忍者ブログ
OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



[361]  [358]  [357]  [356]  [355]  [354]  [353]  [352]  [351]  [350]  [349
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

もうハムがぶっ壊れて誰だかわかりません。病みすぎました。
R指定はありませんが本当に暗いのでグラハムが好きな方、及びハッピーエンド派の方は閲覧をお勧めしません。
ですが原案はもっと酷かったです…詳細はいつかあとがきとして。
次はカタギリとCBクルーの様子を少し、その次でようやく完結です。
色いろ説明不足な所を補っていきます。

冷たいシーツの感覚に、意識が浮上した。
いい加減見慣れた、染み一つない白い天井。
ゆっくり体を起こせば、鎖がしゃらりと音を立てた。肌が擦れて赤い痕が出来ても、もはや何も痛まない。息の詰まるような腰痛ももはや慣れた。
どろりと流れ落ちる不快な感覚はないから、処理はしておいてくれたのだろう。

いない…?
ガラス越しの月明かりと遠い夜景の光で部屋を照らしているので夜だということはわかる。
目を覚ますのは大抵夜で、しかもグラハムが傍らにいた。



当然のように組敷かれ、名を呼ばれ、肌を傷つけられた。刹那をここに連れてきた経緯を一切語らぬまま、質問に答えず。
そうして散々犯した後、意識を失った刹那を置いて日中は何処か出掛けているようだからたちが悪い。食事は置いてある。最初は拒絶したが、口づけによって無理矢理とらされたこともある。今日のように意識を失った時は点滴だった。今も、刹那の右腕には針とチューブが刺さっている。
飼い殺し。
今の刹那はまさにその状況だった。
聞きたいことは沢山あるのにあの男は何一つ答えず、代わりに優しく、しかし執拗に刹那を抱くのだ。

ともかくグラハムがいないのは好期だ。
そっとベッドを降り、今日も脱出の手掛かりを探そうとする。
鎖をつけられている為、風呂やトイレには問題なく行けるが玄関までは長さが足
りなくたどり着けない。
無駄に用意周到な男だ。

いつものように動き回れる範囲で脱出の手掛かりや状況を確認出来るものを探しだそうとするが、テレビやラジオなんてものはあるはずもなく、当然電話端末なんてものはない。
檻のような場所だ。
外界の様子は全く伝えず、ただ生きていくのに最低限の場所しか与えられていない。
グラハム以外に人がここに来ることはなく、どうやらここはユニオンとは関係ない場所としか考えられない。最も、監視カメラが設置してあれば別だろうがこんなホテルみたいな個室は用意したりしないだろう。

一体あれからどの位の時間がたったんだ…

冷たいフローリングに座り込み、刹那は深い溜め息をはいた。
CBの動向すら知らせず、全く知らない場所に閉じ込められただ犯されるという状況は刹那の屈強な意思でさえ徐々に摩耗させていき、次第に無気力になっていくのがわかる。

このままじゃいけない
せめて、この状況は、CBは、エクシアはどうなっているのか知りたい。

恨めしそうに窓越しの空を睨み付ければ、丁度分厚い雲から月が覗き、青白い光が室内を、浸透していた暗闇を漂白するように、ゆっくりと照らしていく。

「?」

月光で徐々に照らされた廊下に、何かが落ちているのが見えた。
瞳をよくこらせばそれは通信端末であり、刹那は思わずギシギシと悲鳴を上げる体を忘れ、飛び起きた。

そんな、まさか
玄関に広がる闇のせいで見えなかったのだ。しかし、刹那一人の為にわざわざこんな部屋を用意するような男が、端末を忘れるなんてへまをおかすものか?

いや、今はなにが何でも情報が欲しい。
軋む体を忘れ、刹那は端末に向かおうと歩き出す。
ギリギリ届かない場所だったので床に伏せ、手を可能な限り伸ばして何とか硬質なそれを掴むことができた。
軍用のものだろう。生体認証は必要ないらしく、パスも以前クリスティナに教わったハッキング方法を使えばあっさりと解かれ、液晶に最新のニュースが次々と写し出された。

「え」

希望への切符のように必死で掴んだはずの端末が、気付けば手からすり抜け、床に落ちていった。
ワンバウンドし、衝撃を受けてもなお残酷なほどに繰り返し写し出される最新のニュースが嫌でも暗い室内では目に写り、刹那は衝撃に固まり動けなくなっていた。




「見てしまったのかい?」


甘く低いはずの声が、平坦に響く。
振り向けばいつの間にか帰ってきたらしい男が、端末を広いあげてこちらを見下していた。
硬直していた刹那は薄く唇を歪めるグラハムに悲鳴もあげられず、後退りする。
手錠に擦れた足から薄く血が滲んでも気にならない。生命の危機は感じられないが、戦場にいた時のような、本能的な恐怖が身を貫いていた。
だが所詮マンション、すぐに窓に突き当たり、硝子の冷たさを感じてびくりと震えた。

「もっともっと壊してから種明かしするつもりだったけど、見てしまったなら仕方がないな。セツナは私が見込んだ通りなかなか強情だしね」
「おまえっ…は…!最初から、…」

カラカラののどから絞り出すように声をあげれば、グラハムはエメラルドをうっとりと細め、ゆっくりとこちらに歩いてきた。


「CBがガンダムのコックピットを収容した大型基地を襲撃、基地は大破、ガンダムの検査をしていた多くの技士、待機していた軍人が一瞬にて蒸発、か。捕獲してすぐに機密漏洩阻止の為にガンダムをつれてくるとは、流石はCB。」


そう言ってちらりとみせた映像は、ヴァーチェがGNバズーカを構えている姿だった。
被害にあった基地は圧倒的な火力で大型の建物のはずが倒壊、鉄骨がお情けばかりに残っている、との情報であった。無差別破壊はヴァーチェの得意なことであるし、ティエリアなら組織を優先して引き金をためらいなくひいてくれるだろう。
予想はついていた。
だがコックピットしかあの男が切り落としてこなかったという事実に、刹那は背中につめたい汗が流れ落ちるのを感じる。

こいつは、本当にユニオンの軍人なのか?
そしてどうしてこうも人事のように言ってのける?


「しかし、こうも躊躇いなく仲間を切り捨てるとは…CBも非情な組織だよ」
「やめろっ…!」


皮肉なほどに憐れみをこめた声に、思わず耳を塞いだ。
理解はしていた。
敵に機密漏洩をしてはならない。それは太陽炉以外でも同じだ。
戦えなくなったものを切り捨て、機密保持の為に全てを消し去る。そんなこと、CBに入った時から…そして、グラハムと最後に戦った時から理解をしていた。
だがそれは居場所を…闘うことしかできなかった自分が神の代行者として剣を振ることで存在意義を得ることが出来た居場所を、永久に無くしたということなのだ。


「まあ本体はCBが回収したから、パイロットである君を救出する必要はなかったのだろうがね、ユニオンも我がオーバーフラッグも、ただ無駄骨を折ったというだけになるな…まあ私が前もって忠告しておいたのを聞かない上司達も悪いと思わないかい?」

自分はもう用済み。
その事実をナイフのような言葉で無遠慮に突きつけられ、刹那はもう立っていることが出来なくなった。
心が砕け散るかのように、音を立てて倒れ込むかのように刹那は崩れ落ちる。
グラハムに抱かれている時も、まだ諦めきれていなかったのだ。まだ、自分には居場所が残されていると、存在理由が残されていると心の端で願っていたのだ。
だがそれは、幻想に過ぎなかった。
スメラギは、ヴェーダは、機密を漏らさぬよう…そしてもしかしたら役に立たなくなったパイロットごと葬るよう、指示をしたのかもしれない。
せめてエクシアの太陽炉が無事だったのが救いなのだろうか?
しかし、コックピットだけ切り取られ、捕虜としてではなくここに連れてこられたせいで、マイスターとしての死すら選べなかったのだ。



俺は、もうエクシアに乗れない。
CBの刹那・F・セイエイではない。
では一体なんなのだ?
何の為に生きている?



「言っただろう?君はCBのものにもユニオンのものにもしないと」

崩れ落ち座り込む刹那の体を優しく抱きしめ、グラハムは優しく囁いた。その甘い旋律は、隠されることもなく歪な狂気と歓喜を孕んで刹那の体に染み込んでいく。


「捕虜なんかにしてしまったら、君は薬付けになりCBに消されるだけだ。CBにいる君も美しいけど、私以外の人間に殺されると考えると、それだけが気が狂いそ
うになる…身が引き裂かれんばかりにね」

この男は。
刹那という一個人を手にいれる為だけに自らが所属するユニオンに多大な犠牲を払わせ、CBさえも欺いたのだ。
情報という見返りもなく、ただ自らの手中に納めるためだけに。


「もう君の居場所はCBにはない。闘わなくても、私が愛してあげよう。私の為だけに生きればいいんだ。」


血色の薔薇が咲きほこるかのような恍惚とした笑みで、グラハムは刹那をきつく抱き締めた。
少し長くなった爪がささり、白いワンピースに赤い模様を描いていく。
しかし刹那にはかつてのようにその痛みに身を捩ることも、恐怖から逃げ出すことも出来なかった。

存在理由を失い、石榴の瞳に宿った強靭な意志は砕けちり、ただ硝子玉のようにグラハムの翠を見つめている。
まるで、人形だった。


「ころ、せ」


存在理由がなくなった人形は、破棄されるのみ。否、そちらのほうがまだよい。
生きる意味を失ったというのに、この先いかされ続けるのは死よりも苦痛な拷問だ。
闘うことを手にとり、男として生きてきた。自分のような人間をこの先生まないようにと大義名分を掲げ、数多の命を奪ってきた。
大切な人を見捨て、伸ばしてくれた手をとらず、それでもエクシアと共に生きようとしたのに。

軍人であるこの男に殺されれば、まだガンダムマイスターの刹那でいられたかもしれない。


「駄目だよ」


愉悦と共に宣告された言葉に、刹那は悲鳴をあげて舌を噛みきろうとしたが、グラハムの突然の口付けに思わず息を忘れる。
無抵抗のままに口内を蹂躙され、銀糸が引いた時に、グラハムはゆっくりと刹那の腹を撫でた。

「ここに、子が宿していたとしてもその台詞は言えるかい?」

全てに諦め、世界を映すことを放棄しかけていた刹那の瞳が大きく見開かれた。

「ここに私と君の子がいる…無人島で体を合わせた時のものだろう。全く君とは、本当に奇跡で結ばれているとしか考えられない!もう君は、君一人の体ではないのだよ」
「う、そだ…嘘だっ…!」
「兆候はあったのだろう?そうでなければ、剣を交えた時にあんな体制を崩したりはしないはずだ」
「う、そ…」

グラハムが優しく腹部を撫でる。刹那ごと、その下にいる命を慈しむように。
兆候はあった。月のものが止まったり、吐き気があったり。だが心理的な症状として気付かないふりをした。気付きたくなかったのだ。
アイーシャを拒絶し、進んできた人生のはずなのに、彼女と同じ末路を辿っていたのだ。
これは、罰なのだろうか?
助けることができた筈なのに自分の為だけに前を見てきた。
脳裏に一瞬、腹を膨らませ顔がぼやけてきた彼女の歪な笑顔が浮かび、消える。

「おれ、は…たたかう、ことしか…」
「…闘うことしかできなかったのか。可哀想な、セツナ。」

こんなにも魅力的なのに、と呟きグラハムは手をとり優しく口づけしてくる。その行為に、刹那は初めて嫌悪感を抱かずただその様子をぼうっと見つめているだけだった。



「ならば、その子と、私の為だけに存在すればいい。私に愛され、その子を愛すればいいんだ…もう闘う必要はない。
ガンダムなんて、いらないんだよ。」


とても優しい動作と声と裏腹に、グラハムの瞳は憐憫なんて含まれておらず、ただ爛々と欲望に輝いて刹那の小さな身体を見つめていた。
だがその見え透いた欲にも気づかず、行き場をなくした子供のように呆然と彼を見返していた刹那の手が、ゆっくりとグラハムに伸ばされた。

「お、れは…」
「大丈夫、三人で家庭を作ろう。他に何も知ることが出来なかったのなら、三人で育んでいけばいい。生活も、優しさも、居場所も、愛も。
そうだろう?可愛いセツナ。」

その蜜のような甘い囁きも、かつての刹那なら罠であったことくらいすぐに気づいただろう。
だが今、刹那は壊れたかのように涙をこぼし、自らグラハムの肩に手を回し、拒絶することもなく彼の手を受け入れた。

「グラ、ハム…」
「私だけが愛してあげられるから。」

初めて敵意をこめず、幼子のように呼んで来る刹那が愛しく、グラハムはガラスに背をつける彼女をゆっくりと押し倒し、いつもの奪うようなものではなく優しく身体中に口付けを落としていった。

「セツナ、セツナ…君は、もう私のものだから、安心していいんだよ」
「あっ…」

厚い指先が触れる度に、刹那の身体ははねた。
かつては触れられ、名を呼ばれるだけで嫌悪感を感じたのに、今はただ純粋に快感が拡がっていく。
上をふと見上げれば、ガラス越しに夜空が見えた。
流れ星がちらつき、ガンダムのGN粒子の輝きを思い出し一瞬表情がこわばる。
「セツナ。私だけをみて」
「ん…は、グラハム…」
ゆっくりと軟質な白い手に覆われ、刹那は再び彼の愛撫を受けて声を上げた。

ロックオン…

優しいかつての仲間の掌の温かさを思い出し、今も空で戦っているだろう彼を思う。

あの優しい人は、基地が炎上するときに一粒でも泣いてくれただろうか。

手の隙間から涙がこぼれ、月に小さく煌いて散った。













狂気と言う名の鳥籠で愛されるということは、居場所を失った鳥にとって幸せなことなのだろうか?
鳥は、小首を可愛らしく傾げるだけであろう。
PR
FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp

管理人:流離

since:20071112


更新停止中。twitterで色々妄想してます。

サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
忍者ブログ   [PR]