OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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ブシ刹無人島に墜落したら?のif話。
ブシドーさんが珍しく変態ではありません。刹那も優しいです。
どっちかというとこうだったらいいなという私の理想なのでCP色は薄いです・・・
せっさんブシドーを受け入れてやってよ・・・
ブシドーさんが珍しく変態ではありません。刹那も優しいです。
どっちかというとこうだったらいいなという私の理想なのでCP色は薄いです・・・
せっさんブシドーを受け入れてやってよ・・・
森の匂いと、蝋が溶けるような匂いが微かに鼻腔をくすぐる。
刹那はそれにより意識を取り戻し、薄く瞼を開けた。
「っ…」
とたんにずきりと痛む頭。どうやら派手に後頭部を打ったらしい、頭を押さえようと手を伸ばす。そして、刹那は自分がヘルメットを着けていないことにようやく気づいた。
「ここ、は…」
額をそろりとかきあげれば、ないはずの包帯が巻いてある。
刹那はコックピットではなく、見知らぬテントの中にいた。
起き上がればずるりと毛布が落ち、地べたではなく薄いが敷布団が敷かれていることに気づく
「…?」
只者ではないアヘッドに危機感を抱き、OOをトランザムさせた所までは覚えている。
だが片腕を斬り落とした所で同調率が低下し、敵機ともつれ合うように落ちたのだ。
しかしどうして手当てを?
「やっと起きたか」
何処か聞き覚えのある声。
しかしそれが誰かを思い出すまでもなく、傍目でアロウズのパイロットスーツの色を確認した瞬間刹那はばっと毛布から飛び出し隠し持っていた銃を取り出した。
「…お前は」
目の前に立つ男に、何処か見覚えがあった。
柔らかくウェーブする金髪、透き通った翠玉の瞳。
しかし記憶と徹底的に違うのは、端正な顔に走る大きく無惨な傷痕。
最後に見たのは、何時だったか。
GNフラッグで流星の如く現れ、歪みを体言し立ち阻んだ男。
…生きていたのか。
「…やはり二個つきのパイロットは君だったか」
しかし静かな驚きで眉根をしかめる刹那と対照的に、男は肩を竦め、両手を上げる。心なしか嬉しそうに口元を歪め、始めてあった時と同じ新緑色を柔らかく細める。それは懐かしさと親愛に染まり、最後に見せた狂気からくる不気味な輝きはない。
「随分と大きくなったな、少年」
嬉しそうに語りかけてくる男に毒気を抜かれつつも、刹那は銃を構え直した。
「…どういうつもりだ、アロウズの貴様が何故?」
刹那は意識を失っていた。簡単に殺すことは簡単だっただろうに、この男はテントを建てあろうことか治療までしている。
CB掃討を明言するアロウズの軍人がすることではない。
「生憎私はアロウズに仕えているつもりはない。特殊な地位と力を保証されたから協力しているだけだ」
「…だがアロウズ側の人間だろうに」
「ともかく今の君に対しては敵意がないということさ」
銃を向けられているというのに悠々とそういい放つと、男は適当な場所に腰掛ける。
敵意がないというか、リラックスしているのではないかと思う程の余裕ある態度に刹那は一人自分だけが焦っているようで、苛々して引き金に力をこめた。
「貴様に無くても俺にはある」
「いいや、ないな。少なくとも今の君は人殺しをする目ではない。」
目を逸らさず男は言うと、若干不機嫌そうに刹那を見すえた。なめられてたまるかと唇を噛んで本気であることを示す為に引き金を引こうと指先に力をこめるも、男は動揺すら見せないで胡座をかいている。
相変わらず向けられる深い緑にはとことん交戦の意志はないようで、有利に立っているこちらの方が、動揺する。
「体調も万全ではないみたいだしな」
「…っ!」
とたんにつきり、と痛む頭に刹那は思わず銃を取り落とした。カシャン、と男の傍に跳ねて落ちたそれすらも気にせず、頭痛に顔をしかめる刹那に穏やかな口調で、しかし突き放すようにいい放つ。
「白兵戦で雌雄を決めるのは性にあわん。ただでさえ負傷し全力を出せない君には尚更だ。今の君には歯牙もかけんよ」
「…!馬鹿にしているのか」
「馬鹿にはしていない。だがナンセンスな争いをしたくないだけだ。それに馬鹿にしているのは君だ。
期待性能も万全ではない状態で、私に立ち塞がろうなど」
若干憤慨した口調で、ようやく出会えたというのに心行くままに争えぬ等…とぶつぶつと呟き始める男に若干引きつつも、刹那は疑問を抱く。
解せない。
昼間に交戦した時も、同調率が低下したOOに手出ししなかったのも。雌雄ならばOOが壊れた時点でついたはずだ。
「一体何が目的だ?」
銃を片手にしつつも構える気にならず問い掛ければ、ふっと笑みを溢した。彼の表示からは終始軍人として任務を完遂させるようなはりつめたものを感じなかった。
「純粋に君と手合わせしたいだけさ」
「は?」
男はそう言うと、手元に置いてあった黒い仮面らしきものを手に取る。一見すればまがまがしいデザインのそれを愛しげに撫でながら、男は言葉をつづける。
「最後に君と戦ってから、私はずっと君を想っていた。…部下を失い、フラッグを捨ててでも、君に会いたかった…私には闘争しか残されていない」
仮面を手に取り、一瞬だけ見せた表情は若干憂いに満ちた軍人のもの。しかしカンテラの炎がゆらめいた瞬間その表情は掻き消え、純粋なる闘争への期待で獣のように顔を歪める男がいた。
「だからこそ、君を生かして正々堂々正面から戦いたい。力に走ったために切り捨てた者達の為に、君の、ガンダムの首を取る。その為に運命の女神は私を生かしたのだろう…」
男が仮面を持つ方とは反対の手で自らの顔に触れる。
穏やかな新緑色の瞳近くには凄惨な傷痕が走り、さらに頬にかけて引っ掻いたような深い傷痕を残していた。
そこに手を置きながら、男は笑みを深める。それは純粋な喜びからくる笑みなのか、自らを嘲っているのか、刹那にはわからなかった。
「イカロスの翼…太陽に近づきすぎた愚か者のようだと罵られても構わないよ。私には空と、闘争しかないのだから。」
「…空?」
「ああ、君を空から引きずり落としたいんだ。自分だけの空にするために。その為なら、全て投げ出そう。プライドも、生き恥も、己の命も。力を得るためなら、何でもした。」
強い口調で、自分に言い聞かすように呟くと、男は仮面を顔に当てた。
男の端正な顔立ちを、そして深い傷痕を覆うように、漆黒の仮面はつけられた。
それはアザディスタンで出会った時の彼とは違う、と自らを上書きしているようだった。
蝋燭が吹き込むすきま風によって揺れ、二人の狭間に落ちる影が生き物のようにゆらゆらと揺れている。
先程の穏やかな口調は影が重なり離れた瞬間一変し、修羅のようなものものしさを抱えた男がそこにいた。
「だから君も、中途半端な気持ちで私に立ち向かうな。機体の性能も完璧にし、そして全力で剣を向けてきたまえ!それが出来るまで、私は君に手出しをしない…私の、“Mr.ブシドー”の存在理由として、相応しい強さを見せつけろ。」
そして今度こそ、君の翼を徹底的にたおってくれる。
そう悪鬼のように歪んだ笑みを向けてくる男の気迫に、刹那は一瞬戦慄が走った。
だが直ぐに表情を変え、男の仮面に覆われた翠玉を真っ直ぐと見据えた。
「…それが、お前の戦う理由か」
「ああ」
「…戦いが不毛なこととわかっていての答えなのか、あんたは…」
初めて会った時、そして4年前に剣を合わせた時に、争いが悲劇しか生まないということを知っていながら己の闘争心を満たす為だけにぶつかってきたことを思い出す。
まさに、世界の歪みとして、最後に立ちふさがった。
だが、目の前にいる男は刹那が虚しいと思っていることに全霊をかけている。悲しいほど、真っ直ぐに。
仮面に覆われた醜い傷痕を思い浮かべる。
あれは、俺があの男を歪めてしまった証だ。
「わかった…」
刹那は静かに手元の拳銃を握る。そして引き金に指は置かず、静かに彼にそれを向けた。
「それがお前が俺を助けた理由、そして生きる理由だというのなら…」
照準の先にいる男は、静かに狂気の笑みを浮かべていた。争いに狂った、悲しき修羅。
そして刹那もまた、扮装根絶の為に、全てを投げ出し狂っていると目の前の男は思っているだろうから。
似て非なる存在だ、俺達は。
理念や善悪は関係ない。
ただ俺は、助けられた恩を戦いということで返せばいいというだけ。
「…それでいい」
刹那の答えに満足したのか、男はふっと息をはき瞼を閉じた。満足そうだが、寂寥を滲ませた人間さを取り戻した表情に、刹那もまた銃口を下げる。
その途端テントが煽られる位の風が吹き、カンテラ明かりしかなかった空間が明るくなった。
迎えが来たのだろう。
刹那が立とうとするのを手で制し、男がテントを僅かに開け確認する。
隙間から見えたのは、ケルディムのモスグリーン。
ロックオンか、そう再び立とうとすると、いきなり体が引っ張られた。
「な!?」
「大人しくしていたまえ。君は怪我人だろう」
「そ、そこまでされる覚えはない!」
刹那は易々と所謂姫だきにされ、身長さも4年前と比べてなくなったはずなのに、と恥ずかしくなって足をばたつかせる。大体女にするものん21になってなんでされなければならないのだ。
だが男はどこ吹く風でテントを出ると、ケルディムの元に歩き出す。
「名を、教えてくれまいか」
じたばたと抵抗していた刹那だったが、真剣な彼の声にぴたりと動きを止めた。
そう言えば、お互い名前を知らない。
「刹那・F・セイエイ」
名を告げれば男は嬉しそうに顔を綻ばせ、「刹那」と知ったばかりの名前を反芻する。
「…そういうあんたは」
聞こうとすれば、「刹那!」とロックオンの声が割って入る。
「…魔法の解ける時間か」
男は寂しげに口元を歪めると、刹那の足に負担がかからぬようそっと下ろした。
「先程交わした誓い、忘れるな刹那!」
「待て、あんたの名は…!」
ロックオンが駆け寄る。
しかしそれを気にせず背を向けた男に向かって声を張り上げれば、一瞬立ち止まる。
「…今の私は、君に名乗るような名はない。闘争を求め歩く幽鬼と同じだ」
振り返らずに男は言うと、用は済んだと振り返ることもなく、彼は自らの機体に向かい立ち去った。
限りなく青き平行線にいる君
望む場所は同じなのに、求めるものが違いすぎて。
交わることはないのだろうけど。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
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