OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。

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珍しくまじめなグラ刹です。一日遅いですがクリスマス!
暖房を最大限にしても身に沁みる寒さに、刹那はくしゅん、とくしゃみをした。
何か暖かいものを飲もうとココアの缶を手に取る。
きんっと冷えた缶の冷たさに身震いしつつマグカップを2つ用意し、粉を掬いとる。
お湯がぐらぐらと煮えたつのを待つ時間が、この寒さでは長く感じた。
「グラハム?」
湯気を漂わせるマグカップを両手に持ち、刹那は同居人の姿を探した。
先程まで本を読んでいたはずの彼がいたソファは読みかけのそれが無造作に置かれ、白い薄手のカーテンが風にはためいていた。
庭へと出る窓は開け放たれており、凍える風と粉雪が舞い込んでいた。
どうりで寒いわけだ。
刹那は彼の為にココアを淹れたことを後悔した。
パステルカラーの青と緑のマグカップをテーブルに置き、一言文句を言おうと外に出る。
昨夜から降る雪ですっかりと白く染まった庭。
足跡を辿れば、直ぐに彼の背中を見つけることができた。
「…何を考えているんだ」
僅かに雪が積もった彼の登頂部を見つめ、刹那は呆れる。
グラハムは薄着で一人庭に立っていた。
ただひたすら空を仰ぎ灰色の空から落ちてくる雪を見つめている彼の隣へ辿り着く。
「…刹那」
「馬鹿か、あんた」
窓も開けっ放しでいるなんて俺まで風邪をひかせる気か。
そう文句を言いながらマフラーを渡せば、彼は一瞬きょとんとした顔をした。
「君が心配してくれるなんて珍しい」
「…窓閉めるぞ」
今晩は大荒れかもしれないな、と笑う彼に、らしくない行動をしたという自覚はあったので気恥ずかしくなる。
そのまま帰ろうと背を向ければ、グラハムの手が絡んできた。
ココアの缶よりも冷えきっている手に鳥肌が立つ。
雪と同じくらい冷たく、赤みを失い真っ白になった掌。
「あんた、いつから外に…」
あまりの冷たさに思わず手を離したくなったが、こちらを見つめるグラハムの顔が普段は滅多に見せない無表情さで、不安を感じきつく手を握った。
雪がしんしんと積もる音しか聞こえない中、グラハムはぽつりと問いかけてきた。
「刹那は雪が好きかい?」
「…雪?」
何気ない質問に、刹那は彼の意図がわからず小首を傾げる。
「私はあまり好きでないな」
「意外だな」
こんな寒い中外に出ているくらいだから好きなのかと思っていたが、彼は空を仰いだまま言葉を続けた。
「飛ぶのにはコンディションが悪いからな、雲は厚い、視界が悪い、景色が白く染まって場所を把握しにくい…せっかくの出撃が台無しになる」
「…確かにそうだが、今は地上だろう」
「出撃前から、雪を見て憂鬱になっていた癖が抜けなくてね」
そう笑いながらも降り積もる雪を見つめるグラハムの視線は、どこか冷たくて、寂しそうであった。
「それにね、私はクリスマスも嫌いなんだ」
「…?」
「たかだか一人の人間が産まれた日に踊らされうかれる世界を、馬鹿らしく思わないかい?」
「あんたは一応キリスト教だろ」
「形式的に周りが勝手にそうしただけさ」
私自身は君と同じで全く信じていないよ、と微笑むグラハム。
そういえば、部屋にクリスマスの装飾をしていなかったことに気付く。刹那もまた神を信じてはいないので気にすることはなかったが。
「…孤児院はクリスマスなんてやる余裕がなかったからね、サンタクロースのプレゼントはキャンディだけだったよ」
「…」
「どこか期待もしてたんだろうね、だから嫌いなんだ」
子供の細やかな期待を裏切る現実と、知らぬように浮かれ騒ぐ町並み。
子供時代はイスラム教であり、クリスマスに縁がなかった刹那も、なんとなくこの時期に浮かれ騒ぐ人々に溶け込めないという感覚はわかった。
CBでロックオンやスメラギ達が主宰したクリスマスパーティーも、何故こんなに楽しそうなのかわからなかったものだ。
酔っ払う大人達も、絡んでくるロックオンも、料理をどんどん運んでくる笑顔のアレルヤも、苦虫を噛み潰したような顔をしつつその場に留まるティエリアも。
ただ、皆が笑って共にいられるということは、今となっては大切な記憶となっている。
隣に誰かいるという温もり、皆と楽しめる喜び。
国籍もバラバラだったトレミーの面子では、信仰なんてものより、祭りに乗じて笑いあう、ということが大事だったに違いない。
「刹那?」
気づけば、グラハムを抱きしめていた。
「…俺は神を信じていない。俺の回りの人間もそうだった」
薄着で冷たくなった体を暖めようと、刹那は強く抱きしめた。
「だが、行事に乗じて誰かと楽しみを共有するのは…嫌いじゃなかった」
ニールやクリス、リヒティ、モレノ、自らが殺したアニュー。
失った仲間達がクリスマスで見せた笑顔。
その時はなんとも思っていなかったものは、心に痛みを残しつつも、それを和らげるように輝いている。
血の繋がりなんてなかったが、フェルトのいうように彼らは家族だった。
そして今、刹那はグラハムの元にいる。
神を信じていない者同士ではあるが、彼にもこの暖かい気持ちを伝えたかった。
ずっと、どこか一人でいただろうグラハムに。
どう言葉で説明していいのかわからず、口には上手く出来ないのたが。
それがもどかしく彼の胸板に頭を埋めると、不意にグラハムの力が抜けたのか、二人のバランスが崩れ斜めになる。
「うわっ」
重力に従い、二人は倒れていった。雪に覆われていたこともあり、ぼすりとさした衝撃もなく白の絨毯に埋もれていく。
「あんた、何を考え…」
「まさか君が、そういうことを言うなんてな」
冷たい雪に埋まり文句を言いながら立ち上がろうとすれば、グラハムが笑いながら抱きしめてきた。
「君は孤高に生きているのかと思っていたよ」
「…人は一人で生きていくことが出来ない。俺もあんたも例外ではない」
「…そうだった、ね」
グラハムは掠れた声で呟くと、瞼を閉じた。彼の頬に白い雪が落ち、体温で溶け伝っていく。
雪の中にいるというのに、二人が重なりあう場所は温かく、周りの冷たささえも心地よかった。
「…訂正しよう、君がいるなら、雪もクリスマスも、悪くはない」
後でケーキを買ってこようか、と微笑む彼に、刹那もまた小さく微笑み返した。
もう、あんたは一人ではない。
そう心の中で呟くと、刹那もまた瞼を閉じ、聖夜が明けていくのを感じ取った。
「で、二人して風邪ひいたんだ」
馬鹿は風邪ひかないっていうのにおかしいなぁ。
翌朝、そうぼやきながら林檎を兎の形に剥くカタギリと、二人仲良く顔を赤くしベッドで呻いているグラハムと刹那がいたとかいなかったとか。
何か暖かいものを飲もうとココアの缶を手に取る。
きんっと冷えた缶の冷たさに身震いしつつマグカップを2つ用意し、粉を掬いとる。
お湯がぐらぐらと煮えたつのを待つ時間が、この寒さでは長く感じた。
「グラハム?」
湯気を漂わせるマグカップを両手に持ち、刹那は同居人の姿を探した。
先程まで本を読んでいたはずの彼がいたソファは読みかけのそれが無造作に置かれ、白い薄手のカーテンが風にはためいていた。
庭へと出る窓は開け放たれており、凍える風と粉雪が舞い込んでいた。
どうりで寒いわけだ。
刹那は彼の為にココアを淹れたことを後悔した。
パステルカラーの青と緑のマグカップをテーブルに置き、一言文句を言おうと外に出る。
昨夜から降る雪ですっかりと白く染まった庭。
足跡を辿れば、直ぐに彼の背中を見つけることができた。
「…何を考えているんだ」
僅かに雪が積もった彼の登頂部を見つめ、刹那は呆れる。
グラハムは薄着で一人庭に立っていた。
ただひたすら空を仰ぎ灰色の空から落ちてくる雪を見つめている彼の隣へ辿り着く。
「…刹那」
「馬鹿か、あんた」
窓も開けっ放しでいるなんて俺まで風邪をひかせる気か。
そう文句を言いながらマフラーを渡せば、彼は一瞬きょとんとした顔をした。
「君が心配してくれるなんて珍しい」
「…窓閉めるぞ」
今晩は大荒れかもしれないな、と笑う彼に、らしくない行動をしたという自覚はあったので気恥ずかしくなる。
そのまま帰ろうと背を向ければ、グラハムの手が絡んできた。
ココアの缶よりも冷えきっている手に鳥肌が立つ。
雪と同じくらい冷たく、赤みを失い真っ白になった掌。
「あんた、いつから外に…」
あまりの冷たさに思わず手を離したくなったが、こちらを見つめるグラハムの顔が普段は滅多に見せない無表情さで、不安を感じきつく手を握った。
雪がしんしんと積もる音しか聞こえない中、グラハムはぽつりと問いかけてきた。
「刹那は雪が好きかい?」
「…雪?」
何気ない質問に、刹那は彼の意図がわからず小首を傾げる。
「私はあまり好きでないな」
「意外だな」
こんな寒い中外に出ているくらいだから好きなのかと思っていたが、彼は空を仰いだまま言葉を続けた。
「飛ぶのにはコンディションが悪いからな、雲は厚い、視界が悪い、景色が白く染まって場所を把握しにくい…せっかくの出撃が台無しになる」
「…確かにそうだが、今は地上だろう」
「出撃前から、雪を見て憂鬱になっていた癖が抜けなくてね」
そう笑いながらも降り積もる雪を見つめるグラハムの視線は、どこか冷たくて、寂しそうであった。
「それにね、私はクリスマスも嫌いなんだ」
「…?」
「たかだか一人の人間が産まれた日に踊らされうかれる世界を、馬鹿らしく思わないかい?」
「あんたは一応キリスト教だろ」
「形式的に周りが勝手にそうしただけさ」
私自身は君と同じで全く信じていないよ、と微笑むグラハム。
そういえば、部屋にクリスマスの装飾をしていなかったことに気付く。刹那もまた神を信じてはいないので気にすることはなかったが。
「…孤児院はクリスマスなんてやる余裕がなかったからね、サンタクロースのプレゼントはキャンディだけだったよ」
「…」
「どこか期待もしてたんだろうね、だから嫌いなんだ」
子供の細やかな期待を裏切る現実と、知らぬように浮かれ騒ぐ町並み。
子供時代はイスラム教であり、クリスマスに縁がなかった刹那も、なんとなくこの時期に浮かれ騒ぐ人々に溶け込めないという感覚はわかった。
CBでロックオンやスメラギ達が主宰したクリスマスパーティーも、何故こんなに楽しそうなのかわからなかったものだ。
酔っ払う大人達も、絡んでくるロックオンも、料理をどんどん運んでくる笑顔のアレルヤも、苦虫を噛み潰したような顔をしつつその場に留まるティエリアも。
ただ、皆が笑って共にいられるということは、今となっては大切な記憶となっている。
隣に誰かいるという温もり、皆と楽しめる喜び。
国籍もバラバラだったトレミーの面子では、信仰なんてものより、祭りに乗じて笑いあう、ということが大事だったに違いない。
「刹那?」
気づけば、グラハムを抱きしめていた。
「…俺は神を信じていない。俺の回りの人間もそうだった」
薄着で冷たくなった体を暖めようと、刹那は強く抱きしめた。
「だが、行事に乗じて誰かと楽しみを共有するのは…嫌いじゃなかった」
ニールやクリス、リヒティ、モレノ、自らが殺したアニュー。
失った仲間達がクリスマスで見せた笑顔。
その時はなんとも思っていなかったものは、心に痛みを残しつつも、それを和らげるように輝いている。
血の繋がりなんてなかったが、フェルトのいうように彼らは家族だった。
そして今、刹那はグラハムの元にいる。
神を信じていない者同士ではあるが、彼にもこの暖かい気持ちを伝えたかった。
ずっと、どこか一人でいただろうグラハムに。
どう言葉で説明していいのかわからず、口には上手く出来ないのたが。
それがもどかしく彼の胸板に頭を埋めると、不意にグラハムの力が抜けたのか、二人のバランスが崩れ斜めになる。
「うわっ」
重力に従い、二人は倒れていった。雪に覆われていたこともあり、ぼすりとさした衝撃もなく白の絨毯に埋もれていく。
「あんた、何を考え…」
「まさか君が、そういうことを言うなんてな」
冷たい雪に埋まり文句を言いながら立ち上がろうとすれば、グラハムが笑いながら抱きしめてきた。
「君は孤高に生きているのかと思っていたよ」
「…人は一人で生きていくことが出来ない。俺もあんたも例外ではない」
「…そうだった、ね」
グラハムは掠れた声で呟くと、瞼を閉じた。彼の頬に白い雪が落ち、体温で溶け伝っていく。
雪の中にいるというのに、二人が重なりあう場所は温かく、周りの冷たささえも心地よかった。
「…訂正しよう、君がいるなら、雪もクリスマスも、悪くはない」
後でケーキを買ってこようか、と微笑む彼に、刹那もまた小さく微笑み返した。
もう、あんたは一人ではない。
そう心の中で呟くと、刹那もまた瞼を閉じ、聖夜が明けていくのを感じ取った。
「で、二人して風邪ひいたんだ」
馬鹿は風邪ひかないっていうのにおかしいなぁ。
翌朝、そうぼやきながら林檎を兎の形に剥くカタギリと、二人仲良く顔を赤くしベッドで呻いているグラハムと刹那がいたとかいなかったとか。
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「非晶質。」にようこそ。
ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
にょただらけなので苦手な方はご遠慮ください。
感想、誤字脱字、その他管理人に突っ込みたい方は最下部のメルフォからか、↓の☆を@に変えてお願いします。
ham_otomeza_12g☆yahoo.co.jp
管理人:流離
since:20071112
更新停止中。twitterで色々妄想してます。
サイト FE覚醒ブログ(NL中心)
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