OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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遅くなりましたーグラ刹♀連載第2話。今度はハムパートです。
ちなみにハムはまだ刹那の性別に気づいてません。
ちなみにハムはまだ刹那の性別に気づいてません。
「くっ・・・」
額をぬるりと伝う生暖かい液体の感触に、グラハムは意識を取り戻した。
薄く目を開けば、バイザーの遮光ガラスが割れたのか、新鮮な空気が顔に入ってくる。
次に気づいたのはコックピットから覗く強い光と、砕けたモニターの液晶の破片がパイロットスーツに突き刺さっているという事実。確認するまでもない、フラッグは大破していた。
頭を強く打ち付け切ったようだが、幸い命に別状はない。
全身打撲と額の傷が何針か、といった所だろうか。
カタギリに「君は無駄に運がいい」と呆れられたことがあったが、機体があの状態でこの程度の軽症とは、自分はほとほと悪運が強いようだ。
とりあえずいつまでも座っていてもしょうがない。軋む体を無理矢理動かし、扉の隙間に手を差し込み力を入れる。思ったより容易く、しかし嫌な音を立て光が大量に差し込んできた。バイザーも壊れた今、遮光されていた目にダイレクトな光が差し込み自然と瞳孔が収縮していくのがわかる。
「これは・・・よく生きてたものだな。」
自分でもそう呆れずにはいられない程、フラッグの損傷は酷いものだった。衝撃に両手足が飛び、少し離れた場所に突き刺さってパチパチと火花が飛んでいる。コックピットだけが潰れながらもかろうじて残っていた。並のフラッグだったら確実にコックピットごと爆散していただろう。亡きプロフェッサーとカタギリに感謝だ。帰ったらスパナで殴られそうだが。
「しかし、私はほとほと我慢弱いな」
目の前に舞い降りた、天上人の代行者。
その輝く美しさと冷徹なまでの強さに、初めて目にした時から強く惹かれていた。それこそ、魂を揺さぶられる程に。
触れたかった。
近づきたかった。
しかし分を弁えず空に見境なく手を伸ばした故に、ふと背後を見れば追い求めた故に大切な部下を失っていたことにようやくきづかされた。
憎い。
冷徹な天使は此方を目もくれず、黙々と奪い去るのみだ。
愛しい。
しかしそれ故、もっと欲しくなる。
あの蒼天を駆ける光を奪い、翼をもいで、二度と天上に帰らなくしてやりたい。
愛と憎しみは表裏一体とは、よくいったものだ。
そしてその思いは膨れ上がり、ユニオンの領域に現れたと聞いて、血が沸騰するような激情が込み上げた。
そしてカタギリの制止も構わず思わず単機出撃してしまったのだ。
部下はもう殺させない。
今日こそ終わらせようと、見境いなく襲った。その結果、ガンダムとともに墜落したわけだが。
「さて、どうしたものか」
頼みの綱はこの携帯端末だが、どうもノイズ混じりで機動しない。体を打ち付けた時に壊したか?
いや・・・近くにガンダムが、いる。
増援が来たか、それとも潜伏しているのか。
「どうやら堕天させることには成功したようだが」
苦笑混じりに呟いてみるも、愛機がこうなっている以上、滷獲は不可能だ。それ以上に増援が来れば自分の命さえ危うい。
どうしたものか。
だが頭を抱える前にナイフの切っ先のようなチリッとした鋭い殺気を感じ、グラハムは一瞬にして思考を止める。
そして万が一の為安全装置を外していた銃を振り向きもせず、後ろ手に、視線の先に撃った。
キンッと弾ける金属音。
「・・・ッ!」
ゴトリ、と跳んだ銃が落ちる。
「無粋だね」
そう微笑み振り返れば、右手を押さえる人影があった。
ヘルメット越しで顔は見えないが、随分と小柄である。子供だろうか。空のような鮮やかな青のパイロットスーツ―グラハムが追い求めたガンダムの色と同じ―を身にまとう姿は、到底戦闘員に見えない。
だがその身から放つ殺気は、軍人であるグラハムでさえも背筋が凍りつくかのような鋭いものだった。
殺意というものをどうしたらこうも無駄なく、針のように収束できるのだろうか。
しかし、その視線のおかげで彼の正体がわかった。
機体ごしにしか存在を確認できなかった、しかし確実に焦がれ、憎悪していた断罪者。
「不意打ちはよくないな、ガンダムのパイロット!」
瞬時に全身に駆け抜けた興奮。
無意識にぐにゃりと口を歪めると、相手がたじろいたかのように身を固くした。
だがそれはほんの一瞬。どこからかナイフを取り出すと、臆せずこちらに突っ込んで来た。
日光に照らされ銀の閃光が刹那に垣間見える。
ガンダムと全く同じ、真っ直ぐ斬り込んでくる動きに、グラハムは機体に乗っているかのような快感が走った。
銃を向けても間に合わないことは明白。即座にグラハムも銃を捨て、サバイバルナイフに持ち変えた。
的確に急所に向けられた凶器を予測し、受け止める。金属音と火花が走った。
「まさかこうして君と、直接戦えるとはねっ!」
「・・・!」
つばぜり合いをしながら、頭一つ下のパイロットの姿を見る。相変わらず光が反射し顔は見えない。
しかし今までナイフを見つめていたパイロットが顔を上げた瞬間、一瞬彼の力が抜けた。
保たれていた力の均衡が崩れる。この好機を見逃すはずもなく、グラハムは一気に相手のナイフを弾き飛ばした。
弧を描いて跳んだナイフ。それを確認する間もなく、グラハムはパイロットを押し倒していた。
相手のヘルメットが石に当たり、嫌な音がする。
「うあっ!」
思っていた以上に幼い声に一瞬驚いた。が、直ぐに意識を戦闘に戻し、尚も抵抗しようともがくパイロットの鳩尾に一撃を加えた。
「・・・っぁ」
頼りない感触。小さな体が跳ねた。
グラハムに掴みかかろうと振り上げていた手は糸の切れたかのようにゆっくりと力を失い、やがて肩に落ちた。
静止したパイロット。
一応用心して片手で両手を拘束しつつ、片手でヘルメットに手をかけた。
純粋に、ここまで自分を魅了してきたもののパイロットに興味があったのだ。
だがヘルメットがとられ現れた幼い顔に、グラハムは息を飲む。
ふわりと顔に落ちた黒髪。
白人にはない、つるりとしたシナモン色の肌。
長い睫毛に覆われた瞼の下にある瞳の色を、グラハムは知っていた。
『軍人の貴方が、そんなことを言うのですか?』
「少年・・・?」
間違いない、アザディスタンで出会った子供だった。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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