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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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とりあえずこれで一区切り。次からほぼグラ刹しかでない・・・予定です。
遅くなってしまって申し訳御座いません。拍手メール返信は土曜日に・・・!

あらゆる方向から弾丸が飛んでくる。吹き荒れる雪すらもこの戦場では意味がないと言わんばかりに瞬時に気化し、互いが激しく輝く刃を打ち付けあった。

『予感はしていた…だが実際こうして逢えるとは、嬉しい限りだなな!ガンダムの少女!』
「黙れ!」
『つれないね…私の下ではあんなに喘いでいたというのに、お互いさらけ出した中ではないか!』

歪んだ愉悦を含む声に刹那はカッっ顔が赤くなった。だが手をとめればあの記憶がよぎるのはわかっていたので必死でエクシアを駆る。ここで激情すれば奴の思うがままだ。
一瞬間合いから離れて射撃するもディフェンスロッドで全て弾かれる。一対一でガンダムと対等に渡り合うとは、凄まじいまでの技量を持ち得る男だ。

『あの夜に君を抱いてから、ずっと君を忘れられなくてね…名前すら知らないと
いうのに、私の心を浚っていったの女性は君が初めてだよ』
「…っ!」

ロックオンに聞かれたら、と考え頭に血が昇るが、ふとあることに気付く。
デュナメスの姿が先程からモニターに映らない。そしてあんな沢山いたフラッグは一機たりともエクシアに銃口を向けていなかった。近くに潜んでいるようには見えない。
グラハム・エーカーは隊長だと聞いている。だが今はまさに一騎討ちで、作戦指揮をしていないように見える。
一人でけりをつけたいので好都合だが、彼の仲間がいないのも妙だ。

『ああ、部下達は緑の機体の相手をさせているよ。一人で二機相手にするのは流石の私でも無理だからね。』
「なっ…」

違和感を感じた刹那に気づいたのか、グラハムはうっとりとした声で、あっさりと種明かしをしてきた。
つまりたった一機でガンダムと渡り合おうというのか。この前のように刹那が疲弊しているわけでも不意討ちでもなく、量産機の分際で。
デュナメスはともかくエクシアは白兵戦に特化している機体なのだ。それを一人で相手をすると?
世界を震撼させたガンダムと一騎討ちなんて、余程の愚か者…もしくは舐められ
ているとしか思えない。
刹那の体を思うがままに蹂躙し、今も舐めているとしか思えない自信を見せている。
許せない。
散々屈辱を与えた上に、これ以上愚弄するつもりなのか。

「…ふざけるなっ!!」

一閃。
ソードによる光速の一撃はフラッグの右肩を瞬時に斬り去り、くるくると軌跡を描いて遥か下方の森へと落ちていった。

「俺はガンダムから降りない…ガンダムを、貴様ごときに奪われるつもりも毛頭ないっっ!」

急旋回し、ソニックブレイドを構えなおそうとしたフラッグの首を一瞬の歯の煌めきと共に力強く弾き飛ばした。
メインカメラを失ったフラッグが一瞬揺らいだ瞬間を刹那が見逃すはずもなく、強烈な蹴りを加えた。グラハムの呻き声がスピーカーが聞こえる。

「貴様を…倒すっ!!」

身体に刻みつけられた傷と屈辱は消えることはない。だが、区切りをつけたいのだ。刹那が破壊者であるためにも。

「ううぁぁぁあぁああ!!」

間髪を入れずGNソードでコックピットごと切り裂こうと白銀を輝かせて隙だらけのフラッグに突っ込んだ。刹那の揺るぎない意志を投影させたかのように、直線状に輝く粒子が放出される。




終わらせるんだ
また、始める為に





だが突如、下腹部がぐちゃり、と無骨な指先に荒々しくかき混ぜられる感覚。呻き声をあげて刹那は思わず操縦棹を離してしまった。



こんな、時に…!


最近は落ち着いていたというのに、どうして。





突然の刹那の様子をグラハムが見落とす筈もなく、サブカメラに即座に切り替えエクシアに体当たりを食らわせた。
防御する間もなく直撃を受けたエクシア。激しい衝撃に脳震盪を起こし、刹那は苦鳴をあげて操縦席に叩きつけられた。

『どうしたガンダム!ようやく私の存在を受け入れる気になったか!?』
「誰、が…!」
『なら力づくでも奪わせて貰おうではないか!私の腕の内に!!』

その途端フラッグが反転、仰向けに落ちていったエクシアを押し倒すかのように掴み、山岳地帯に墜落した。
本の少しの揺らぎが、形勢を対極のものに変えたのだ。
雪を被っていた木々が凄まじい音と共に黒々とした木々の破片や雪を舞い上がらせる。



『ようやく私のものになるのだね、待ちわびたよ』
「ふざ…ける、な…ガンダム、は…わたさないっ」



脳震盪でぶれる視界と吐き気すら込み上げてくる下腹部の締め付けられるような
痛みに刹那は必死で声をあげるが、既に意識は半分霞がかっていた。
エクシアだけは渡すわけにはいかないという一念だけで刹那は意識を保っていたのだ。だが力をこめて押し倒されている上腕はギシギシと音を立てるだけで、刹那は悔しさに唇を噛む。



「エクシア、は…」
『おや、君は勘違いしているようだね』



コックピットに聞こえるくらいに上腕部がバキリと折れ、アラームが響いた。

『確かにこの機体はとても魅力的だ。破壊をもたらす美しき断罪者…以前の私はガンダムに恋い焦がれていた全身全霊をもって、追い求めていた。
だが、今は違う。』

「な、に…?」

エクシアの分厚い装甲に守られ、刹那自身の身体は安全なはずだった。だが、違う。
エクシアが悲鳴を上げているかのようにアラームが鳴り響いているというのに、グラハムの優しく、だが並みならぬ熱情のこもった声だけがやけにリアルに鼓膜に、全身に浸食するかのように、響いていた。





『あの日…蒼天をかける君を堕天させ、刃を向けられたその時から、いや、アザディスタンで君の瞳に射抜かれた時から、君という存在に恋をしていた。
機体ではなく、機体を駆る君に!』

「・・・え?」

『前とは違う…今は君が、君だけが欲しい。私の元で君を咲かせて、散らせない程度に壊して行きたい…下らない世界の為にではなく、私の手で!』


本来の軍人の目的を逸脱している言葉に、刹那は暗いコックピットの中で一人身体を硬直させた。
鉛のように重くなっていく腕を使って必死で自爆プログラムを組もうとするが、震えが邪魔をして思うように指を動かせない。




狂っている。

機体ではなく、パイロットたる自分を狙っているのだと。



『勿論得られるならばその素晴らしい機体ごと浚いたいのだがね、時間があまりないようだ。』

そう言うとライフルを持ち直し、エクシアの頭部に直接突きつけると躊躇なく引き金をひいた。


『お迎えは越させないよ、シンデレラ。』
「うああっ…!」


アラームが一際切り裂くように鳴った。ダイレクトな激しい衝撃にコックピットは激しく揺れ、刹那はヘルメットがなければ致命傷になるくらいに頭をうちつけた。





『君はもう、私だけのものだ』




暗い喜悦と狂喜を孕んだ男の声が、薄れ行く意識を支配するように響く。
極度の緊張と脳震盪は、雪が積もっていくかのように刹那の意識を白に染めていく。


グラハムの歪んだ歓喜が鼓膜を支配する中、小さく必死に名を呼んでくる声が聞こえた。


ロックオン…


何があったのか分かっていた筈なのに、性別を隠していたというのに責めることも問い詰めることもなく、いつも隣にいて刹那の意志を尊重してくれた優しい人。

優しすぎる同僚の温かく大きな手の幻が、闇に堕ちた空間に見えた気がする。
綺麗な、手。
この手を取れば、何かが変わっていた?

だが重くなりつつ身体と麻痺するかのようにじんわりと思考力が低下した脳内がそれを許さず、答えが見つかる前に、刹那の視界は白に途絶えた。










縋るにはあまりにも遅すぎて。
衰弱した鳥は、飛ぶ間もなく深淵に広がりやんわりと手招きする闇色の檻に堕ちた。

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