忍者ブログ
OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



[269]  [268]  [267]  [266]  [265]  [264]  [263]  [262]  [261]  [260]  [259
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

メンテナンスながっ・・・!告知し忘れて申し訳ございませんでした。
昨日は母の日だったので今年はイタリアビールとお酒のチョコをあげました。そしてわけてもらったら思い付いた話です。
ちなみにチョコだからって沢山食べると本当に酔うらしいです。美味しいんですけどねー・・・
ロク刹でとりあえず砂を吐く位の甘さで。♂♀どちらでも大丈夫です。ちょっといかがわしいかも。





甘い毒薬


クリスとフェルトから渡されたものを見て、自室でロックオンは思わず頭を抱えたくなった。
ベッドの上には小洒落た菓子箱と、真っ赤なカーネーションが一本。おまけに「いつも有り難う」とフェルト直筆らしき可愛らしいメッセージカードが差し込まれていた。
俺はオカンか。
面倒見のいいことは自覚していたが、男が母の日にものを贈られると悲しいものがある。妹のように思っていたフェルトはともかく、歳の近いクリスにまでそう思われていたなんて・・・
せめてスメラギさんに渡せよ、とかバレンタインの方がうれしかったのになぁと考えつつも、あの不器用な少女が一生懸命メッセージを書いてくれたと考えると自然と頬が弛んだ。

「ま、いっか」

宇宙で入手するのは大変だっただろうカーネーションを適当な空ボトルに水をいれて差し、赤いリボンをほどいて菓子箱をあけると、濃厚な酒の匂いが部屋を満たした。

「ウィスキーボンボンか。へぇ」
一つ摘まんで、白と茶色のマーブル状の丸い殻に覆われたチョコを見つめた。
父がよく好んでいて、幼い頃両親の目を盗んではこっそりライルとエイミーとで食べていたものだ。
最初は濃厚で喉が焼けるようなウィスキーに、三人揃ってむせて見つかってしまったのだが。
それでも大人になった気分を味わいたくて、背伸びして食べてやっぱりむせて叱られて。
子供心にはチョコだけの方が美味しいとはわかっていたのだが、三人の秘密とばかりに笑いあって、慣れない酒にぐらりと目眩を起こす感覚は楽しかった。
もっともあの日平和が崩れ去った後は、寂しさとやりきれなさを紛らわすように酒をあおり、気付けば生のアイリッシュウィスキーを平気で飲める大人になっていたのだが。
懐かしさと若干感傷に浸りながら、あの時のように一つ摘まんで口に放り込もうとした時。

控え目なノック。こんな時間に誰だ?と思いつつひとまず食べかけていたチョコを宙に浮かせ、「どうぞー」と言えば刹那が入ってきた。

「刹那?珍しいなこんな時間に」
「・・・ミッションレコードだ」

鼻をひくひくさせながら、若干不機嫌な顔でメモリースティックを投げてくる。
慌ててキャッチし、部屋に訪ねてくるなり顔をしかめてくる刹那に何か俺したか?と不安になったが、「明日からミッションだから酒は控えろ」とぶっきらぼうな言葉にああ、と納得した。どうやら勘違いされていたらしい。

「これお酒じゃねぇよ。ウィスキーボンボンって酒が入ったチョコ。クリスとフェルトがくれたんだよ。食うか?」
「・・・アルコールが入ってるなら同じだ」
「いや、これは未成年でも食えるぜ」

まあお子様のお口には合わないかもな、と指先でふわふわ浮かんでいるチョコを弄ぶかのようにつつくと、あからさまにむっとした顔で刹那が睨み付けてきた。

「あまり子供扱いするな」

そういうのが子供っぽいってことなんだよ、と苦笑しようとするが漂っているチョコをつついていたロックオンの指ごと、魚のようにパクリと口に入れた。
「うお、あぶねぇな!」

慌てて歯を立てられる前に指を引き抜くが、一瞬触れた熱い腔内に不覚にもどきりとしてしまった。下半身に熱が一瞬集まったのは気のせいと信じたい。
そんなロックオンの気も知らず少し得意げになった刹那はがりっとチョコを砕いたが、中から溢れた濃い酒目を白黒させ、次の瞬間幼い時の自分たち同様、勢いよくむせてしまった。

「あーほらいわんこっちゃない・・・」

ゲホゴホとむせ変える姿に苦笑しながら、その小さな体がエイミーにだぶって。
エイミーもまた、お母さんに怒られるよと言いながらも酒という未知の好奇心に負けて手をのばしてしまっていた。
そして刹那のように小さな背を丸めて、でも懲りないで目に涙を浮かべて舌をぺろりと出して俺達に笑いかけて。
(馬鹿だな俺)
エイミーは死に、今目の前にいるのは刹那だ。タンポポのような笑みを振り撒いていた妹とは違う、不器用で無愛想な子供。
刹那に面影を求めてどうする。
感傷に浸ろうとする頭を軽くふり、思考を追い出してから刹那を見つめる。考え事をしていた為か、刹那が咳を止めていたことにようやく気づいた。

「・・・」
「おーい刹那、大丈夫かー?」

未だうつむき口を押さえている刹那にまだむせてるのか?と背中を撫でようと近づくと、ふわりと小さな手が首にまわった。
「刹那?」
刹那がぎゅ、と抱きついてきた。甘えた子猫のように胸に頭を擦り付けてくる。
違和感。
まさかと思い刹那の顎をくいと掴みこちらに向かせると、僅かに蒸気した薄桃の唇。そして普段の鋭い輝きをはなつ石榴石の瞳が、トロンと険が融けてシェリー酒のような蠱惑的なものになっていた。
極めつけは。
「ろっく~・・・」
あれだけで酔ったのかよ!?
子供の自分でも酔うまでに至らなかったのに、どれだけ弱いんだ。
とはいえ普段は出さないような鼻にかかった甘え声はなかなかの破壊力だ。ちろりと覗く白い歯も、うっとりと蕩けた甘い瞳も、普段の刹那からは信じられない。

「せ、刹那さん?」
「ろくぅ~、大好き~」

舌っ足らずな言葉使いも誘っているようにしか見えない。
いや、普段の警戒しきった猫のような姿も可愛いけど、これはまずい。主に下半身が。
いや、待てよ。
刹那は滅多に体に触れさせてくれない。ミッション前だと殊更。
しかし、今の隙だらけの刹那なら。

「ろっくおん・・・ちょうだい」

そんな大人の邪念を読み取ったのかいないのか、刹那が理性を吹き飛ばすようなことを言ってきた。
どうぞ、いやむしろ俺がお前を頂戴するぞ!

「それ」

なんだ。
チョコの箱を指差す刹那に思わずガックリきてしまう。酔っ払っても刹那だ。疎い。

「はいはい・・・ほら」
「あっ」

一つ刹那の傍に浮かせてやれば、魚のように口をパクパクさせて必死でチョコをとろうとする。だが思考が鈍っているのか、中々とれないでいる。

「あう・・・」

その間もチロチロ覗く桜色の舌にどぎまぎして。一つ、悪戯を思い付いた。
箱からもう一つチョコを取りだし、口に含む。

「刹那」
「んっ」

そしてそれが舌先で溶けないうちに、チョコを取るのに躍起になっていた刹那にそっと口付けた。

「んぁっ・・・ふ・・・」

判断力が鈍っている刹那の腔内にはやすやすと侵入できて。
甘く、もうすぐ溶けてしまいそうなチョコを舌先で軽くつつき、刹那の舌に転がしてやる。
やがて溶けきりドロリと濃厚な酒が溢れ、甘ったるい舌を焼いた。

「あ・・・ふぁっ・・・」

苦さに眉をぴくりと潜め身動ぎする刹那をゆっくりと押し倒し、苦さを拭ってやろうと甘いロックオンの舌を絡ませてやる。
やばい、止まらない。
飲み込みきれなかった甘い唾液が刹那の顎を伝っていく。たまらなくなって、ロックオンは口付けたまま刹那の服に手を這わせ、ゆっくりと撫で上げた。
そういえば、チョコには昔媚薬効果があるってティエリアが言ってたな。
そう思いながら、火照った刹那の体に指を這わせる。熱い。
その熱に急かされるように第一ボタンを外しかけたが、ロックオンは違和感を感じて動きを止めた。

「刹那・・・?」

舌も離れ、反応がなくなった刹那。酸欠かと思い慌てて唇を離せば、薄く開いた口から、規則正しい呼吸が聞こえた。
(おいおいそりゃねーよ)

いつの間にか幸せそうに目を閉じ、幼い子供のよう安らかに寝息を立てる刹那の姿に思わずロックオンは脱力した。
あんだけ煽っておいて寝ちまうなんて・・・
ロックオンとて寝てる子供を無理矢理犯す趣味はない。二口目で普通寝るか?と幸せそうに寝息を立てる刹那をうらめし気に見つめ、そもそも酔わせて無防備になった子供を襲おうとした自分が悪いのだと頭をガリガリ掻いた。

「これ、どうすんだよ・・・」
下で元気になってしまった自身に情けなく溜め息をついて、でもあどけない顔で眠る刹那も中々みれないからまあいっかと諦めて、毛布をかけてやってから甘い香りの漂う部屋を抜けシャワールームに向かった。
結局まだ自分は刹那の母親、ではないが保護者からは抜け出せてないようだ。ある意味カーネーションがお似合いかもしれない。
脱衣場に置いた赤い花を見つめ、シャツを脱ぎながらロックオンは深く深く溜め息をついた。
とりあえず、俺以外の前で刹那に酒を飲ませないようにしよう。







それは毒薬。
甘く甘く、誰もを蕩けさせてしまう魔法の薬。
しかし、効きすぎには注意。
PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
FIRST
「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp

管理人:流離

since:20071112


更新停止中。twitterで色々妄想してます。

サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
忍者ブログ   [PR]