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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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友達が30代童顔受けが好きだといったからハムを勧めといた。

続きからグラ刹風邪ひき話。ところどころ下品につき注意。

「君が風邪をひくなんてね」

氷嚢をタオルでくるみながら、グラハムは微笑んだ。
なんでこんなときに限って、と刹那は何故か嬉しそうな彼を睨み付ける。
地上に降りた時にどうやら新型の風邪が大流行していたようで、基本的に無菌空間である宇宙にいた刹那は免疫がなくあっさりと風邪にかかってしまったのだ。
重大な病を引き起こすウイルスのワクチンは受けているものの、細々とした風邪には対応しきれない。
そしてグラハムと合流し、家に着いた時に発症したのだ。

「世界を震撼させたガンダムパイロットが風邪でダウンか」

この男はたまに無自覚だろうが鋭い言葉をいい放つ。
何も言えなかった。
刹那は寝返りをうち、ふてくされるように壁の方に向く。
しかしグラハムが頬に手をさしのべ、仰向けに寝るよう促された為に小さな抵抗は無駄に終わった。

「私は嬉しいけどね」

額にじゃらっという音と共に氷嚢が載せられる。それがタオルにくるまれていてもなお冷たくて、ぶるりと肩を震わした。

「君は私に弱みをなかなか見せなかった。それが今日はこんなに私を頼ってくれている」

にこにこしながら髪を撫でるグラハムは確かにいつもより上機嫌で、片時も離れようとしない。
風邪なんて自分の免疫で治るのだから放置してもいい、と刹那は考えているのだが、それでも不慣れな手つきながら甲斐甲斐しく世話をしてくれるグラハムの好意が擽ったい。
CBでは精密に検査され、薬を出されれば割りと簡単に治った為、どうでもいいことで人に看病されるというのは物凄く久しぶりのことだった。
恐らく…母親以来。
夢うつつの時に、手をにぎっていてくれたのはグラハムだろうが、その温もりの先に、名前も忘れてしまった母を見た。
ごめんなさい、という前に彼女の姿は掻き消えてしまったが。


「それに早く治してくれないとセックスできないからな!」

ありったけの力を込めて殴った。
普段よりはか弱いがそれでも裏拳は笑顔のグラハムにのめりこんだ。

「はは、照れてるのかね」
「…あんた最低だ」

折角感傷に浸ろうとしたのに下心丸出しの発言をされたせいで台無しだ。こいつはとんでもないKYだということを熱に浮かされ忘れていたのだ。

「折角地上に戻ってきたのだから限られた時間に愛の営みをしたいと思うのはいけないことかな?」
「うっ……気持ちはわかるが口には出すな…」
「流石に抵抗出来ない君を犯すのは卑怯だからね。やはり抵抗するだけ抵抗してやっと中に入れて君を屈服させるのが一番」
「だから黙ってい…!」

大きい声を出そうとした為か、こほこほと咳が出てしまう。
喉が痛み眉をしかめると、グラハムが「ほらほら」と肩を倒しゆっくりとベッドに横たえさせる。

「ともかくだ。セックスを抜きにしても元気がない君を見るのは非常に辛い。もっと睨んで欲しいし、もっと殴って欲しい。」

こいつ、やはりどうしようもない変態だ。しかし咳は止まらず、喋らなくていいとグラハムは刹那の唇にしーっと指を立てる。

「風邪にかかるということは宇宙にいるときから君は疲れていたんだ。休養のサインだったのだよ。だから今は無理せず休みたまえ」

氷嚢を載せながら、グラハムは汗ばんだ刹那の額をタオルでぬぐい、柔らかな表情で「それにね」と言葉を続ける。

「手を握っている時の刹那の泣き顔が、最高に可愛いのだよ。しかも握り返せば笑ってくれるんだ」
「…!?」

かあっと熱が上がった気がした。
どうやら無意識のうちに、彼を母親だと思いすがっていたらしい。
泣き顔を見られたのは流石に予想外だった。ニールの死以来失った涙が、意外な引き金で流れ出ていたなんて。

「君はもっと弱さをみせてもいいのだよ」

ただし、私限定でね。
若葉色の瞳が細められ、彼の冷たい手が刹那の乱れた髪を撫でた。
自らの手で修羅と化した男が、殺そうとしたこの手が、刹那を赦し救いをくれる。
あり得ない奇跡だ。
これも幻想なのではないか。
しかし氷嚢の冷たさと重みが現実だと教えてくれ、火照った思考回路を冷やしてくれる。

「あ、りが…」

視界がぼやけたのは熱のせいか。
言葉を紡ぎ終える前に、刹那は彼の手を握り夢の淵へとゆっくり落ちていった。


―ソラン、だいじょうぶ?
―となりのおくさんからりんごもらったわ
―ばかなこ、おかねなんてきにしないで。
さあ、おたべ。
―おかあさんのぶんはだいじょうぶだから、ソラン、ソラン…





「アウチっ!」

大きな声に目が覚める。
幾分か体調はましになったようで、首をごりごりさせながら、刹那はグラハムの姿を探した。

「刹那、目が覚めたのかい」

すぐ近くの椅子に、ナイフを持ったグラハムがいた。手には…謎の白い断片に血がこびりついている。
「やはりナイフ捌きは君に敵わないよ」
そう苦笑して、グラハムは肩を竦めた。そのはずみでぼろぼろと実が大分ついている赤い皮が落ちていく。
最早不器用というレベルを超越している。(ガンプラは作れるくせに)
さらに机を見ると、白い皿にばらばら死体殺人事件と形容したくなる無惨なりんご片が落ちていた。

「マスラオりんごにしたかったのだが…」
「まずは剥けるようになれ」

それ以前の問題だ、と呆れれば流石にショックだったのかグラハムはしょんぼりと元・りんごと化した残骸を見つめた。

「私は愛するものの為にりんごも剥けないなんて…かくなるうえは切腹」
「あほ」

悔しそうな顔で林檎汁に濡れた包丁を見つめるグラハムから取り上げる。
いちいち面倒な奴だ。
みれば指は真っ赤に染まり、切り傷がいくつも出来ていた。

「こうやるんだ」
「うぐう…」

手本と言うわけではないが、これ以上彼の指を傷つけまいと剥いて見せた。
頭が少しくらくらするが、包丁をもつ感覚は鈍っておらずするするとらせん状に向けていく皮を、グラハムは苦々しい顔で睨みつける。

「君に負けると悔しいな…」
「こんなもの、練習すればすぐできる」
「…君が来てからやっていた!」

これなんて上出来だろう!そう鼻息を荒くして、グラハムはひとかけら残骸の中からつまみあげた。
それは酸化のせいか血のせいか褐変していたが、たしかにまだ他のものよりは林檎うさぎにしようという形跡が見られた。(皮がこびり付いているようにしか見えないうえに種までついているが)
馬鹿な奴だ。本当に。

「くっ、次の機会までには林檎でガンダムを作れる位に上達を…」
「…いい」

うまくならなくてもいい。
俺の為にきれいな手を傷つけてほしくない。
その顔の大きな傷跡のように。
グラハムの指ごと刹那はいびつな林檎にかじりついた。

「せ、つな?」

うわずったグラハムの声が聞こえた。しかし無視して林檎を咀嚼する。
やはり少し鉄くさい。しかしろくに食事をとっていなかったからか、甘酸っぱい果汁が口の中を満たしていく。

もしゃもしゃと一旦指から口を離し咀嚼してから、果汁と血が混じり合った指をつい、と舐め上げた。
傷口に触れた瞬間、グラハムの体が強張り、その反応が面白くてざらざらと他の部分も丹念に舐め上げる。

「鉄くさい」
「っ~~~!」
「だから」

不意打ちだったのか、グラハムが珍しく赤面した。
顔を赤くし珍しく動揺している彼がおかしくて、刹那はにやりと笑みを浮かべた。

「おまえが怪我するくらいなら俺がやる」

そうこつんと顔を覆う傷跡をつつけば、余計顔を赤くしたグラハムが、しばらくぽかんと見つめ返してきた。
弱みばかり見せていられるか。
そう思い得意げに笑みを浮かべると、瞬きを繰り返していたグラハムが次第に震えさせ、刹那が気を抜いていた瞬間にいきなり覆いかぶさってきた。

「せ、せつぬああああああああああ」
「お、重い、離せメタボ、おもっ」
「あ、あ、あいしてるぞきみをおおおおおおお」

突然の逆襲。刹那がナイフをもったうえ病人ということも関わらず、グラハムは息が苦しくなるくらいに抱きしめてきた。

「それは私に対するプロポーズかい?私の為に毎日暖かいみそ汁を作ってくれるということかね?!」
「何故そうなる?!俺はあんたが怪我するくらいならといっただけで」
「世界などどうでもいい!二人で愛の巣を作ろう、子供は…愛の営みを邪魔しない程度で浜辺に白い家とマスラオフラッグという名の黒い犬を」
「話を聞けッ!!」

考えが飛躍しすぎだ、と包丁をもっていない手で胸を叩けば、「私はいたって本気だ!」と怒鳴り返される。

「君を待つ間、胸が張り裂けそうだった…君が私以外の誰かに心奪われていないか、傷つけられていないか、殺されていないか…」
「というかあんたまだ俺を倒すこと諦めてなかったのか?!歪んでいる!」
「ああ、そうさ君の為なら幾らでも歪める!もう我慢できない…
結婚しよう。ノーなら私の胸にその包丁を突き立てるがいい!」
「!?ひ、卑怯だ!」
「無言は肯定とみなす!40秒で答えを出したまえ!」

どんなプロポーズだ。
しかしグラハムの目は至って真剣であり、しかし彼から逃れるには包丁を突き立てるしかない。
ただでさえ体調はまだ回復していないうえに彼の腕の中だ、うまく逃げ切るすべはないのか…そうこう考えているうちに「40秒だ」と信頼に欠ける宣告がなされ、血走った眼が刹那に近づいてくる。

「できるなら合意の言葉が欲しい」
「っ…だが…」

結婚なんて出来ない。
お互いいつ死ぬかわからないし、CBの人員も資金も足りないというのに妊娠なんて出来ないし子供も育てる余裕はない。
だが否定も出来ずに、銀色の包丁は手の中で彷徨った。




すごくブツ切れ感あふれるがここで終わり。
気が向いたらオチまでちゃんと書きたいです…
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
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