OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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続きです。クリスマスイブの話ですよ
やたら柔らかい物に体を埋められていることに気付き、ソランは違和感から目を覚ます。
少しか黴臭いが隅々にまで意匠がこらされた立派な天蓋付きベッドに寝かせられていることに気づき、ソランはぎょっとして飛び起きった。
「気がついたか?」
面食らっていると、傍らから男の声がかけられる。どこか気遣わしげな面立ちで、ますます吸血鬼らしくない、とぼんやりした頭で考える。
「すまなかった、60年ぶりの花嫁でね、加減をすっかり忘れていたよ・・・人の身では高速移動に負荷がかかりすぎる」
失神させるつもりはなかった、今度から気をつけようと釈明している吸血鬼だったが、そんなことよりもソランは思いがけない言葉にぽかんとしてしまう。
「・・・はなよめ?」
「ああ、君は冬の花嫁に選ばれた」
「生け贄、じゃないのか?」
確かに着せられた衣装は青いバラの刺繍がされている以外は婚礼衣装に見えなくもない。しかし、幼い頃からソランは北の森に連れて行かれることは、生け贄になることだと教え聞かされていたのだ。
「ふむ、生け贄・・・まあ君の村にとってはそうかもしれない、だが私にとっては君は贄になりえない」
「どういうことだ?」
吸血鬼はかすかに眉をしかめると、咳払いを一つしてソランにもわかりやすく説明してくれた。
自分は数百年前からこの地にいるが、先代の主にこの城を譲って貰ったこと。
ソランの村には、先代からの因習が根付いているため未だに生け贄と呼ばれていること。
生け贄は特に必要ないが、だからといって娘を返すわけにもいかないので冬、雪が深くつもっている間は城にに住まわせ、春になったら森の先にある村に引き渡すこと・・・
おそらくだれも村に帰らないから「生け贄」と呼ばれているのだろうと説明し、吸血鬼は指を立てた。
「君にしてもらいたいことは三つ。城の掃除と庭の手入れ、そして私の話し相手。後はこの城からでなければ好きにして貰っていい」
かなり埃がつもっているからな、この城は情緒あるが広くて掃除が間に合わない・・・そうのんきに愚痴る吸血鬼に対し、ソランは顔を陰らせる。
「・・・血は、吸わないのか?」
「私ほど長生きすると、そんなに血を必要としないのさ。たまに貰うときもあるかもしれんが・・・少なくとも、私は君を食べようとは思わない」
それとも、私に喰われたいのかい?吸血鬼は優雅に笑うと、ソランの顎に白い指をかけてくる。
大理石のような指は氷柱のように冷たくて肩がはねる。しかしソランは彼から目を離さず、コクリと頷いて見せた。
「・・・構わない、俺はそのためにきた」
それが村のためになるのならば。この先生かされても、逆に何のために生きていいのかわからないから。
そう静かに告げると、吸血鬼はふかい翠の瞳に何故か悲しみの色を浮かべた。
「・・・ならば、食べてしまおうか」
ちろりと白い歯、桃色の濡れた舌が覗き、ソランは鼓動が跳ね上がる。
この舌に、歯に、口に食べられてしまうのか?突き立てられて、内部に浸食して・・・
近づいてくる唇に、ばくばくと心臓が脈打つ。怖い、だけど早く欲しいと思ってしまうのは魔の者に惑わされているせいなのだろうか?酔っているかのように頭がくらくらとし、ソランは思わず吸血鬼の服にしがみついた。
ソランは思わず瞼を閉じる。しかし首に歯が突き立てられることなく、唇に滑らかな物が触れてきた。
「・・・ひゃっ!」
ぬるり、と湿った感触を下唇に感じ、ずくんと体が跳ねる。
唇をなめられたことに気づいた時に、思わず彼を突き飛ばしてしまった。
「なにするんだ!」
「なにをするも・・・君は私に食べられてもいいのだろう?何してもいいじゃないか」
私のものになるのだろう?
低く押し殺された甘い声でささやかれたと思ったら、ソランの体はベッドに埋められていた。
組みしかれていることにソランは狼狽し、ばたばたと足を動かそうとするも力が入らず吸血鬼はびくともしない。
「な、なにをするんだ!離せ!」
「ほう、喰われるのは構わないが、やはり化け物に犯されるのは怖いか?」
挑発するような声に、ソランの足はぴくりと止まる。・・・確かに生け贄にされたからには、犯される覚悟もなければいけなかったのかもしれない。
「好きにしろ・・・!」
精一杯の虚勢と、もうどうにでもなれと投げやりな気持ちでソランはベッドに体を深く埋める。触れられた唇がじんじんと熱くなって、理性が瓦解しつつあった。
吸血鬼の手が、ドレスの胸元へと伸びていく。きゅっと目を閉じ、未知の感覚と羞恥に耐えようとしていたが、いつまでも体に潜り込んでいないことを疑問に思い、そろそろと目を開く。
残忍な光を瞳に宿していたはずの吸血鬼が、声を押し殺して笑っていた。
「やはり君は面白いなっ・・・!」
「何故笑う!」
なにがおかしいんだ、せっかく人が覚悟を決めたというのに!
少し悔しくて彼を睨みつければ、「そう、その目だよ」と嬉しそうに笑われる。
「長生きすると、飢えよりも退屈な方が苦しいものでね・・・君は久しぶりに私を満たしてくれる存在のようだ」
喰らってしまえば、話し相手にできないからな!
機嫌良さそうに彼はソランの上から退き、ベッドから立ち上がる。ビロードのマントを翻すと、ぽかんと体を投げ出したままのソランににっこりと微笑みかけた。
「私の名前はグラハム・エーカー。君の名を聞きたい」
「ソラン・イブラヒム・・・」
「ソラン、か」
いい名前だ。そういうと、グラハムは脱力しきっているソランの手をとり、口づけを送る。
唇は氷のように冷たいのに、触れられたそこがじんと火傷をしたように熱くなり、どくりと血流と共にうずきが広がっていくのを感じた。
「今宵は聖夜。君は神からの贈り物かもしれない」
「・・・吸血鬼も、神を信じるのか?」
「私も昔は人間だった、信心深くはなかったがね・・・神は信じないが、クリスマスを祝う情緒ならまだ残っている」
変な奴だ、吸血鬼だというのに神を否定しないなんて。朦朧とし始めた視界で柔らかな翠の瞳を見つめていると、グラハムはすっとソランの掌を放す。
「今日はもうお休み、ソラン。クリスマスプレゼントが風邪なんていやだろう?」
そういわれた瞬間ぷしっ、とくしゃみをしてしまいソランは思わず赤面した。
茨の森に立ち続けていたせいか、どうやら思ったよりも体が冷えてしまっていたらしい。
「・・・おやすみなさい」
「いい子だ」
いまだにどくどくとうるさい鼓動を落ち着けようと瞼を閉じると、艶やかな声が耳のすぐ側で聞こえる。その瞬間、ソランの体からすべての力が抜け、眠りの世界へと瞬く間に溶け込んでいった。
少しか黴臭いが隅々にまで意匠がこらされた立派な天蓋付きベッドに寝かせられていることに気づき、ソランはぎょっとして飛び起きった。
「気がついたか?」
面食らっていると、傍らから男の声がかけられる。どこか気遣わしげな面立ちで、ますます吸血鬼らしくない、とぼんやりした頭で考える。
「すまなかった、60年ぶりの花嫁でね、加減をすっかり忘れていたよ・・・人の身では高速移動に負荷がかかりすぎる」
失神させるつもりはなかった、今度から気をつけようと釈明している吸血鬼だったが、そんなことよりもソランは思いがけない言葉にぽかんとしてしまう。
「・・・はなよめ?」
「ああ、君は冬の花嫁に選ばれた」
「生け贄、じゃないのか?」
確かに着せられた衣装は青いバラの刺繍がされている以外は婚礼衣装に見えなくもない。しかし、幼い頃からソランは北の森に連れて行かれることは、生け贄になることだと教え聞かされていたのだ。
「ふむ、生け贄・・・まあ君の村にとってはそうかもしれない、だが私にとっては君は贄になりえない」
「どういうことだ?」
吸血鬼はかすかに眉をしかめると、咳払いを一つしてソランにもわかりやすく説明してくれた。
自分は数百年前からこの地にいるが、先代の主にこの城を譲って貰ったこと。
ソランの村には、先代からの因習が根付いているため未だに生け贄と呼ばれていること。
生け贄は特に必要ないが、だからといって娘を返すわけにもいかないので冬、雪が深くつもっている間は城にに住まわせ、春になったら森の先にある村に引き渡すこと・・・
おそらくだれも村に帰らないから「生け贄」と呼ばれているのだろうと説明し、吸血鬼は指を立てた。
「君にしてもらいたいことは三つ。城の掃除と庭の手入れ、そして私の話し相手。後はこの城からでなければ好きにして貰っていい」
かなり埃がつもっているからな、この城は情緒あるが広くて掃除が間に合わない・・・そうのんきに愚痴る吸血鬼に対し、ソランは顔を陰らせる。
「・・・血は、吸わないのか?」
「私ほど長生きすると、そんなに血を必要としないのさ。たまに貰うときもあるかもしれんが・・・少なくとも、私は君を食べようとは思わない」
それとも、私に喰われたいのかい?吸血鬼は優雅に笑うと、ソランの顎に白い指をかけてくる。
大理石のような指は氷柱のように冷たくて肩がはねる。しかしソランは彼から目を離さず、コクリと頷いて見せた。
「・・・構わない、俺はそのためにきた」
それが村のためになるのならば。この先生かされても、逆に何のために生きていいのかわからないから。
そう静かに告げると、吸血鬼はふかい翠の瞳に何故か悲しみの色を浮かべた。
「・・・ならば、食べてしまおうか」
ちろりと白い歯、桃色の濡れた舌が覗き、ソランは鼓動が跳ね上がる。
この舌に、歯に、口に食べられてしまうのか?突き立てられて、内部に浸食して・・・
近づいてくる唇に、ばくばくと心臓が脈打つ。怖い、だけど早く欲しいと思ってしまうのは魔の者に惑わされているせいなのだろうか?酔っているかのように頭がくらくらとし、ソランは思わず吸血鬼の服にしがみついた。
ソランは思わず瞼を閉じる。しかし首に歯が突き立てられることなく、唇に滑らかな物が触れてきた。
「・・・ひゃっ!」
ぬるり、と湿った感触を下唇に感じ、ずくんと体が跳ねる。
唇をなめられたことに気づいた時に、思わず彼を突き飛ばしてしまった。
「なにするんだ!」
「なにをするも・・・君は私に食べられてもいいのだろう?何してもいいじゃないか」
私のものになるのだろう?
低く押し殺された甘い声でささやかれたと思ったら、ソランの体はベッドに埋められていた。
組みしかれていることにソランは狼狽し、ばたばたと足を動かそうとするも力が入らず吸血鬼はびくともしない。
「な、なにをするんだ!離せ!」
「ほう、喰われるのは構わないが、やはり化け物に犯されるのは怖いか?」
挑発するような声に、ソランの足はぴくりと止まる。・・・確かに生け贄にされたからには、犯される覚悟もなければいけなかったのかもしれない。
「好きにしろ・・・!」
精一杯の虚勢と、もうどうにでもなれと投げやりな気持ちでソランはベッドに体を深く埋める。触れられた唇がじんじんと熱くなって、理性が瓦解しつつあった。
吸血鬼の手が、ドレスの胸元へと伸びていく。きゅっと目を閉じ、未知の感覚と羞恥に耐えようとしていたが、いつまでも体に潜り込んでいないことを疑問に思い、そろそろと目を開く。
残忍な光を瞳に宿していたはずの吸血鬼が、声を押し殺して笑っていた。
「やはり君は面白いなっ・・・!」
「何故笑う!」
なにがおかしいんだ、せっかく人が覚悟を決めたというのに!
少し悔しくて彼を睨みつければ、「そう、その目だよ」と嬉しそうに笑われる。
「長生きすると、飢えよりも退屈な方が苦しいものでね・・・君は久しぶりに私を満たしてくれる存在のようだ」
喰らってしまえば、話し相手にできないからな!
機嫌良さそうに彼はソランの上から退き、ベッドから立ち上がる。ビロードのマントを翻すと、ぽかんと体を投げ出したままのソランににっこりと微笑みかけた。
「私の名前はグラハム・エーカー。君の名を聞きたい」
「ソラン・イブラヒム・・・」
「ソラン、か」
いい名前だ。そういうと、グラハムは脱力しきっているソランの手をとり、口づけを送る。
唇は氷のように冷たいのに、触れられたそこがじんと火傷をしたように熱くなり、どくりと血流と共にうずきが広がっていくのを感じた。
「今宵は聖夜。君は神からの贈り物かもしれない」
「・・・吸血鬼も、神を信じるのか?」
「私も昔は人間だった、信心深くはなかったがね・・・神は信じないが、クリスマスを祝う情緒ならまだ残っている」
変な奴だ、吸血鬼だというのに神を否定しないなんて。朦朧とし始めた視界で柔らかな翠の瞳を見つめていると、グラハムはすっとソランの掌を放す。
「今日はもうお休み、ソラン。クリスマスプレゼントが風邪なんていやだろう?」
そういわれた瞬間ぷしっ、とくしゃみをしてしまいソランは思わず赤面した。
茨の森に立ち続けていたせいか、どうやら思ったよりも体が冷えてしまっていたらしい。
「・・・おやすみなさい」
「いい子だ」
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
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