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OO中心戯れ言ばっか。ハム至上主義で刹受け中心カオスブログ。



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刹フェルは純愛というか性的なものを感じさせないのがいいですよね。グラ刹とかただれてるのに(えええ)
というわけで刹フェルです。
お互い特別だけど仲間同士のままな関係が大好き。(フェルトは意識し始めてるけど)

明かりも着けずに室内に入り、刹那はヘルメットを放り投げ僅かに浮かぶ。
室内に設置している鏡は本来なら暗闇のせいで何も映さないはずなのに、黒一色に塗りつぶされているはずのそこになにかが映った。
金色の瞳孔。
猫の虹彩の如く光るそれは、金の糸を織ったかのごとく揺らめき、人の虹彩にはありえない光を仄かに放っていた。
俺は、どうなっている。
細胞障害に犯されるのは覚悟していた。皆があからさまに顔を青ざめさせ、刹那もまたただではすまないだろう、と長々治らない銃創を目にする度考えている。
だが最近は、痛みがない。
それところか、MSを前にして相手の剣捌きや思考、動きを事前に感じられるようになった。
沙慈がオーライザーを調整し、戦闘に注意を向けられるからとも考えたが、それも違う。
人の思考が、何故か頭に流れ込んでくる。
恐れ。悲しみ。憎しみ。
戦場のどこかで、マイクを繋いでいないにも関わらずそれらは聞こえてくる。
それだけではない、トレミーにいる者の思考も何故か意識せずに流れ込んでくる。
ライルの割りきれず苦悩しながらも向けてくる憎悪、無意識に失うことに対する恐れを抱きつつルイスを救おう沙慈の心が。
『最近の君は何処かおかしい』

沙慈の言葉だったか。彼は刹那の異変に気づき、かすかに恐れを抱いていた。
俺は、人間でなくなっている?
未だに光っている虹彩。
気づく暇がないほど前しかみず、今まで突き進んできたが今さら恐怖が生まれた。
俺は何になる?
今もまた、誰かの憎しみが、慟哭が、脳を突き刺してくる。
自分がやっていることは、本当に未来へと続くのだろうか。
結局自分は屍の山を築くだけで、無意味な憎しみの連鎖を生んでいるだけなのか…
CBの存在意義が、ガンダムの存在意義が本当に正しいのか解らなくなり、刹那は瞳を閉じ思考を停止させる。
それでも今日もまた、悲鳴は途切れない。悪意はとどまることなく広がり、誰かがまた誰かを殺めにやってくる。
アロウズとイノベイターがいなくなったら、俺は何処に行けばいい?
世界はCBを認めず、声なき憎しみを受け何もなせずまま生きていくのか。
それとも、これ以上人でなくなる前に、誰かが殺してくれるのだろうか…


「刹那?」

いつの間にか、部屋に光が差し込んでいた。
少女の声が耳に届き、刹那ははっと身を固くする。

「スメラギさんからの伝言を伝えに…」
「来るな」

足を踏み入れようとするフェルトに思わず冷たい声を出す。
彼女の動揺が伝わってくるが構わない。
だが恐れられるのが怖かった。人でなくなっていることを、何故かフェルトには知られたくなかった。
きっと瞳はまだ光っている。これを見たら、彼女は刹那に疑問を抱き、恐れを抱くかもしれない。
憎しみも恐れも、気味悪がられることも、慣れているはずなのに。
長年の仲間である彼女の自分に対する思いが、恐れに通じられたら自分がまた一つ人間でなくなってしまいそうで。
彼女はまだどうしていいかわからず入り口に立っていた。

「来るな」

再度彼女を促すように背を向けて言えば、フェルトは意を決したようで床を蹴った。
刹那に向かって。

「刹那…」

シュン、と音を立て扉はしまり再び暗闇が訪れる。
近くに来たフェルトは異変に気づいたのか、息を呑む声が聞こえた。
鏡に映る刹那の瞳に、気づいてしまったのだ。
知られてしまった。
きっと彼女も、恐れるようになる…仲間だからと、口に出すことはないだろうけど…
諦念から刹那は瞼を閉じ、「すまない、一人にさせてくれ」と背後で固まっているフェルトに言う。
彼女の思考が、驚愕から恐怖に変遷する瞬間が恐ろしいから。
しかしフェルトは出ていかなかった。
何も言わず、ただ後ろに立っている。
その瞬間が怖くて、ならば早く済んでしまえばいいと振り向けば、フェルトの影がこちらを見据えているのに気づいた。


「早く、一人に…」
「出来ない」


フェルトが、床を蹴り近づいてくる。
クリスティナ・シェラのように結われた髪が影となり舞う。

そして、手に暖かなものが触れてきた。
彼女の華奢な指が、しっかりと絡まってくる。

「今の刹那、…泣いてるみたいだから」

呟くように言うと、それきりフェルトは黙った。
不思議と彼女の掌の熱が、流れ込む思考を阻害させて何処かで聞こえる嘆きも、フェルトの心も流れ込まなくなった。
だからフェルトが自分をどう思っているか、恐れを抱いているのかわからなかった。
それでも、彼女の繋がれた指先が、掌が暖かくて心地よい。
確かな命の存在を感じ、刹那は気づいたら心の何処かで安堵していることに気づいた。

どれくらい手を繋ぎ、寄り添いあっていたのか。
刹那の掌には、ただ暖かさと、命の存在があった。
命の鼓動にもっと触れ合いたくて、フェルトの小さな掌をぎゅっと握れば、フェルトはもう一方の手で刹那のがさがさになった掌を包み込んでくれた。


「一人じゃないよ、刹那」

奪った命も多い。仲間であるアニューさえ、刹那は躊躇いなく撃った。
だがこうして力をふるい守られた命もある。
ライルが憎しみを抱くのも、生きているから。
フェルトがこうして傍にいるのも、生きているから。
気づいたら二人の距離は近づいていた。
繋がられた片手はそのままに、刹那はもっと鼓動を感じたいとフェルトの背中に手を回す。
フェルトは僅かに驚いたのか身動ぎしたものの、手は繋いだままであった。
すがるように抱き締めた身体は、とても柔らかく暖かかった。

「刹那…」

フェルトもまた、そんな刹那に嫌がることなくただ繋がれた手を応えるように強く握り返してくれた。
気づいたら、刹那の虹彩は元の赤銅に戻り、鏡にはなにも映らなっていた。











刹フェルで孤独を分け合ってたらいいなあ・・・
フェルトが刹那に寄り添ったのはニールのまねっこで、多分フェルトが落ち込んでいるときは刹那が寄り添ってたら・・・いいなあ・・・
刹フェル可愛いよ本当に。
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ここはグラハム・エーカー至上主義グラ刹になりそうな予感のする二次創作腐女子ブログです。
初めての方は「ハジメニ」を読んでください。わからずに突き進むと大変なことになります。
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管理人:流離

since:20071112


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