力になり、昼も夜も、四季さえも忘れるほどの眠りについたのだ。
このまま眠り続けて石となり、灰になればいい。人として死ぬこともできぬのならば・・・
しかしその眠りは冬を二つ超えた頃に唐突に終わる。
血の香りが漂い、ひくりと鼻が動く。このまま無理にでも眠り続けようとしていたグラハムだったが種としての飢餓感にかなわず、ふかく閉ざされていた瞼をゆっくりと開く。
口元にぽたりと熱い滴が落ちる。本能のままなめとると、急速に意識が覚醒した。
一滴の血液が、緩やかに死を迎えようとしていたグラハムを目覚めさせた。しかし誰が?
「俺は生きろと言った」
ぽたぽたと熱い命の雫が顔に落ちてくる。
眠っていた棺の蓋を、傷だらけの刹那があけていたのだ。
彼女の体温を感じながら、あの夜のことを昨日のことのように思い出した。
『今度はおまえの傍にいてやる』
だから、そんな情けない顔をするな。
雪の降る夜。ソランと同じ目の色を持つ青年は、いままで決してグラハムに見せてこなかった笑みを初めて見せたのだ。
刹那という名の吸血鬼狩りと出会ったのは、もう200年も前のことだっただろうか?なにしろ長生きしすぎて正確な月日は覚えていない。
グラハムは人であった。だが戦争で魔女と称された人々や聖戦と言われていた戦争に騎士団として参加し、血を浴び過ぎた結果いつのまにか不老の存在となっていたのだ。
孤独には慣れている。しかし退屈は嫌いだ。国を追いだされ夜を生きるようになったグラハムは強き者…人も同胞である吸血鬼も襲うようになり、その生き血を啜り続けた。
しかし満たされない。どんなに力を得ても、欲しいものはこんなものではないと暗い夜ひとりで思い悩み、さらにそれを闘争へとぶつけていく。
そんなグラハムの心を久しぶりに揺さぶった者。それが、刹那であった。
吸血鬼にとって最大の武器となる銀の剣を振るい、人間にあだなす数多の吸血鬼を葬った天からの代行者、神に愛されし少年。当然強大な力を求めていたグラハムも彼と何度か敵対した。
刹那はグラハムにとってこのうえない好敵手であった。
強さの極みを求めていたグラハムにとって、弱きものを蹂躙することには大して楽しみを抱けなくなっていた。森一つを統治する吸血鬼の頂点になっても、心は満たされず、口々にお前は悪魔だと叫ぶ吸血鬼狩りを飽き飽きしながら片手で弄び退治する日々。
しかし刹那は違う。人の身でありながらグラハムと互角に渡り合い、半身に渡り癒えぬ傷を与えた唯一の存在。
それも神に愛された少年!蒼いマントに象徴されるかのような潔白な魂を持つ者、さぞかし美味しい血肉なのだろう!
彼との戦いだけがグラハムを満たした。もっと高みへ、極みへ!自身が灰にさせられようが構わないと、何度も彼の剣をよけ、傷を与え、飛び散った血を舐め取り、蹂躙しようとした。
どんなに傷つけられてもまっすぐに向かってくる少年。それを向かいうつ時だけが、自分が自分でいられるような高揚感を味わうことが出来たのだ。
しかしそんな幸せな時間もたった5年で終わりを告げる。神に祈りをかつて捧げていただろう礼拝堂でグラハムはついにレイピアをおられ、銀の剣を刹那に突きつけられたのだ。
完全なる敗北。しかし晴れ晴れしかった・・・この戦いでの高揚を得る為に、グラハムという存在は吸血鬼として生まれ変われたのだと信じていたから。
その剣ならば、長かった人生と闘争の幕引きにふさわしい。だから早く銀の剣が心臓に突き立てられるのをいまかいまかと待ち望んでいた。
しかし、剣が突き立てられることはなかった。刹那はしばらく静かにグラハムを見据え…剣を鞘に納め、蒼いマントを翻し立ち去ろうとする。
唖然としてしまった。
あれほどまでに私たちは殺し合った。仲間も殺された、彼の仲間も殺した。
しかし刹那は何も言わずに去る。殺気も闘志も、決戦の舞台となった礼拝堂からは既に消え失せていたのだ。
「・・・何故私を殺さない?!」
思わず叫んだ。ここまで追いつめておきながら、何故止めを刺そうとしないのか?!
用は済んだ、といわんばかりに背を向ける刹那にグラハムは縋る。その手に勝利をなぜつかもうとしない!?君は私たちが憎かったのではないか!
「俺はすべての吸血鬼を滅ぼそうと思っていた。だが今は違う」
かつて少年だった青年が振り返る。いつみても憤りに満ちていたその瞳は、何故か穏やかな紅茶色に澄んでいた。
「生きろ」
自分を狩る者が、生きろと告げる。
からん、と折れてしまったレイピアが手から滑り落ちていく。グラハムの存在意義が決定的に打ち砕かれた瞬間だった。
生まれたときから戦っていた。そしてそれはこの青年も同じだったはず。だからこそ互いに命を削りあい、心をぶつけあえた。
しかし、彼は生きろという。
何の為に?私には闘争しか残っていないというのに?
月明かりでステンドグラスが色とりどりの光を礼拝堂の床に落とす中、刹那は座り込むグラハムの下から去っていったのだ。
刹那から受けた傷を癒すため、グラハムは森を茨で覆い休眠することにした。
銀は掠っただけでも吸血鬼に致命傷を与える。それを癒すには血が必要なのだが、生きるはりを唐突に失ったグラハムは人を襲う気にもなれず、紅薔薇で覆われた棺で漫然とした眠りについていた。
もちろん部下や古くからの親友には気遣われたが、刹那に敗れ、さらに情けをかけられたことにより無気力になり、昼も夜も、四季さえも忘れるほどの眠りについたのだ。
このまま眠り続けて石となり、灰になればいい。人として死ぬこともできぬのならば・・・
しかしその眠りは冬を二つ超えた頃に唐突に終わる。
血の香りが漂い、ひくりと鼻が動く。このまま無理にでも眠り続けようとしていたグラハムだったが種としての飢餓感にかなわず、ふかく閉ざされていた瞼をゆっくりと開く。
口元にぽたりと熱い滴が落ちる。本能のままなめとると、急速に意識が覚醒した。
一滴の血液が、緩やかに死を迎えようとしていたグラハムを目覚めさせた。しかし誰が?
「俺は生きろと言った」
ぽたぽたと熱い命の雫が顔に落ちてくる。
眠っていた棺の蓋を、傷だらけの刹那があけていたのだ。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
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