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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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ロク刹前提ライ刹♀です。
とりあえずライルが急にへたれになってびっくりしました。
兄貴の呪いか?
鬼畜ですれたライルを書くはずがただのへたれになってびっくりした。ディランディ家は遺伝子レベルでへたれですからいいですよね?
次でshadowシリーズは完結です。

あ、今日ポッキーの日でしたね。
グラ刹の場合ポッキーゲームは我慢弱いのでポッキーを即効でハムが折ってそのまま押し倒すと思います。ニールはこういうの好きそうですよね。それで刹那に呆れられればいいです。
ブシ刹は仮面のせいでポッキーゲームは不可能だと思います。せっさんにささるわあの仮面。


あれ以来刹那とは必要最低限にしか話していない。
当然だ、強姦に近いことをして顔向け出来るほど俺は厚顔ではない。いや、ヤり捨てても平気なふりをする非道な男になりきるつもりだったが、時折責めるわけでもなくただ悲しげにみつめてくる彼女の朱色の瞳が怖かったのだ。
カタロンのスパイジーンワンでもガンダムマイスターでもない、ただのライルに向けられる視線が。
刹那はいつも通りに用がなければ話さないタイプなので幸い最低限の会話だけですませられた。元々CBに来て日が浅い為にあまりメンバーとも交流を持たずにいたから別段気にする人間もいなかった。
ティエリアだけが微妙な変化に気付き問い詰めてきたことはあったが、話を逸らすように冗談を言えば彼女は形の良い眉を釣り上げ、興が冷めたといわんばかりに背を向けた。
彼女の鮮やかな赤は兄と同じ形をしているのにまるで違う俺に失望したかのように暗く、またフェルトはあんな仕打ちをしたというのにあのキスなんてなかったかのように彼女は表情を圧し殺しつつも、未だすがるような何かを視線から感じた。目が合えば反らされるが、もう刹那やティエリアに殴られたくはないのでちょっかいは出さないことにしているが。

結局ここにいる連中は、先代ロックオン・ストラトスたる兄の影にいつまでも引き摺られているのだ。勿論、俺も。

双子というのは、容姿も能力も近いから自然と些細なことでも比べあうものだ。幼い頃は下らないこと、例えばテストの一点差や身長の一ミリの差でも互いに張り合っていたが、まさか29となった今でもそれに引き摺られるなんて。

同一に近い存在故に、少しでも違いに気づいて欲しかった。アイデンティティーを確立したかった。
同時に、片割れより劣るとは思われたくなかったのだ。
双子とは魂が分かたれた存在というのは本当らしい。
互いに反発しあうものの、元の魂に戻るため、絶えず同一を目指そうとしている。
それに気づいたのは片割れを失い、兄と同じ環境に置かれているからだろうけど。

ティエリアやフェルトに兄と同じものを求められたくはない。
だが、刹那のように別人として切り離して見られるのも嫌だ。鏡を覗けば、自分の鏡像と視線があう。きっと兄と相対すれば
こんな風に見えるのだろう。

「俺は何を求めてるんだろな、兄さん」

鏡像に手を這わす。
しかし情けない顔をした己の鏡像は、何も答えずただ虚ろな視線を向けてくるだけであった。



久しぶりに休暇を貰い、カタロンヨーロッパ支部に報告した後ライルは久々になじみのアイリッシュパブに足を運んだ。
今時珍しい木の扉を開けば落ち着いた照明と音楽、ウィスキーの芳醇な匂いがし、ああ故郷に帰って来たのだと実感する。
オンザロックのアイリッシュウィスキーを煽ればチリチリと喉が焼かれ、胃に熱い液が浸透する。
これがたまらない。
周囲はまだ少し仕事帰りには早い為か人は少なく、照明に琥珀色の液体が入ったグラスを透かし、ゆらゆらとガラス片のように輝き揺れる氷を眺めていると、チリンと来訪者を告げるドアにつけられた鈴の音が聞こえた。
さして興味もなくまた一口ウィスキーを口にすると、マスターが紳士的な声音でご注文は?と来訪者に問いかけた。

「ミルクを」

思わずウィスキーを吹き出しそうになった。
バーに来てミルクはないだろ、と珍妙な客を一目見ようと振りかえれば、見慣れた小さな人影。

「…刹那?」

カウンターに向き合っていた刹那がゆっくり振り返る。その姿に先日の気まずさを覚えると同時に何故かデジャヴを感じ、何故彼女がここにいるのだろうと考えるよりも先に首を傾げれば、苦笑するマスターにミルクを受け取った刹那がカツカツと歩みを向けてくる。

「スメラギからの指令だ。俺と二人のミッションだからここから向かった方が早い」

明朝から行動開始だと刹那は一方的に言うとメモリースティックを机に置き差し出す。
GPSでつけられていたのか、と思う前に目の前の刹那をしげしげと見つめた。
傍らに置かれたミルクのグラス。
普段のラインが強調されるCBの制服ではなく、男物のコートを身に纏う姿はどこからみても少年に見え、そしてどうも見覚えがあって。

「どうした?」

刹那が視線を上げる。印象的な赤は絞られた照明によって暗赤に輝いていた。
すると抜け去っていた記憶のピースが、ぱちりと合い靄が晴れる。

「お前さ、ここで前に会ったよな?」




「ははっミルクのにーちゃんがまさかお前だったなんて」

カラン、とグラスを回しながら笑えばむっとした顔で刹那はミルクをちびちびと飲む。
その姿は成人しているというにはあまりにもあどけなく、よく未成年と聞かれなかったなと思いながらしげしげと眺めていると、刹那は機嫌悪そうにライルを睨み付けた。

「…酒はコンディションに影響を及ぼすから控えているだけだ」
「本当かー?飲めねぇんじゃないの?」
「…」

黙り込んだものの相変わらず苛烈な視線で睨み上げてくる刹那に苦笑すると、「そうだ」と言ってライルはカウンターに体を向けた。

「マスター、カルーアミルクを一つ」

原液のウィスキーを平気で煽っていた人間が注文するとは思えないそれに刹那は眉を潜める。
運ばれてきたそれを、ライルは刹那の方へずい、と押しやった。

「前は結局返してやれなかったからな」
「…別にいらない」
「年下は素直に奢られろよな」

不服そうな刹那にそう言うと、ライルはぴっと天に指を立てた。くせのようなものだ。

「俺の奢りだ」

その瞬間、興味なさそうに目の前のカフェオレに近い色のそれを怪訝な顔で見下ろしていた刹那の顔が硬直する。
ライルとしては一年前に返せなかったミルクの分と、傷つけてしまったお詫びにと無意識に口から出た言葉だった。
何だ?
ズクン、と心拍数が高まる。
刹那の瞳孔は細められ、信じられないものを見たかのようにライルを見つめた。
まるで、幽霊でもみたかのような顔だ。
刹那がそんな目で見てくるのは初めてだった。
プトレマイオスでのクルーの初対面の時の反応に似ているが、何かが違う。
言葉を口に出してから、何故かライルも胸を締め付けられたような息苦しさを感じたのだ。
だが刹那は驚愕からふっと一瞬で表情を変える。
口元には、何故か寂しげな、まるで自嘲するかのような笑み。

「有り難う」

刹那の笑みを初めて見てぽかんとしているライルを前に、刹那はカルーアのグラスを取り、甘い甘いそれを口につけた。







「おい、大丈夫か」

普段は笑みを絶やさないライルは眉をひそめ、困ったような、げんなりとした顔で目の前の彼女を見つめている。
ライルが知る刹那は、いつも無表情で虚空を睨み付ける厳しい表情を浮かべていた。たまにティエリアやフェルト逹に向けて表情を和らげたりはするが、張りつめた弦のような緊迫感がそこにはあった。ライルに抱かれている時でさえもだ。
だが今目の前にいる彼女は何だ。
口元には朗らかな笑みを浮かべ、先程の不機嫌な顔なぞ影も見えない位に上機嫌でカルーアを煽っている。
刹那の意外な一面を発見、という所ではない。満面の笑みは端からみれば可愛らしくはあったが、目は完全に据わっていて違和感すら感じる。
むしろ怖い。

「あのロリコンはいい歳にもなってマンネリ打破と称して俺に猫耳やらメイド服を着せようとした…」

しかも聞きたくない今は亡き片割れの恥ずかしき行いというか悪行?をカミングアウトしまくっている。
思い出は美化されるというか、ライルに対する態度から兄は相当人格者だったのかと思えばどうやら相当マニアックな趣味をお持ちだったらしい。
なんというか、聞かないでいたかった。その場にいなかった何の罪もないこっちが何故か謝りたくなる。

「大体14の時に手を出すというのは今考えるとまずいと思わないか?しかも兄弟そろって手が早いし…ディランディ家は歪んでる」
「すみません刹那さん本当に申し訳ありませんでした」

兄をけなすように見えてライルの傷口も確実に抉る言葉に兄の分も兼ねてライルは土下座した。
まさか酒を飲むとここまで口が軽くなるなんて。自制するわけだ。
刹那にカルーアを与えた自分に後悔しつつ、上機嫌で生前の兄やかつてのティエリアの愚痴を言う刹那を眺める。
兄はこんな刹那を見たことがあるのだろうか?
いや、ないだろう。兄は成長期であった刹那を大事に思って酒なんて飲ませなかったはずだ。まあ未成年に手を出していたので一概にあり得ないと切り捨てることは出来なくなった。
しかしあんなに大切に想っているだろう先代ロックオンをここまでこき下ろすなんて。
兄さんも随分へたれだったようだ。双子というものは恐ろしい。
だがそろそろ兄の情けない話カミングアウト大会を止めて欲しい。
(…そう言えばカルーアって何だかんだ言って度数高いんだよな…)
牛乳を加え甘くカフェオレ感覚で軽く飲める為に、ことに女性は飲み過ぎて酔い潰れることが多い。ライルには軽々と飲めるものだが、ここはさらにアイルランドのバーだ。異国人の刹那には少々きつめにアルコールが入れてあるはず。
かつての仲間でカルーアやスクリュードライバー等飲みやすいカクテルで女をちゃんぽんにしてお持ち帰りするという卑劣な奴がいたなー、と半ば諦感の中考えていると、「酒が足りん!」と空のグラスをどん、と置きながら刹那が叫び、ライルの氷が溶けたウィスキーに手を伸ばした。

「お、おい馬鹿っ!」

氷が溶けているとはいえアイリッシュウィスキーは屈指のアルコール度数を誇る。
そんなものを刹那が飲んだら、と青ざめ手を伸ばすも既に遅く、刹那は腰に手を当てウィスキーを煽ってしまった。
だがこくりと喉が動いたと思ったら、顔を赤くさせた刹那は目を白黒させる。
そしてグラスは手から離れ、ごとりと机に落ち中身を盛大にぶちまけた。

「あ、おい!?」

そして目を見開いたままゆっくりと体が傾いで、慌ててライルは崩れ行く刹那を支えた。

「ほら言わんこっちゃない…」

呆れた、と思いつつも力の抜けた彼女を支える。ぐったりとライルの胸に寄りかかる刹那だったが、ぴくりとも動かない。

「おい?」

不安に思いひっくり返して見れば、赤い顔のまま目を瞑り、心地よさそうに寝息を立てている刹那がいた。
散々暴れてすぐ寝るかっつーの。どんだけ酒が弱いんだ。
そして半分合意なしの行為を強いた男に、どうしてこんな無防備な顔を晒すんだ。
しかも刹那を休ませるには近くにあるそっち系の安宿にそのまま泊まるしかない。さすがに抱っこして指定のホテル連れて行くには目を引いてしまう時間帯だ。

「まじで…?」

泣きたくなる気持ちを抑え助けを求めてマスターを振り返った。
年老いたマスターはグラスを磨いた手を止め、グッドラックといわんばかりの飛び切りのスマイルを浮かべてきた。
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