OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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劇場版ネタバレ多大に注意。
短文ですが終了後前提の話。グラ→刹気味ですがグラ刹といいはる。
短文ですが終了後前提の話。グラ→刹気味ですがグラ刹といいはる。
青空を、ただ無心に飛びたかっただけだった。
私は空っぽだったのだ。
家族は物心がついたころにはいなかった。
守るものもなく、愛すべきものもいない。フェンスに遮られた自由な世界を、縦横無尽に、我が物顔で飛べたらと思ったのだ。
愚直なまでに、ただ空を飛ぶ快感を得るために、私は軍人として生きていた。人は馬鹿だの愚かだのいうが、お構いなしに飛び続け、ついにはエースパイロットと呼ばれる程になったのだ。
空は私のものだ。師を殺めてまで得た空なのだからと、黙々と軍に従事しながら、優越感と共に眼下に広がる世界を見下していたのだ。
しかし、あの日全てが変わった。
私が愛する空から、青いガンダム・・・君が降り立ったときから。
気づいたら、私は宙を漂っていた。
壊れたMSの破片が、ELSの欠片が、体をすり抜けゆっくりとこの宇宙に拡散していく。
「これは死ではない」
目の前にガンダムはすでにおらず、生の気配のない世界でグラハムは呟く。
青く輝きを放つ星の周りを取り巻くように、無数の亡骸が吸い込まれていく。デブリは地球を守るように、ゆったりと、回遊を続けていた。
この世界に興味などなかった。
誰よりも強く、早く飛べることだけを考えていた。地球、社会、重力など、私にとってはただの檻だった。
一度は全て捨て去った。だが、できなかった。
敗北し、全てを失い自害をしようと思ったときに、少年の言葉を思い出したから。
『生きるために戦えといったはずだ』
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
静謐に包まれていたはずの世界から、声がした。
若干の呆れを含んでいたが、穏やかにその声はグラハムを包み込んでいく。
思えば、こんなにも彼の穏やかな声を聞くのは一度しかなかった。
しかも、実際に顔を合わせ語り合うことなどないに等しい。
お互いに、怒りをぶつけ合っていたというのに。
お互いろくに顔を合わせてなかったというのに、戦場で強く惹かれた存在。
グラハムは振り返る。そこには、銀色に輝く、少年のような青年が佇んでいた。
「水先案内人の私に、そんなことを言わなくてもいいだろう?」
『道を切り開いたことには感謝する。だが、あんたに死ぬなと叫ぶ声が聞こえた…』
金色に輝く眼差しに、グラハムは「ああ」と微笑みかける。
そう、私は一人ではなかった。
所詮、人間は一人で生きられない。どんなに空を飛ぶ枷になると切り捨てようとも。
「君自身はどう思っているのかね?私の生を。馬鹿げた男の下らない一生だと笑うか?」
『あんたにだって、生きている意味があった』
「そう、私は君の為に生きていた。君に会うために生まれてきたのだよ、7年前から。だから、私に悔いはない」
人類の未来を担う少年を越える為に。
彼の進むべき道を、切り開くために。
「あえて言わせて貰おう、君の為に生きてきてよかった・・・」
イノベイターと化した少年には、この想いは通じているのだろうか。
それでも何処か悲しそうな少年の瞳に、彼もまた、自分を思っていてくれたことを悟る。
「未来の為に、生きれてよかった」
彼の手を握る。熱や感触なんてものは当然なかった。
だが、思考があふれてくる。
世界を想い、そして、この世界に生きる一人として、愛してくれている少年の思いが。
壮大すぎて、馬鹿げていて。
しかし途方もないと思われていた紛争根絶、未知との対話をなしてしまった少年に、グラハムは苦笑を浮かべる。
人間であり、しかし人間とはとても思えぬ怒りから生まれた愛という存在。
「君にはかなわないな」
手を離そうとする。しかし、繋いだ手は放されなかった。
少年が、しっかりとグラハムの手を握り返していたのだ。
「あんたも、あの花を咲かせた一人だ」
片方の手で、少年は指さす。
太陽の光を受け、宇宙にさく金色の花がそこにあった。
圧倒的な存在。そして子供の甘い幻想のように馬鹿げだ存在。しかしこの大輪の花は、グラハムが愛した空に、確かに存在していた。
「あんたの想いが、行動が、…俺にあの花を咲かせたんだ」
言葉を失い、圧倒的な光景に息を呑んでいると、傍らにいた少年が微笑む。小さな花がほころんだかのように、そっと。
「有り難う」
銀色の腕が、グラハムを包み込む。
「生きていてくれて」
求めていたもの。グラハムが信用せず、目を向けようとしなかったものが、胸に満たされていく。
快感でもない。欲情でもない。
全てに言葉に言い表せない温かさが、込み上げてきた。
初めてだ、こんな感覚。
意識だけになっても、温かさを感じるなんて。
やはり、君は面白い存在だ。
私の歪ませ、追い求めさせ、そして…
「私も、君が生まれてきてくれてよかった」
壊し、徹底的に打ちのめそうとしてきた体をグラハムも抱きしめる。
私も彼の愛の一部になれたのだ。
生きている意味があったのだ。
この少年が守りたい未来を、守れたのだから。
「この気持ち、まさしく、愛だ」
かつては感情の赴くままに叫んだ言葉を、グラハムは彼の心臓に耳を押し当て囁く。
今度は驚くこともなく、少年は微笑み、グラハムをより強く抱きしめる。
「この生を、愛の為に生きれてよかった」
青い星を、青い空が広がっている世界を、二人で見守り笑い合う。
誰かを守れたことに、喜びを感じたのは、これが最初で最後のことだった。
二人が守った世界・・・地球に、花からこぼれた光の粒子が、未来を祝福するように降り注いでいく。
「刹那…」
雪のように降り注ぐ光に触れ、老女は涙をこぼし、花畑に零れおちる。
「貴方が幸せで、よかった」
色とりどりの花が咲き乱れる地に、柔らかい風が吹き、彼女の涙と光を浚って行った。
ハムに関しても、刹那に関しても、考えることが沢山あって、正直悲しくもあり混乱しています。
でも、彼等の人生を見守れて、色々とアニメの枠を超えて考えさせられました。
この文は、まだまだ混乱している中で書いたので色々滅茶苦茶ですが、グラ刹好きとしての現時点での想いを込めたつもりです。
ひとまず、グラハムも、刹那も、本当にお疲れさまでした。
大好きです!
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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