ある愛のある日常

風邪は大分収まってきましたー！ご心配下さった方有り難うございます。
はい、アンソロで絶賛煮詰まっています（え）
というわけで原稿の合間に３月に頂いたリクを消化していきたいです。遅くてすみません・・・！
リク内容は「グラ刹♀新婚生活」です。リクありがとうございます！

新婚ほやほやの新妻の朝は早い。
早いと言っても彼女の夫の方が起きるのは早いし、30近くなのにお盛んな夫のせいで毎日夜もろくに眠れないが、それでも6時にはきっかりと起きる。

「おはよう刹那」

ぱちりと目を開けば、視界一杯に朝日で眩しいくらいに輝いている細やかな金髪が見えた。
天使のような寝顔を見ていたのか、傍らでグラハムが幸せそうに新妻を見ているが、寝起きの機嫌が殺人的に悪い刹那はそんな夫の腹を殴りぬくりと起き出す。
こうでもしないと清々しい朝だというのに昨夜の延長戦に突入するかもしれない。強制的に。
腹を抱えて悶絶（ただし幸せそう）している夫を尻目に、鳥の巣のように所々跳ねた髪を整えずに刹那はキッチンに向かった。
朝食は一時間程早起きな夫が作ってくれているが、弁当ばかりは一応妻として作らなければならない。
調理中も夫が後ろから抱きついてきたり愛を囁いてくるが、肘鉄をくらわしたり蹴りあげたりして適当にやり過ごさなければならない。放っておけば今のように
「A65か・・・育たないな」
とやたら真面目な顔で胸を揉みしだいてくる。しかも調子づけば服に手を差し込んでくるのでたまったものではない。
なんとか変態を撃破し、後ろで気絶している夫を尻目に弁当を完成させた。今日のメニューはマッシュポテト。グラハムの好物と聞いて、弁当全面に詰め込んでやる。それも完全にマッシュしきれてない、まさしくロッキーロード状のものを。
職場でよくカタギリに「飽きないの？」と言われるらしいが妻馬鹿であり芋馬鹿であるグラハムにしてみれば最高の愛妻弁当のようだ。刹那としてはただ楽だから作っているわけなのだが。ハワードとダリルが哀れんでおかずを分けてくれる時もあるが愛の力で断っているらしい。
だがさすがに一週間芋も酷なので今日はプチトマトを申し訳程度に入れてやった。

さて、熱々のお弁当をくるんだら最終難関だ。
若干悦っている顔で気絶している夫のネクタイを引っ張り、鞄と共に玄関前まで放り出す。
ここからが面倒だ。

「刹那ぁ･･･」

起きたが足に絡みついてくるグラハムを引き離すのが大変なのだ。

「遅れるから早く行け」
「ああ･･･君と離れたら私は死んでしまうかもしれない」
「なら死ね」
「刹那と私の子を見るまで死ねないさ」

そう言って絡みついて離れないから手に終えない。ロックオン曰く、尋常じゃないしつこさだ。
振りほどこうと蹴りを食らわせようとするが、それで逆にバランスを失い、尻餅をついてしまった。
しまった、と思ったが既に遅く夫・・・基変態は刹那に覆い被さってきた。

「だから子作りしよう！」
「何がだからだっどうしたらそんな結論になるっ！！離せっ！仕事行け変態！！！」

玄関前でこんなことをされてはたまったものではない。必死で手足をばたつかせるが、体格の差がありすぎた。
もっとも隣人のクロスロード家にとっては「新婚さんだから」と妙な納得をされて、玄関から妙な声が聞こえても聞かないふりをしてくれているわけだが。
やがてもがくのにも疲れ、面倒くさくなった刹那は首筋に顔を埋めてくる夫のなすがままになり、どうとでもなれと目を瞑った。
（結婚というより、大型犬を飼っているようだ･･･）
嬉々として衣服に手をかけ、首筋を舐めあげてくる夫･･･基万年発情犬に、若奥様はため息をつきつつも素直に体を開き、徐々にあられもない声を上げた。


これで10勝19敗。よくユニオンはこいつをクビにしないものかと、刹那は一人快楽に呑まれつつも考えた。











ある愛のある日常

（姉さん、お隣さん家からなんか･･･）
（あんたはルイスとああならないでね、頼むから）