OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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二期でロク刹前提ライ+刹+フェルな話。
こんな出会いだったら…の捏造。
ちなみに歌は「夏の残りの薔薇」です。日本では庭の千草?というタイトルですが歌詞は全然違うようです。
ちなみに某方に「男の子せっちゃんも思い出して」といわれたので(笑)珍しく男の子せっちゃんです。
あと忍さんがメンテのようなのでまたサイトの方に上げときます
(多すぎだよ…全く)
こんな出会いだったら…の捏造。
ちなみに歌は「夏の残りの薔薇」です。日本では庭の千草?というタイトルですが歌詞は全然違うようです。
ちなみに某方に「男の子せっちゃんも思い出して」といわれたので(笑)珍しく男の子せっちゃんです。
あと忍さんがメンテのようなのでまたサイトの方に上げときます
The Last Rose of summer
新しい戦艦。新しい空気。
それでも窓の外から見える風景は、見知った漆黒のビロードと、ダイヤモンドがぞんざいに散りばめられたようなもので。
プログラムや機体整備を手伝っていたフェルトは、イアンに休憩を貰ったので廊下を進んでいた。
どうせすぐに鬼のように忙しくなる。
そう笑って頭を撫でてきたイアンも、目の下には隅が出来き無理をしているのはよくわかる。
それはそうだ。200年もかけてようやく動き出したCBを、たった4年の間で再興させたのだから。
そう、たった4年。
クリスティナやリヒテンダール、そしてあの人が消えたのも。
ふと、メロディが聞こえた。
アルトからテノールの間の、甘さはないが冴えた耳障りのいい歌声。
歌詞は聞き取れない。音程はとれているが、子供がお手本をなぞるようにどこかたどたどしくて、それでも精一杯歌っているのがわかるので好感を持てる。
聞いたことがないはずなのに、胸を締め付けられるような、寂寥を感じるメロディだった。
無意識のまま、フェルトは声に導かれるように進み、末端にある展望スペースについた。
歌詞は聞き取れないのではなく、はなからなかったのだ。
澄みきった歌声に聞き入っていたいのと邪魔をしては悪いかと躊躇したが、結局することもないので扉に近づく。
扉が開くと、宙の様子がありありと映されるモニターの前に、一人の青年が立っていた。
「…刹那?」
呼び掛ければピタリと歌うのをやめ、ゆっくりと青い制服を見にまとった刹那が振り返った。
4年前はフェルトより少し大きい位だった身長も伸びてフェルトを見下ろしている。細身だが身体つきはしっかりとし、
視線の強さだけは相変わらず、石榴石のような苛烈な瞳が輝いていた。
「…フェルトか」
だがフェルトとわかると太陽のような射ぬく視線を和らげ、少しだけ気まずそうな顔をする。
随分と刹那も変わった。昔は呼び掛けても返事をしないで、ちらりと見てすぐに顔を背けた。
世界を拒絶するような態度に大人は随分手を焼いたみたいだが、今では無愛想さは変わらないがこうして反応してくれる。
きっと月日だけが彼を変えたのではない。
彼の、おかげ。
「…久しぶり」
「…ああ」
フェルトが窓の前に来ると、刹那は場所を少しあけた。
こうして会話するのも、久しぶりだ。刹那は放浪の旅に出ていたらしいし、フェルトも再建に忙しかった。
低くなった声も、隣に立ち宙を見つめる横顔も、大人びていて、少しだけ慣れない。
元々コミュニケーションが苦手だった刹那とフェルトだが、不思議と彼といる時間に気まずさを感じなかった。ただぼんやりと二人で、ぽっかりと広がる闇の中に星屑の浮かんだ宇宙を見つめている。
「…歌」
「?」
「歌が、聞こえたの。それに釣られてきたんだけど…何の、歌?」
そう問えば、刹那は驚いたように僅かに目を見開き、フェルトからふいと顔をそらした。
聞いてはいけないことかと心配したが、彼の耳が赤味を帯びていることに気付き、照れているのかとくすり、と小さく笑みを溢した。
「笑ったか」
少しだけむすっとした声に、ああ変わっていないと笑う。だがこれ以上機嫌は損ねられないと、フェルトは笑みを頑張って噛み締めた。
「ううん、でも、綺麗」
そう呟くように言えばますます耳を赤くする彼が、4年前の子供らしさを残していることに気付き、嬉しくなる。そして、随分と表情が和らいだ。
最もフェルトも昔は生真面目で、クリスにからかわれるだけだったのに、ささやかながら人をからかうことが出来るようになった。
彼女のおかげ。
窓辺に移る、彼女に似せた一つ結びを見て微笑んだ。
そんなフェルトの柔らかな表情を見て刹那は憮然とした顔を僅かに緩め、窓に顔を向けた。
見つめる先は、白く揺れるように光度を変える星逹に。
「…アイルランドの、古い歌らしい」
「え?」
「ロックオンがたまに、歌っていた。」
歌詞はよく聞き取れなかったが、と刹那は呟いた。
胸が無意識に締め付けられたのは、そのせいだったのか。
彼の歌声には、ただのメロディとしてだけではなく、深い哀惜と、思慕が含まれていたから。
同じ人を好きだったから、よくわかる。
最も、あの人はいつも、刹那を見ていたのだけど。
そして刹那も、彼だけには少ないけど無意識に穏やかな表情を見せていたのだから。
どういう状況で、彼は刹那に歌い聞かせたのだろう。
フェルトには預かり及ばないところで育まれてきた絆に、ちくん硝子の破片が刺さったように、4年前のままの脆い心が傷んだ。
だけど、じっと星を映す刹那の暗闇に燃える緋色の瞳には、凪のようにとどまり続ける悲しみがあった。
思い出しているのだろうか。
彼を失った日のことを。
「歌って」
フェルトは刹那の手にそっと触れた。大きくて、少し節ばった手は、彼に少しだけ似ていた。
「最後まで、もう一度」
刹那は彼に、鎮魂の歌を捧げていたのかもしれない。
4年ぶりに宇宙に帰り、彼の輪郭を思い出しながら。
それは彼を失ってしまったということを明確に自覚させてしまうことであり、またありし日の彼の優しさを思い出し、決意を改める為だったのかもしれない。
思いを継ぐ、ガンダムマイスターとして。
そしてフェルトもまた、クリスティナ逹や両親、そして彼の思いを継ぐのだ。
刹那は最初フェルトの真剣な顔をただ見つめていたが、やがて、窓に顔を向けて口を開いた。
気恥ずかしいのか小さな声。
だがそれは展望テラスに広がり、反響し、優しい音色となってフェルトに染み込んでいく。
そしてフェルトは刹那の歌声を彼に重ね、彼が消失した空に届けと、そっと目をつぶる。
宇宙の真空状態では音は伝わらない…何より、ここは、宇宙艦の中。
だが、彼はきっと、聞いてくれている。
そう信じたかった。
'Tis the last rose of Summer,
Left blooming alone;
メロディだけのはずの歌声に、歌詞が重なった気がした。
フェルトが気付き、瞳をあける。
All her lovely companions
Are faded and gone;
刹那も気付き、歌声をやめた。
だが歌は止まらない。
刹那の声が消え、甘さの含んだテノールが、どこからか聞こえてくる。
No flower of her kindred,
No rosebud is nigh,
フェルトは目を見開いた。フェルトが想像した、彼の歌声にそっくりだった。
刹那もまたフェルトを一瞬見つめ、そして声のする方に顔を向けた。
シュンッと扉が開いた。
それと同時に扉にさえぎられていた歌声が、ダイレクトに響く。
そして、それと同時に、姿も露になった。
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh!
余韻を残して、歌は終わる。
二人とも、声を出せずに立ち尽くしていた。
視線の先にいたのは、緑の制服を見にまとった…彼と、瓜二つだったのだ。
彼の青い瞳がゆっくりと広がり、そして問いかけてくる。
「逢瀬の所、悪いけど…」
なんでこの歌知ってるんだ?
訝しげに首を傾げた青年に、刹那とフェルトは声すらだせず、ただ彼と、ロックオンと全く同じ容姿をした男を、見つめることしかできなかった。
夏の名残のバラ
一人寂しく咲いている
他の花々は既に枯れ散り
近しき花も芽も消え失せた
美しいバラ色を思い起こせば
ただため息をつくばかり
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
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