OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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グラ刹♀R18「アンゲージ」の続編です。
で す が。
流血や遠まわしですが暴行等の表現が有りますので、初回からR15です。
本当はパス制にしようかと思ったのですが、私自身あまりパス制が好きでないので公開にしておきます。ですが読まれる方は本当にお気をつけくださいませ・・・
*前作を読んでいられた方にはわかるかなと思いますが、刹那がハムのことを憎んでいます。ものすごく憎んでいます。グラ刹とも言いがたい状況です。あとグラハムが物凄く歪んでいます。犯罪者です。
とりあえず前作「アンゲージ」を読んだ上で、さらに暴行や流血、無理やりに抵抗を覚えられる方はご控えてください。読んだ後気分を害されても当サイトは責任を負いかねます。
また過去捏造やオリキャラが最初少し出張っているのでそういうものに抵抗があられる方も・・・。
また、義務教育及び18歳未満の方もご控え下さい。
それでは長くなってしまいましたが、上記の注意を読まれた方はどうぞ。
で す が。
流血や遠まわしですが暴行等の表現が有りますので、初回からR15です。
本当はパス制にしようかと思ったのですが、私自身あまりパス制が好きでないので公開にしておきます。ですが読まれる方は本当にお気をつけくださいませ・・・
*前作を読んでいられた方にはわかるかなと思いますが、刹那がハムのことを憎んでいます。ものすごく憎んでいます。グラ刹とも言いがたい状況です。あとグラハムが物凄く歪んでいます。犯罪者です。
とりあえず前作「アンゲージ」を読んだ上で、さらに暴行や流血、無理やりに抵抗を覚えられる方はご控えてください。読んだ後気分を害されても当サイトは責任を負いかねます。
また過去捏造やオリキャラが最初少し出張っているのでそういうものに抵抗があられる方も・・・。
また、義務教育及び18歳未満の方もご控え下さい。
それでは長くなってしまいましたが、上記の注意を読まれた方はどうぞ。
女の子であること、ここでは言っちゃ駄目よ?
アリーに連れられ初めてこのアジトに来たとき、妹のように可愛がってくれたのがアイーシャだった。
この頃から刹那は働く為に男の格好をしていたがまだ男女の性差が解らず、ある日ボサボサだった髪を彼女に綺麗にしてあげる、と言われた時にこそりと言われた言葉だった。
ナイフでざっくりと短く切られたソランの髪の端を整えながら、アイーシャは子守唄を歌うように、言い聞かせるように言う。
これから、月のものが来て胸が膨らんできても、女の子であることを言っちゃここでは駄目。
どうして?と幼いソランは問いかける。まだ幼い故にストールを巻かず、目鼻立ちは可愛らしいが短髪の為男の子にしか見えない。そんなソランの埃っぽいが柔らかな髪を撫でながら、アイーシャは優しく、悲しげに笑った。
私はもう女になってしまったけど、ソランなら大丈夫よ、と。男の子なら酷い目に合わないからと。
それだけ言ってアイーシャは目をそっと伏せた。彩度を失ったストールの下にあるのは艶やかな長い黒髪と、少し膨らんだ胸があることをソランは知っている。
大きくなったらアイーシャみたいに綺麗な女の子になりたいのに、どうして男の子になれと言うのだろうか?自分にはなれないのだろうか?
まだ幼いソランは少しばかりメイクが施されるようになったアイーシャの長い睫毛に覆われた瞳が深い悲しみに色どられていることに気づけなかった。
その夜、ソランは肌に突き刺さる固い藁の中で目覚めた。
暗い。ここはどこ?
藁が刺さった足が、腕が痒い。抜け出そうとソランはそっと耳から手を離すと、絹を裂くような悲鳴が聞こえた。
下卑た男の笑い声、女性の胸を切り刻まれるような叫び。何かがぶつかりあうかのような音と濃い血の匂いに、ソランは身動き一つ出来なくなった。
やめて、いたい、誰か助けて。
聞き慣れたアイーシャの叫び。いつだって優しく呼んでくれて、髪を掻き撫でてくれていた。憧れていたその姿が何人もの男に群がられ、ここからでは手と足しか見えない。
姉のような存在だった少女の甲高い悲鳴に、ソランはまた耳を塞いだ。
いや、
怖い。
あれは、なに?
身を縮め、胎児のように丸まり身を守る。
何も聞いてはいけない。何も見てはいけない。
幼いソランは藁の中で息を殺し、カタカタと震えた。
ソラン、助けて!!
その叫びにびくりと肩をすくませる。いやだ、呼ばないで。
アイーシャに群がっていた男が一人、此方に向かってきた。いやらしい笑みを浮かべ、ソランが隠れている藁に手をかける。
もし、ばれてしまったら、わたしもアイーシャみたいにされてしまうの?
未知への恐怖、泣き叫び蹴飛ばされ男に弄ばれるアイーシャを見てソランは嫌だと首をふった。
そして、同時に思い出した言葉。
男の子なら、酷い目にあわないから…
「俺は男だ!」
自ら手を出し、引っ張り出そうとしてきた男を精一杯、恐怖を押さえつけて所謂男の子のように睨み付ける。
途端に興味を失ったらしい男はつまらなそうにソランの首根っこをつかみ、邪魔するなと外に放り出した。
その際に絶望と悲しみに満ちたアイーシャと視線が交錯するが、必死で素知らぬふりをして。
その後は覚えていない。ソランは腰を抜かしかけていたが必死で足を動かし、家にたどり着いたことだけは覚えている。
それ以来ソランは少年達に混じり、アリーに神の国に行く方法を教わったり、その為にと銃器やナイフ等体術を教わった。幸いソランはその容姿と卓越した才能とで、誰にも女とばれることなく受け入れられたのだが。
そして、ソランはあの時のアイーシャと同じように瞳を見開く母に向かって、引き金を引いた。
ああ、あの時から間違っていたのだ。アイーシャを見捨てて一人、逃げたあの日から。
一度転がり落ちたら止まらないように、弱い心を守ろうと必死で戦って。
気づいたら刹那は銃器を持って血の海に一人立っていた。
『ソラン』
聞き覚えのある優しい声。刹那は思わず銃器を音源に向けようとした。だが声の
主は現れない。
『ソラン』
ヒタリ、ヒタリ。気づいたら血の海に一人の少女が立っていた。あの時と同じ、
ようやく今の刹那位の歳の少女。ただし、痩せた体には不釣り合いなくらいに腹部が膨らんでいる。
『ソラン、おいで』
「くるな…」
『貴女も、女でしょ』
「違う!」
恐怖から引き金を引いた。だがカチャリと虚しく音を発するだけで、鉄塊はそれきり黙ってしまう。
刹那は小さく悲鳴を上げて銃器を捨て、アイーシャから後ずさる。ぬるついた血が足に絡まるかのように思ったように進まない。
「嫌だ!」
『ソラン』
伸ばされたか細い手から逃れるように、刹那は必死で逃げた。この血の海はどこまで続くのだろう、逃げても逃げてもぬるついた感触は消えない。
不意にドンと背に何かが当たった。しまったと思う前に刹那は足を取られ、生ぬるい海に尻餅をついてしまった。
まとわりついてくる血、伸ばされる手。言葉にならない叫びをあげながら必死で立ち上がろうとすると、誰かに腕を掴まれ立たされた。
ロックオン?
助けに来てくれたのか?
だが希望に満ちて振り返った刹那を支えていたのは、歪んだ笑みを浮かべた金髪碧眼の男―グラハム・エーカー―だった。
刹那は悲鳴をあげて振り払おうとしたが、グラハムの力は強く離れられない。それ処か手が鎖のように絡みついてきて息が出来ないほど抱きすくめられた。
『貴女もこうなる』
恐怖に震え足に力が入らなくなった刹那の腹部に、アイーシャの冷たい手がヒタリと置かれた。途端に疼く下腹部に、刹那は吐き気がしてさらに力が抜けていく。
「君はもう私のものだよ、刹那」
耳元で湿った吐息と共に甘く囁かれた言葉は、死刑宣告のように刹那の心を綺麗に粉々にして。
刹那は絶叫した。
生臭い血の海の中心で、苦しい程に抱き締めてくる男とぬるりと腹部を撫で上げ
てくる女の哄笑の中で、刹那は喉が潰れて声を失っても、ひたすら声なき叫びを上げていた。
「ぁあ……っ!?」
がばりと起き上がり刹那は目を覚ました。冷や汗がタンクトップをぐっしょりと濡らし、シーツにまで到達している。
ここはクルジスでも血の海でもなく、宇宙にあるトレミーの個室であるこてに気づかされて思わず荒く安堵の息を吐いた。しかしその途端胃がせりあがるような吐き気をもよおし、刹那はベッドから転がり落ちるようにして洗面台に向かった。
胃の中にあったものを全て押し出し、蛇口をひねって刹那はそのまま洗面台前にがっくりと膝をついた。
また、この夢…!
あの日から―あのユニオン兵に凌辱を受けた忌々しい日―刹那は定期的にこの夢を見る。壊れたビデオを何度も何度も再生されているようで、忘れたはずのかつ
ての記憶と先日の屈辱が入り交じり、最近では回避しがたい嘔吐感までするようになったのだ。
「くそっ…!」
弱々しく洗面台を叩き、刹那は鏡を見上げた。少しこけた頬と目の下に広がる青黒い隅を忌々しげに見つめる。
ここ最近は特に酷く、毎日のようにこの夢を見て睡眠導入剤を使わなければ満足に睡眠もとれなくなった。食事もこうして全て吐き出してしまうため最近は点滴を受けているが、筋力が確実に衰えているのがわかる。
唯一の救いは不摂生な生活の為かここ数ヶ月生理が来ないで任務から外されないことか。
しかしこのまま衰弱していけば、ガンダムを…エクシアを、降ろされるかもしれない。ただでさえ凌辱されたことを隠すためにメディカルチェックを受けていないのだから、そろそろスメラギも怪しみ出すかもしれない。
想像したくない。
エクシアから離され、また無力になっていく自分が。
これが、報い?
アイーシャを見捨て自分だけ男として生きようとした愚かで弱いソランに対する報いなのか?
(…これなら、あの時殺された方がましだったのか…?)
ドクリドクリと下腹部が意識を持ったかのように疼き、刹那はたまらず出すものはもうないというのにえづいた。
あの時から刹那の体は得体の知れないものに蝕まれていくようで。
「グラハム・エーカー・・・」
刹那を組み敷き、屈辱的な行為をした男。
だが何故、刹那をあの時逃したのだろう?救出はユニオンの方が早かったと聞くのに。
生き残った刹那を惨めな目にあわせたいから?
それとも・・・何かをたくらんでいるのだろうか?
「許さない・・・」
鏡に爪を立て、刹那はふらつく体を無理やり起こした。口からポタリと胃液が落ちるが無理やりぬぐい、シャツの隙間から未だ残る情事の痕を、鏡越しに見て、憎悪で顔を引きつらせた。
大好きだった姉のような存在を見捨ててまで女を捨て、弱者で蹂躙されるだけの存在ではなくなったというのに。
大切なエクシアを傷つけ、刹那を陵辱し不可解なことに捕らえなかった男。
首に微かに残る赤い痕をがり、と引っかくと、幾筋もの鮮血が刹那のタンクトップを染め上げていく。
こんなことになってしまった自分の弱さが許せない。だがそれ以上に憎いのは。
執拗にまで攻め立て、散々刹那の隠していた性を暴きぐちゃぐちゃにしていったあの男。
「必ず・・・今度は・・・」
血痕がついた指先を力強く握り締めた。
報いはいつか受ける。性を捨て、大切なものを見捨てたソランにいつか裁きはくだるだろう。
だが、今は、なすべきことがある。生きなければならないのだ。
紛争の根絶と、あの男への復讐を。
生かしておいたことを、後悔させてやる。
ぼたぼたと白い洗面台に血痕と爪が突き刺さり溢れだした血が流れていく。だがその痛みを気にせず、刹那は憎悪に身を焦がしていた。
アリーに連れられ初めてこのアジトに来たとき、妹のように可愛がってくれたのがアイーシャだった。
この頃から刹那は働く為に男の格好をしていたがまだ男女の性差が解らず、ある日ボサボサだった髪を彼女に綺麗にしてあげる、と言われた時にこそりと言われた言葉だった。
ナイフでざっくりと短く切られたソランの髪の端を整えながら、アイーシャは子守唄を歌うように、言い聞かせるように言う。
これから、月のものが来て胸が膨らんできても、女の子であることを言っちゃここでは駄目。
どうして?と幼いソランは問いかける。まだ幼い故にストールを巻かず、目鼻立ちは可愛らしいが短髪の為男の子にしか見えない。そんなソランの埃っぽいが柔らかな髪を撫でながら、アイーシャは優しく、悲しげに笑った。
私はもう女になってしまったけど、ソランなら大丈夫よ、と。男の子なら酷い目に合わないからと。
それだけ言ってアイーシャは目をそっと伏せた。彩度を失ったストールの下にあるのは艶やかな長い黒髪と、少し膨らんだ胸があることをソランは知っている。
大きくなったらアイーシャみたいに綺麗な女の子になりたいのに、どうして男の子になれと言うのだろうか?自分にはなれないのだろうか?
まだ幼いソランは少しばかりメイクが施されるようになったアイーシャの長い睫毛に覆われた瞳が深い悲しみに色どられていることに気づけなかった。
その夜、ソランは肌に突き刺さる固い藁の中で目覚めた。
暗い。ここはどこ?
藁が刺さった足が、腕が痒い。抜け出そうとソランはそっと耳から手を離すと、絹を裂くような悲鳴が聞こえた。
下卑た男の笑い声、女性の胸を切り刻まれるような叫び。何かがぶつかりあうかのような音と濃い血の匂いに、ソランは身動き一つ出来なくなった。
やめて、いたい、誰か助けて。
聞き慣れたアイーシャの叫び。いつだって優しく呼んでくれて、髪を掻き撫でてくれていた。憧れていたその姿が何人もの男に群がられ、ここからでは手と足しか見えない。
姉のような存在だった少女の甲高い悲鳴に、ソランはまた耳を塞いだ。
いや、
怖い。
あれは、なに?
身を縮め、胎児のように丸まり身を守る。
何も聞いてはいけない。何も見てはいけない。
幼いソランは藁の中で息を殺し、カタカタと震えた。
ソラン、助けて!!
その叫びにびくりと肩をすくませる。いやだ、呼ばないで。
アイーシャに群がっていた男が一人、此方に向かってきた。いやらしい笑みを浮かべ、ソランが隠れている藁に手をかける。
もし、ばれてしまったら、わたしもアイーシャみたいにされてしまうの?
未知への恐怖、泣き叫び蹴飛ばされ男に弄ばれるアイーシャを見てソランは嫌だと首をふった。
そして、同時に思い出した言葉。
男の子なら、酷い目にあわないから…
「俺は男だ!」
自ら手を出し、引っ張り出そうとしてきた男を精一杯、恐怖を押さえつけて所謂男の子のように睨み付ける。
途端に興味を失ったらしい男はつまらなそうにソランの首根っこをつかみ、邪魔するなと外に放り出した。
その際に絶望と悲しみに満ちたアイーシャと視線が交錯するが、必死で素知らぬふりをして。
その後は覚えていない。ソランは腰を抜かしかけていたが必死で足を動かし、家にたどり着いたことだけは覚えている。
それ以来ソランは少年達に混じり、アリーに神の国に行く方法を教わったり、その為にと銃器やナイフ等体術を教わった。幸いソランはその容姿と卓越した才能とで、誰にも女とばれることなく受け入れられたのだが。
そして、ソランはあの時のアイーシャと同じように瞳を見開く母に向かって、引き金を引いた。
ああ、あの時から間違っていたのだ。アイーシャを見捨てて一人、逃げたあの日から。
一度転がり落ちたら止まらないように、弱い心を守ろうと必死で戦って。
気づいたら刹那は銃器を持って血の海に一人立っていた。
『ソラン』
聞き覚えのある優しい声。刹那は思わず銃器を音源に向けようとした。だが声の
主は現れない。
『ソラン』
ヒタリ、ヒタリ。気づいたら血の海に一人の少女が立っていた。あの時と同じ、
ようやく今の刹那位の歳の少女。ただし、痩せた体には不釣り合いなくらいに腹部が膨らんでいる。
『ソラン、おいで』
「くるな…」
『貴女も、女でしょ』
「違う!」
恐怖から引き金を引いた。だがカチャリと虚しく音を発するだけで、鉄塊はそれきり黙ってしまう。
刹那は小さく悲鳴を上げて銃器を捨て、アイーシャから後ずさる。ぬるついた血が足に絡まるかのように思ったように進まない。
「嫌だ!」
『ソラン』
伸ばされたか細い手から逃れるように、刹那は必死で逃げた。この血の海はどこまで続くのだろう、逃げても逃げてもぬるついた感触は消えない。
不意にドンと背に何かが当たった。しまったと思う前に刹那は足を取られ、生ぬるい海に尻餅をついてしまった。
まとわりついてくる血、伸ばされる手。言葉にならない叫びをあげながら必死で立ち上がろうとすると、誰かに腕を掴まれ立たされた。
ロックオン?
助けに来てくれたのか?
だが希望に満ちて振り返った刹那を支えていたのは、歪んだ笑みを浮かべた金髪碧眼の男―グラハム・エーカー―だった。
刹那は悲鳴をあげて振り払おうとしたが、グラハムの力は強く離れられない。それ処か手が鎖のように絡みついてきて息が出来ないほど抱きすくめられた。
『貴女もこうなる』
恐怖に震え足に力が入らなくなった刹那の腹部に、アイーシャの冷たい手がヒタリと置かれた。途端に疼く下腹部に、刹那は吐き気がしてさらに力が抜けていく。
「君はもう私のものだよ、刹那」
耳元で湿った吐息と共に甘く囁かれた言葉は、死刑宣告のように刹那の心を綺麗に粉々にして。
刹那は絶叫した。
生臭い血の海の中心で、苦しい程に抱き締めてくる男とぬるりと腹部を撫で上げ
てくる女の哄笑の中で、刹那は喉が潰れて声を失っても、ひたすら声なき叫びを上げていた。
「ぁあ……っ!?」
がばりと起き上がり刹那は目を覚ました。冷や汗がタンクトップをぐっしょりと濡らし、シーツにまで到達している。
ここはクルジスでも血の海でもなく、宇宙にあるトレミーの個室であるこてに気づかされて思わず荒く安堵の息を吐いた。しかしその途端胃がせりあがるような吐き気をもよおし、刹那はベッドから転がり落ちるようにして洗面台に向かった。
胃の中にあったものを全て押し出し、蛇口をひねって刹那はそのまま洗面台前にがっくりと膝をついた。
また、この夢…!
あの日から―あのユニオン兵に凌辱を受けた忌々しい日―刹那は定期的にこの夢を見る。壊れたビデオを何度も何度も再生されているようで、忘れたはずのかつ
ての記憶と先日の屈辱が入り交じり、最近では回避しがたい嘔吐感までするようになったのだ。
「くそっ…!」
弱々しく洗面台を叩き、刹那は鏡を見上げた。少しこけた頬と目の下に広がる青黒い隅を忌々しげに見つめる。
ここ最近は特に酷く、毎日のようにこの夢を見て睡眠導入剤を使わなければ満足に睡眠もとれなくなった。食事もこうして全て吐き出してしまうため最近は点滴を受けているが、筋力が確実に衰えているのがわかる。
唯一の救いは不摂生な生活の為かここ数ヶ月生理が来ないで任務から外されないことか。
しかしこのまま衰弱していけば、ガンダムを…エクシアを、降ろされるかもしれない。ただでさえ凌辱されたことを隠すためにメディカルチェックを受けていないのだから、そろそろスメラギも怪しみ出すかもしれない。
想像したくない。
エクシアから離され、また無力になっていく自分が。
これが、報い?
アイーシャを見捨て自分だけ男として生きようとした愚かで弱いソランに対する報いなのか?
(…これなら、あの時殺された方がましだったのか…?)
ドクリドクリと下腹部が意識を持ったかのように疼き、刹那はたまらず出すものはもうないというのにえづいた。
あの時から刹那の体は得体の知れないものに蝕まれていくようで。
「グラハム・エーカー・・・」
刹那を組み敷き、屈辱的な行為をした男。
だが何故、刹那をあの時逃したのだろう?救出はユニオンの方が早かったと聞くのに。
生き残った刹那を惨めな目にあわせたいから?
それとも・・・何かをたくらんでいるのだろうか?
「許さない・・・」
鏡に爪を立て、刹那はふらつく体を無理やり起こした。口からポタリと胃液が落ちるが無理やりぬぐい、シャツの隙間から未だ残る情事の痕を、鏡越しに見て、憎悪で顔を引きつらせた。
大好きだった姉のような存在を見捨ててまで女を捨て、弱者で蹂躙されるだけの存在ではなくなったというのに。
大切なエクシアを傷つけ、刹那を陵辱し不可解なことに捕らえなかった男。
首に微かに残る赤い痕をがり、と引っかくと、幾筋もの鮮血が刹那のタンクトップを染め上げていく。
こんなことになってしまった自分の弱さが許せない。だがそれ以上に憎いのは。
執拗にまで攻め立て、散々刹那の隠していた性を暴きぐちゃぐちゃにしていったあの男。
「必ず・・・今度は・・・」
血痕がついた指先を力強く握り締めた。
報いはいつか受ける。性を捨て、大切なものを見捨てたソランにいつか裁きはくだるだろう。
だが、今は、なすべきことがある。生きなければならないのだ。
紛争の根絶と、あの男への復讐を。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
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管理人:流離
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更新停止中。twitterで色々妄想してます。
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