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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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映画の後のお話。短いです。

地平の限りに墓石が続いている。
しかし石碑に名が刻まれたものの肉体の大半はここにはない。金属生命体に取り込まれたか、MSと共に爆散し、地上には帰ってこれなかった者達。
それでも人々は花を手向けにここに訪れる。
妻が、子供が、親類が、生き残った者が。
そして50年たった今、彼らの子孫が。
なだらかな丘にある墓地に花は絶えない。

『そこに彼が居ないことを、君は知っているんだろう?』

50年間連れ添ったティエリアが、脳量子波を通じて話しかけてくる。

「・・・行ったんじゃ、なかったのか?」
『ヴェーダを掌握している僕に、不可能なことはない。地上を見守るのも僕の役目さ』

外宇宙航空艦に乗った彼のバックアップに、相変わらず準備がいいと納得する。

「わかっているさ、あいつはここにいない」
『じゃあ何故、花を手向ける?』

手元に蒼いリボンで結われた花は、マリナの家の近くで摘んだ色とりどりの花。
人でなくなっても自分を受け入れてくれた、自分と違う道を歩んだ彼女が咲かせた花。

『マリナが言ったんだ。体がなくとも、そこにいなくても・・・寂しい思いをさせぬようにと』

死に瀕した彼女が笑いながら教えてくれたこと。清廉と生き、皺を刻んだ彼女が、孫に語りかけるように優しい言葉で。

いつか、戻ってくる時に花が合った方が嬉しいでしょう?
その人を想う、花があったら。

そんな彼女も地へ還った。たくさんの人に囲まれて、穏やかに。


彼女の墓に、一輪の花を手向けた。
ニールとアニューの名前が刻まれたアイルランドの墓に。
かつての仲間達が死んだ後、ひっそりと立てられた墓にも。
そして今、グラハム・エーカーと刻まれた墓石の前に、刹那はたっている。

彼は今も空を飛んでいるのだろうか?
銀の髪を揺らし、刹那は空を仰ぐ。
道を作るため、彼は自分の目の前で命を散らした。空と力に固執し、世界などどうでもいいと言い放った男が、世界のために。
現に、彼の墓の前には花が絶えない。先ほども、黒いベールを被った銀髪の婦人が花を置き、祈っていったのだ。
空を舞う小鳥が枝に止まり羽を休めるように。いつか彼も還ってくるのだろう。

「そのときにはあんたとゆっくり話をしたい、グラハム・エーカー」

些細なことでも、今度は戦う以外でもあんたを知りたい。
墓前に置いた黄色い花がそよ風に揺れる。
一枚の花びらが散る。その行方を追おうとすると、青空に彼の気配がした。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
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管理人:流離

since:20071112


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